30 MAY/2023

離婚女性3人に学ぶ、結婚後も自分らしく働くためのパートナー選び「違和感を無視してはいけない」

離婚妻

結婚する友人の増加、親からのプレッシャー。30代を目前に、結婚への焦りが出てきた人もいるかもしれない。

だが、当然のことながら結婚にはパートナー選びが重要だ。ライフステージが変わっても長く働き続けようと思うなら、なおさら価値観のすり合わせが必要だろう。

そこで、「結婚への焦りがあった」という離婚経験者3名による座談会を開催。

彼女たちの反省をもとに、自分らしく働き続けながら円満な結婚生活を送るためのパートナー選びの心得について聞いた。

<座談会の参加者>
●ライター(フリーランス) 山口さん(仮名)

●デザイナー(正社員・二児の母)小林さん(仮名)

●専業主婦(一児の母)川上さん(仮名)

※離婚当時

「おや……?」モヤッとするポイントに目をつぶっての結婚

編集部

皆さんが元パートナーのどんなところに引かれて結婚したのか、聞かせてください!

ライター
山口さん

元夫とは共通の趣味を通して出会ったのですが、何事にも動じず、頼りがいがある点に引かれました。すごく安心感があったんですよね。

付き合って数カ月たった頃に一緒に住み始めて、1年半くらいで結婚しました。

デザイナー
小林さん

私の元夫も山口さんの元パートナーと似たタイプかもしれません。リーダータイプで、周りに流されず、自分の意志に従ってグイグイ進んでいく姿に魅力を感じていました。

私は5年ほどお付き合いして、自然な流れで結婚した感じです。

専業主婦
川上さん

私は早く結婚したかったので、20代半ばごろからは結婚を前提にしたお付き合いしかしないと決めていました。

元夫との出会いは街コン。30歳が目前に迫っていて、仕事もしていなかったので、わりとすぐに結婚を決めましたね。

編集部

皆さん離婚を経験していますが、結婚する時点で相手の気になる点はありましたか?

ライター
山口さん

小さな違和感はありました。

何かを決めるときはいつも私が譲歩する関係性だったので、食器一つ買うにしても彼にお伺いを立てなければならなくて。

デザイナー
小林さん

うちも決定権は元夫にありましたね。何をするにも彼の希望に合わせていました。

例えば、旅行に行く時も「どこに行く?」といった話し合いをせずに彼の方で予約をしてから、事後報告をされることも日常茶飯事でした(笑)

専業主婦
川上さん

うちも同じです!(笑)

何を食べたい、何がしたい、どこに行きたいなど、ささいなことでも希望を言えませんでした。

私が仕事をしていなかったので、全てお金を出してもらっており、引け目があって意見が言いづらかったんです。

結婚前から一緒に住んでいたのですが、家のことは全て私がやっていたし、今思えば卑屈になる必要はなかったんですけどね。

編集部

力関係において、パートナー側の方が強かったというのは全員の共通点ですね。

皆さんがそれでも結婚に踏み切ったのはなぜでしょう?

ライター
山口さん

違和感はあったのですが、目をつぶれる程度でしたし、当時もう30代だったので、結婚への焦りもあって

「まぁいっか」くらいの気持ちで受け流しちゃってましたね。

デザイナー
小林さん

私もそれまでお付き合いしていた期間が長かったこともあり、「これまでも大丈夫だったし平気でしょ」とあまり気に留めていませんでした。

専業主婦
川上さん

私は入籍後に結婚式を挙げたのですが、結婚式の準備をしている段階でも大声で怒鳴られたり、無理な節約を求められたりするようになっていて、違和感はどんどん大きくなっていたのですが……。

すでに入籍してしまっていたし、何しろ経済力がなかったので、気付いた時にはもう引き返せない状況でした。

離婚妻

小さな違和感が大きく膨れ上がった結婚生活

編集部

結婚前に抱いた違和感は、結婚生活にどう影響しましたか?

ライター
山口さん

結婚後しばらくしてから会社を辞めてフリーランスになったのですが、会社員時代よりも交友関係が広がり、外出することが増えたんです。

すると、「遊び歩いてばかりいる」などネガティブなことを言われるようになって。

編集部

働き方が変わったことで、価値観のズレが生じてしまったんですね。

ライター
山口さん

正社員として働いていた時も帰りが遅く、「ちょっと働きすぎじゃない?」と言われることはありました。

今思えば、結婚前に働き方のすり合わせをちゃんとしておけばよかったのかも。

専業主婦
川上さん

山口さんが自分の世界を広げていることへの嫉妬心もあったのかもしれませんね……。

ライター
山口さん

今までは意見がぶつかることがあっても、ささいなことばかりでしたし、丸く収めるために自分が諦めればいいと考えていました。

でも、ここで諦めたらこれからの人生、ずっと彼に足を引っ張られ続けてしまう。

それで本当にいいんだっけ? と考えるようになり、離婚が頭をよぎるようになりました。

デザイナー
小林さん

わが家の場合は、彼の転職と私の育休明けの復職が重なったことがきっかけでバランスが崩れました。

子どもがまだ小さく、大変な時だったのですが、彼は仕事に専念したくなり、私に専業主婦になることを求めるようになったんです。

今までは彼の希望することに大きく反発をしたことはなかったのですが、私にとって仕事はとても大切だったのでこの発言が許せなくて。

約束が違う! と、口論が増えました。

ライター
山口さん

結婚前に働き続けたい意思は伝えていたんですか?

デザイナー
小林さん

結婚前に話し合いの時間を設けて、「子どもが生まれても働き続けたいから、家のことは分担で」と合意を取りました。

それで納得してくれたと思っていたんですけどね……。

編集部

川上さんの場合は「違和感がどんどん大きくなっていた」とのことでしたが、離婚のきっかけは何だったのでしょう?

専業主婦
川上さん

結婚式の準備をしている時から時折怒鳴られることはあったのですが、日常的ではなかったので、なんとか自分を納得させていました。

引き続き専業主婦として家のことに専念していたのですが、収入がない分、家事を完璧にやらなければと必死でしたね。

でも子どもが生まれるとそうもいかなくなって。

育児のストレスや夜泣きの対応による睡眠不足も重なり、経済的に支配されたり怒鳴られたりする生活に耐えられなくなり、離婚を決めました。

離婚妻

離婚した今思う、相手選びで重要なポイント

編集部

結婚前にやっておくべきだったなと思うことはありますか?

専業主婦
川上さん

私は経済力のなさから、結婚を取りやめるという選択を取れなかったので、仕事をしておけば良かったと思っています。

家にいることを求められても、「仕事をする・しない」の2択ではなく、家でできる仕事をしてみるとか、家庭に軸足を置ける働き方を検討することもできたなと。

そのへんまでしっかり話し合っておけたら良かったですね。

ライター
山口さん

今は働き方の選択肢も広いですもんね。

私の場合は、「譲歩することができる人か」「対等に生きていける人か」の二点を見極められていたらよかったなと思います。

20年、30年と一緒にいると、価値観がズレてくることもあると思うんです。そういう時に話し合いができて、相手の変化を受け入れられる人なのか。

仕事観だってずっと変わらないことはないと思うので、その都度すり合わせをしようねとあらかじめ話しておけるといいですよね。

デザイナー
小林さん

私の場合は結婚前に話し合いはしていたものの、根本にある価値観に目を向けられていなかったなと思っています。

表面上は仕事観をすり合わせたつもりだったけれど、実は異なる価値観を持っていて、それが後から湧き上がってくることもあるなって。

専業主婦
川上さん

でも口に出してくれないと、隠れた価値観を見いだすのは難しいですよね?

デザイナー
小林さん

そうですね。でも今思うと、相手の育った環境にヒントがあったなと思っています。

彼の母親は専業主婦で、育児に専念していました。

父親が外で働いて母親は家を守るスタイルの家庭を、彼自身が良いと感じているのには気付いていたんです。

お互いの本音に目を向けた上で、どういう働き方であればお互い納得できるかを話し合っていれば、ここまでこじれなかったかもしれません。

離婚妻
専業主婦
川上さん

パートナーに選んでいい人かどうかの見極め方としては、彼氏・彼女・夫・妻などの肩書を外したときに「友達でいたいと思える人か」がポイントだと思っています。

恋愛感情は何十年も保てないことが多いので、そういう時につなぎ留めてくれるのは人間性ですよね。

例えば、友達が無職になっても絶縁しようとは思わないじゃないですか。そこで縁を切りたいと思うような人はやめておいた方がいい。

ライター
山口さん

あとは、少しでも引っかかることがあったら、うやむやにせず話し合って懸念点をつぶしておくべきですね。

デザイナー
小林さん

間違いない!

専業主婦
川上さん

全員一致の結論ですね(笑)

取材・文/光谷麻里(編集部)