“モノづくり一筋”だった女性が学んだ、「突然の部署異動」を自分の強みに変える方法

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“モノづくり一筋”だった女性が学んだ、「突然の部署異動」を自分の強みに変える方法

フランスベッドホールディングス株式会社
輿水 良子さん

大学卒業後の2005年に、家庭用ベッドや医療用ベッドを取り扱う日本のベッドメーカー「フランスベッド株式会社」入社。営業、商品企画、管理本部、ホールディングス総務の部署を歴任

今回紹介するワーキングビューティーは、フランスベッドホールディングス株式会社の輿水良子さん。インテリアの企画開発を夢見て入社し、一度は商品企画の仕事に携わったものの、今は総務部に配属。企業で働く多くの人が経験するであろう「突然の部署異動」。そこで広がった仕事観とは――。

希望部署への異動を諦めなかった新人時代
入社3年半で夢が現実に

編集部:今の会社に入社を希望されたのはなぜだったのでしょうか?

大学で建築学科に通っていたので、インテリアに携われる仕事という軸で就職活動をしました。その中でも、“商品を作る仕事”がしたかったので、自社商品を持つ当社に入社を決めたんです。でも、入社当時、専門職として採用された以外の新入社員はまずは一度全員営業職に配属されるのが当社の慣習だったので、私も最初は営業部門に配属になりました。でも、いつかは商品開発ができる部署にいくぞっていう目標を持っていましたね。それで、上司に猛アピールして「商品企画部に行きたい」という気持ちを伝えて(笑)。入社して3年半が経ったときにようやく異動が叶いました。

編集部:ご自身が強く希望していた部署での仕事を始めてみて、いかがでしたか?

「自分がやりたくてしかたなかった商品企画・開発の仕事ができる!」と最初はすごくガツガツしていて、企画書をいくつも書きましたね。でも、新人である私の企画書が上司の目に留まることはなかなかなくて、すごく悔しい思いをしました。

編集部:その後も企画を評価してもらえない期間は続いたのでしょうか?

そうですね。1年くらいの間はろくに企画書も見てもらえず、モヤモヤした気持ちでいました。でも、陰ながら応援してくれている上司もいて、「めげずにずっと企画書を出し続けろ」って言ってくれたんです。それで、私も諦めずに企画書を出し続けて。商品企画部に来てから1年が経ったころ、たまたま会社全体の方針と私が提案した企画書の内容にリンクするところが出て、「そういえば、輿水が出していた企画にいいものがあったよね」という感じで商品化の話が持ち上がったのです。私が企画していたのが“可動式のソファー”だったのですが、商品化にあたっては、生産先の海外メーカーでの製造、検品、日本向けコンテナへの積み込みまでを見届けたり、その後も販売促進や広告まで力を入れさせてもらったりと、一通りの流れを見ることができて、今までに感じたことのないやりがいを感じられました。売上の面でも良い結果が残せて、「ムービンテリア」という名前でシリーズ化もされています。

突然の部署異動再び!
“他部門”を経験して仕事観が変わった

“モノづくり一筋”だった女性が学んだ、「突然の部署異動」を自分の強みに変える方法

編集部:希望の部署で夢を実現されたんですね。しかし、今はまた違う部署にいらっしゃいますが、なぜなのでしょうか。

商品企画部に移動して3年半が経ったとき、急に辞令があったんです。異動先は、管理本部の中の主に会計がメインの部署……。商品企画の仕事に人並みならぬ熱意を燃やしていた私にとっては、あまりに衝撃的な出来事で、数日間途方に暮れていました(笑)。異動当初は会計用語も全く理解できませんでしたし、また“右も左もわからない新入社員”状態に戻ってしまった感じでしたね。

編集部:でも、今もお仕事を続けていらっしゃるということは、何か心境の変化があったのでしょうか。

会計の部署に来て半年ぐらいが経つと、「こういう部署があるからこそ、会社の経営って成り立っているんだなあ」とか、「会社ってこうやって回っているのか」ということが分かるようになってきて。自分がやっている仕事に意義を見出せるようになり、「会計の仕事も面白い」って感じられるようになったんです。しかも、最初は訳が分からなかった管理会計用語もいつの間にか理解できるようになっていて、そんな自分の成長にも何だか感動したんです(笑)。あとは、この部署の先輩方が本当に尊敬できる方たちだったのも大きかったし、父との会話がモチベーションアップにつながりました。

編集部:お父様との会話とは、どのようなものだったのでしょうか?

父は金融関係の仕事をしていたのですが、私が「今の仕事内容は私には合わないと思う」などと家で愚痴をこぼすと、「全部を知ってこその会社だろ」と会計の大事さを諭してくれました。長年金融関係の仕事と向き合ってきた父からそう言われると、じゃあちょっと頑張ってみようかなという気持ちになれたんです。

編集部:周囲の方のサポートもあったのですね。また、管理本部の次に、現在のホールディングスの総務部に異動されていますね。今の部署にももともとは興味を持っていなかったのでしょうか。

はい。これまた望んでいた異動ではありませんでしたね。ましてや親会社の総務部門だなんて……(笑)。総務部は社員が滞りなく業務を遂行するために基盤を整える部署なので、余計に商品開発からは遠のく形になりました。でも、この異動が決まった時点では、「これもまた勉強だ」と思ってそんなに落ち込んだりはしませんでしたね。総務だって、誰かがやらないといけない仕事で、総務の人がやる仕事があるからこそ会社という組織が成り立つはず。自分がその役に立てるなら、頑張ってみようと。

編集部:これまでに3回の部署異動を経験され、製造・販売・管理というメーカーの仕事を一通り渡り歩いたご自身のキャリアをどう思いますか?

自分の強みであり、アピールポイントだと思っています。やりたくないことや興味が持てないことって、誰もがあると思うんです。でも、いろいろな部署を経験したことで、他の部署が行っている仕事の重要性や大変さも分かるようになり、社内のあらゆる人の立場や気持ちを汲んだ仕事をしようという意識を持つことができるようになりました。まだ、直接モノづくりに携わる仕事をしたいという希望はありますが、良いものを作るためには、その商品がどう売られて利益を生み、会社の成長に還元されていくのかを知っている必要があると思うんです。なので、今は複数の部署の仕事を経験できた自分はラッキーだったなとも思えるようになりました。

視野が広がり余裕が出てきた10年目 
今後の目標はバランス感覚を持った女性

編集部:会社の経営を多方面から見てこられて、今年で入社10年目。今後はどのような女性になりたいと考えていますか?

バランスのいい人になりたいなと思っています。入社当時はバリバリのキャリアウーマンに憧れていて、何でも「私が! 私が!」ってすごくカリカリしていたんですよ。同期と話す暇があるなら先輩と話して少しでも早く仕事ができるようになりたい! とか、視野も狭い上に何だか焦っていたんですよね(笑)。でも、いろいろな経験をして、これからもキャリアは長く続いていくって考えると、もっとゆっくりでもいいのかな、と思えるようになって。他部門への異動は一見すると遠回りだけど、自分の視野をすごく広くしてくれました。専門性をひたすら磨くのも大事ですが、私は会社全体を俯瞰的に見られる人になりたいです。

編集部:これからも仕事を長く続けていかれるということですが、そのためには健康な体も大切ですよね。普段から健康管理で気を付けていらっしゃることはありますか?

幼いころからバレエをやっていて、もう20年以上になります。今は趣味程度にですが、バレエはしなやかな体づくりにもつながりますし、良い気分転換にもなっています。あとは、気の合う友人たちと定期的に集まってお互いのことを話し合ったり、お酒を飲んだり、自分がリフレッシュできる時間を意識的につくることが何よりのストレス解消ですね!


企業で働く限り、希望通りの部署に配属になるとは限らない。しかし、輿水さんのように、どのような状況下でも自分の仕事に価値を見出し、とことん向き合っていく努力ができる女性はいつでも魅力的。これから先、本当にやりたい仕事ができるステージに輿水さんが立てたとき、誰よりも輝く存在になっているに違いない。

“モノづくり一筋”だった女性が学んだ、「突然の部署異動」を自分の強みに変える方法
趣味はバレエだという輿水さん。「いつも使っているお気に入りのシューズです」(輿水さん)
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カルティエの時計は30歳になったときの誕生日に自分で自分に買ったプレゼントだそう。「かなり奮発したのですが、この時計に似合う女性になろうっていう気持ちで買いました」(輿水さん)
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ヘアケアで愛用しているのは『uka Scalp Cleansing Deep & Light』「ナチュラルな香りが気に入っています」(輿水さん)

取材・文/柏木智帆 撮影/吉永和志