09 FEB/2023

転職先の同僚や上司についていけない? 劣等感でネガティブスパイラルに入ったときに試したい思考の整理術

新しい職場・仕事で活躍するには何が必要?
転職1年目、なんでも相談室

本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます

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本日のお悩みは、転職後に感じてしまう「劣等感や焦り」について。

周りの人たちと比較してネガティブな感情に陥った時の対処法について紹介します。

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今回アドバイスする『転職そのあとLABO』研究員 Kさん

『type転職エージェント』の企業担当として約3年間に亘り、大手、中小、ベンチャーと幅広い企業の採用活動をサポート。 WEB業界やIT業界を中心に70社以上の中途採用を支援してきた経験を生かし、転職者のその後の活躍を支援するチームで活動を始める。好きな業務は、企業の人事との意見交換。性格は「スーパーポジティブ」

転職先の同僚や上司に対して劣等感を抱いてしまう

相談者

転職してもうすぐ1年がたちます。

憧れの会社だったので内定をもらえた時はとてもうれしかったのですが、入社してみると優秀な上司や同僚が多く、だんだんと「ついていけない……」と焦りを感じるようになりました。

せっかく入社できた会社なのでもう少し頑張りたい気持ちはあるものの、劣等感を抱きながら毎日を過ごすのが憂鬱です。

すっぱりと諦めて自分のレベルに合った会社に転職した方がいいのでしょうか?

『転職そのあとLABO』研究員からの回答

周りの人たちが優秀なことで、つい自分と比較してしまって落ち込むことってありますよね。

私も現在の会社に入社した時に、ずっと下から2番目の営業成績が続いて、毎日家に帰っては泣いていたので、その気持ちはとても分かります!

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいのは、優秀かどうかを決めるのは誰か、ということ。

それは会社であり、上司です。あなた自身が自分のパフォーマンスに満足できていなくても、会社や上司の評価はそれとは異なっている可能性もあります。

「もう少し頑張りたい気持ちはある」のなら、諦めて転職するのはまだ早いかもしれません。

スキルアップに向けて努力を続けるのはもちろん大切ですが、それよりも前に解決すべきは「焦り」や「劣等感」といったネガティブな感情をどう処理していくか

落ち込んだり悩んだりしていると、仕事のパフォーマンスも下がり、さらにネガティブになる「負のループ」に陥ってしまいます。

その悪循環から抜け出すために、まずは自分で自分の精神を前向きな状態に持っていくことがとても大事だと私は考えます。

というわけで今回は、私自身がつらかった時に試行錯誤してたどり着いた、ネガティブ思考から抜け出すための「思考の整理方法」をお伝えしたいと思います。

ネガティブ思考への対処法

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【1】自己評価は減点法ではなく加点法で

完璧主義のあなたは、自分を減点法で評価していませんか?

理想の状態からの減点方式で発想すると、どうしても「できていないこと」に意識が向いてしまい、ネガティブ思考に陥りがちです。

そんな時は、物事を加点方式で考えてみましょう。

まずは0点からスタートし、「できたこと」「今の自分にできること」の数だけ加点していく方式に考え方を変えてみる。

すると、状況は変わっていなくても気持ちが楽になるのではないでしょうか。

例えば、

「企画書ができたけれど、あまり良い出来じゃない(減点)」
→「企画書のドラフトが完成した(加点)」
→「見直して修正を加えたことで、クオリティーを上げられた(さらに加点)」

「今日もこれしか進んでいない(減点)」
→「60分間集中して取り組めた(加点)」

など。ポイントは、環境や周りの人の働きに左右されず、自分だけで完結する範囲で考えてみることです。

【2】「0点か100点か」ではなく、その中間を探す

物事を白か黒、0点か100点かで考えてしまうと、理想の状態以外はすべて「できていない」ことになり、やはりネガティブな気持ちにつながってしまいます。

現実には、白と黒の間にはたくさんの中間色があるわけですから、優劣や善悪、勝敗を単純化して捉えるのではなく、意識して「中間を探す」ようにしてみましょう。

ポイントは、とにかく「分解する」こと。例えば、「今日のプレゼンテーションでミスしたので、このプロジェクトは失敗だ」と考えてしまったら、次のように分解してみます。

「今日のプレゼンテーションでミスしたので、このプロジェクトは失敗だ」
→「今日のプレゼンテーションでミスした」
→「プロジェクト全体の失敗」

そうすると、「今日のプレゼンテーションでミスした」のは事実だとしても、「プロジェクト全体の失敗」はまだ起こっていないことが分かります。

次に、「今日のプレゼンテーションでミスした」という事実をさらに分解すると、

「後半の質疑応答にはスムーズに答えられた」
「事前に提出した資料には指摘は入らなかった」

というポジティブな要素も見つかるかもしれません。

あるいは、「プロジェクト全体の失敗」が確定するまでのプロセスを分解してみれば、

「プレゼンテーションの機会はまだあと2回ある」

ことに気づけるかもしれません。

このように「中間にもいろいろな要素があるんだ」と考えられるようになればOK

白か黒か、0か100か、勝つか負けるかだけではない、曖昧な部分を受け入れられるようになれば、だいぶ気持ちが楽になります。

【3】事実と臆測を切り分けてみる

「前回ダメだったから今回もダメだろう」「自分には理解できないからこの仕事には向いていない」……。

こういったネガティブな思考は、単なる先入観、思い込みであることも多いです。

こうした思い込みから抜け出すには、事実と臆測(感情)を切り分けて考えることが大切です。

仕事でささいなミスをした。でも上司は怒らなかった。例えばこんな状況が起きたとします。

「上司が怒らなかったのは私にあきれているからだ」「こんなささいなミスをしてしまう自分は仕事ができない」などとネガティブにとらえてしまう方もいるかもしれません。

しかし、そんな時はちょっとだけ冷静になって、何が事実で、何が臆測や感情なのかと切り分けて考えてみましょう。

事実:ささいなミスをした。上司は怒らなかった
臆測:上司はあきれている。自分は仕事ができない

このように事実と臆測を切り分けて、不確かなことはいったん考えないようにするトレーニングをしてみてください!

事実のみに注目すれば、「次はどうしたらミスしないかな?」など前向きな発想につながるのではないでしょうか。

セルフコントロール力を高めよう

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私もいまだに「忙しいからランチ抜きだ」と極端に考えてしまい、「いや、コンビニのおにぎりなら5分で食べられる」と中間にある選択肢を探してはネガティブを払いのけています(笑)

でも、ご紹介したような「ちょっとした思考の転換方法」を身に付けたら、以前よりかなりポジティブに、楽しく仕事に向き合えるようになりました。

楽しんで仕事をしていれば、そのことがパフォーマンスの向上につながる「正のスパイラル」も期待できます!

前向きに仕事に取り組んでいる人は周囲からも応援されやすいもの。上司や同僚からのサポートやアドバイスも得られるかもしれません。

焦りや劣等感は、実は周囲との戦いではなく自分との戦いなのだと思います。セルフコントロール力を高めて、どんどん成長していきましょう!

※本記事は『type転職エージェント 転職そのあとLABO』のコンテンツを一部編集の上転載しています

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