CINRA 山本梨央さん/自分の気持ちに素直になったら「やりたいこと」が実現し始めた
仕事でもプライベートでも輝いている女性をクローズアップ! 自分らしいワーク&ライフスタイルで充実した毎日を送っている女性たちから、ハッピーに生きるヒントを教えてもらっちゃおう。
今回紹介するワーキングビューティーは、Webサイトの運営や企画編集を手掛けている山本梨央さん。日本文化をこよなく愛し、英語とドイツ語のトリリンガルでもある彼女のお仕事&プライベートを伺った。
挫折して分かった
本当にやりたい仕事
編集部:山本さんは24歳で貴社に転職されているのですね。きっかけは何だったのですか?
前職は通信関連会社で営業をしていたのですが、入社2年目の時に体調を崩して半年間休職することになってしまって。大学時代の友達は皆それぞれ活躍しているのに、「私は何をしているんだろう……」と大きな挫折を味わいました。でもこのまま凹んでいても何も変わらないと思って、休職を機に自分と向き合い、本当にやりたい仕事は何かを考えることに。そこで出た答えが「自分で何かを作り出す仕事がしたい」ということ。誰かが作った商品をただ売るのではなく、自分の手で商品やサービスを生み出せる仕事がしたいと考えました。
編集部:それで今のお仕事をお選びになったのですね。
音楽や演劇が好きで、元々は当社が運営しているカルチャーニュースサイト『CINRA.NET』の読者でしたが、次の仕事を探しているタイミングで今担当している転職情報サイト『CINRA.JOB』の編集兼営業の募集を見つけたんです。デザインやプログラミングはできないけれど、編集なら大学時代にインターンやアルバイトで多少の経験はありましたし、営業なら自信はある。転職は人の人生を大きく変える大事な瞬間ですし、そこに携われることにも意義を感じました。
編集部:入社した当初はどのようなお仕事をされていたのですか?
最初の1年間はアシスタントとして、営業に同行したり、求人情報をシステムに登録したりしていました。あと、サイト内に『私としごと』というクリエイティブ業界で働く人のインタビュー記事の連載があるのですが、その人選や取材にも携わりました。取材は初めての経験だったので思い通りに質問できないもどかしさはありましたが、第一線で活躍する方や会いたいと思った方に話を聞けるのは、非常に楽しく勉強になりました。
編集部:サービスを生み出す仕事への第一歩ですね。
そうして少しずつ先輩から業務を引き継いで、2014年4月からは1人でサイトの運営を担当しています。営業、求人内容チェック、Web掲載準備、掲載後のフォローはもちろん、予算や売上管理、インタビュー記事の企画・編集にも携わっています。求人の掲載は現在50社ほどに絞っていますが、最近では企業からのお問い合わせも多く、うれしい限りです。
学生時代からの夢や目標が
今の仕事で次々と実現!
編集部:転職サイトだけでなく、東京の名所を海外の人たちに紹介する『100 Tokyo』の制作にも関わったそうですね。
そうなんです。経済産業省のクールジャパン施策の一環として立ち上がったサイトなので、経済産業省の方と当社の社員が一緒になって企画・運営をしています。私は東京のファッションや食、カルチャー、観光地などの情報を集め、掲載までのフォローを行いました。今年3月にリリースしてからは、Google+やFacebookなどのSNS運用を担当したりもしています。
編集部:山本さんは英語とドイツ語が話せると聞きました。日本を海外に紹介するような活動には元々ご興味があったのですか?
実は実家が約500年前から続くお寺なんです。四季折々の日本独自の行事や祭りを小さいころから身近に感じて育ったので、いつか大好きな日本の文化を世界に広めていきたいと思っていました。なので、こういったカタチで想いが実現するなんて、自分でも驚いています。サイトを見てくださった外国人旅行客の方が、SNSで情報をシェアして「ここに行ってみよう!」とコメントしていたり、実際にその場所を訪れた写真をアップしていたりするのを見ると、もう感無量ですね。
編集部:それはうれしいですね!
本当に感慨深いです。実は大学4年の卒業前に1カ月ドイツに留学したのですが、その時に日本人のライターの方に出会ったんです。ドイツのライフスタイルやおしゃれなカフェ文化など、撮影・執筆をして日本に紹介されているのですが、文章を通じて海外と日本をつなぐことができるということに、ものすごく憧れました。なんてステキな仕事だろうとうらやましく思いましたが、その時はすでに就職先も決まっていたので、「やりたい」という気持ちを抑えて営業の仕事へ。それから数年後、その時に憧れた文章で日本と海外をつなぐ仕事を、それも大好きな日本の文化を紹介することができるだなんて、夢にも思っていなかったですね。
編集部:まさに今憧れの仕事をしている訳ですね。
さらに、そのドイツで出会ったライターさんにお願いして、『ドイツのしごと事情から見つめ直す、あなたの働き方』という連載も先日からCINRA.JOB上にてスタートしています。憧れのライターさんと仕事ができたこと、大好きなドイツと日本をつなげられたこと、全てが学生時代から思い描いていた夢。こんなに早く実現できるなんて、自分でも驚いています。
編集部:なんだか運命的ですね……!
運命ですよね。入社して1年半で次々と夢が叶ってしまったので、これからは、また新しくやりたいことを探さないと(笑)。
週末は自然や芸術に触れ
感性を磨き仕事に活かす
編集:毎日お忙しいと思います。週末はゆっくりされているのですか?
いえいえ、ライブや舞台、美術館など見たいものは尽きないので(笑)、毎週刺激を求めて全国各地を飛び回っています。先週は同僚と落語を聞きに大阪と京都へ。その前は農業体験イベントに行って、野菜を収穫してきました。おいしいものを食べることだけを目的に地方に行くこともあります。さまざまな経験や出会いが仕事にも活きてくる。オンもオフも思いっきり楽しんでいます。
編集:アクティブですね! 思い立ったら即行動する姿勢は見習いたいです。ちなみに、食生活で気を付けていることはありますか?
料理は好きなのですが、平日は忙しく、なかなか自炊ができていません。早く帰れたら飲みに行ってしまいますし(笑)。その代わり週末は、少し手間が掛かる料理でも、丁寧に作って食べるようにしています。この間は実家で採れた甘夏みかんを使ってジャムとオレンジピールを作りました。最近は料理を盛り付ける器も気になっていて、味のある器を集めているところです。
編集:最後に今後の目標を教えてください。
先週プライベートで大阪に行ったときに、関西のWebデザイナーが集まるイベントにも顔を出しました。多様なクリエイター達と出会い刺激を受けたのはもちろん、関西でクリエイティブ関連の仕事をしている人たちの熱気を目の当たりにしたんです。『CINRA.JOB』はまだ都内の企業がメインターゲットですが、今後は全国に視野を広げて展開できるのではないかと考えています。Webだけでなく、リアルなイベントも企画したいですね。
『CINRA.JOB』の運営を1人で担当し、新たに連載企画もスタート。さらには『100 Tokyo』も同時進行するなど、相当な仕事量をこなしているにも関わらず、仕事帰りや休日に新しい刺激を求めてあちこち飛び回る山本さん。忙しい中でも好奇心旺盛に日々を過ごせるのは、自身の気持ちに向き合い、やりたい仕事を実現したからこそ。おしとやかな姿からは想像もつかない内に秘めたパワーで、今後も「やりたいこと」を次々に実現していくのだろう。
取材・文/岩井愛佳 撮影/赤松洋太
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