20代女性がやりがち!? “30代で後悔する”転職先の選び方3つ
新卒で入社した会社で数年働くと、多くの女性が一度は「ここでこのままキャリアを積んでいいのだろうか」という悩みに直面する。「自分にはもっと合う職場や、仕事があるのではないか」、「この会社で結婚出産後も仕事を続けられるのだろうか……」。あれこれ考えたすえ、これまでとは全く違う業界・職種への転職を検討する人も多い。
だが、これまでに2万人以上の女性のカウンセリングに応じてきたキャリアカウンセラーの水野順子さんは次のように語る。
「新卒3~4年目くらいの人だと、まだほかの会社のことをよく知らないからこそ『自分の会社よりいいところがきっとあるのではないか』という発想になりがち。でも、勢いで転職してしまって、30代になったときに後悔している女性も実は少なくないです」
自分の理想を追い求めてしたはずの転職。なぜ後悔する結果になってしまうのだろうか。水野さんによれば、未経験転職で失敗する女性たちに共通している“転職先の選び方”があるそうだ。
転職先を選ぶときにやってはいけないこと3つ
【1】仕事内容“だけ”を重視する
「会社の将来性や、業界の動向、年収など、長く働いていく上で大切な項目をよく見ずに、やりたい仕事かどうかということだけで転職先を決めてしまう女性が多いです。例えば、『営業の仕事はもういやだから事務ができればどこでもいい』とか、『広報ができれば会社はどこでもいい』といったような選び方。
同じ業種の企業であっても、規模や給与体系も違えば、会社の風土も違う。今後の経営方針も違っていて当然です。そういった会社の状況をよく見ずに転職先を決めてしまうと、前職よりも年収が著しく下がったり、待遇が悪くなったりするケースがよくあるもの。そうなると、『やっぱり前の会社の方がよかったかも……』と悔やんだり、その後も転職を繰り返してしまうことになります」(水野さん)
将来性のない分野や経営状態の悪い企業に飛び込んでしまっても、結局長くは働けない。仕事内容だけ見て会社や業界全体を見ない転職先選びは避けた方がいい。
【2】誰にも相談せず自分の思い込みだけで決める
「『接客の仕事がいやだから、自分には一人で黙々とやる事務作業の方が向いているはずだ』といったように、自分の向き不向きを思い込みで決めてしまう人が少なくありません。でも、『接客の仕事がいや』=『人と話さない仕事が向いている』とは言い切れないものです。それに、『自分は接客が苦手だ』と思っていても、客観的に見るとそんなことはなく、秀でたスキルを持っていることもあります。
自分がなぜ転職したいのか、ビジネスパーソンとしての自分の強みは何なのか。そこを誤解したまま転職すると、次の職場でも過去と同じ理由で辞めることになってしまいます。一度周囲の人やキャリアアドバイザーなどに相談をし、客観的な意見を取り入れた上で転職先を選ぶといいでしょう」
自分自身が自分の適性を誤解していることもある。誰にも相談しない、“思い込み転職”はオススメしない。
【3】パートナー(仮)との人生を勝手に優先する
「実は、意外と多いのがこのパターン。30代になったときには自分は“絶対に結婚している”と思っていて、その後すぐに子どもを生んで幸せな家族生活を送っているという前提のもと、転職先を決めるパターンです。『夫の転勤があったときについて行けるように派遣の仕事にしておきたい』とか、『子どもにかわいそうな思いをさせないように、定時で帰れる仕事に就いておきたい』とか、結婚生活に合わせて働き方をゆるめられる転職先を探すというやり方です。でも、よく話しを聞いてみると『実際はまだ彼氏もいないし、結婚の予定もない』という人が少なくないのです! 厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、自分の描いた通りの未来を歩める人なんて、ほんの一握り。だからこそ、“相手ありき”の条件で自分のキャリアを早くから決めてしまって後悔する女性は多いのです。
30代で独身という人は大勢いますし、自分がしっかり稼いでいく必要があります。また、結婚できたとしても離婚する可能性だってあれば、夫が働けなくなる可能性だってゼロじゃない。いざ自分が働かないといけない状況になったとき、今の日本の雇用状況はそう優しくありません。一度正社員のルートを降りた女性がいい条件で復帰できる可能性はかなり低いのが現状です」(水野さん)
まだ見ぬ将来の夫に自分の人生を託してしまうのは危険そのもの! 絶対にやらない方がいいだろう。
女性も生涯仕事を続けていくことがスタンダードな時代。せっかくなら、やりがいのある仕事を持ち、子どもを持っても長く活躍できる職場を見つけたいもの。客観的な意見も取り入れながら、広い視野を持って転職先を選ぶことができれば、未経験転職した先できっと満足のいく結果が得られるはずだ。
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取材・文/栗原千明(編集部)