「男なら飲め」「薄毛治しなよ」「彼女いるの」はアウト! 男性が女性から受けた職場のセクハラ大公開

昨今、社会全体で女性へのセクハラに対する感度は上がってきているように感じますが、「女性から男性に行われるセクハラ」はどうでしょうか?
「女性へのセクハラと比べると感度が鈍くなりがち」「もしかしたら、無意識にやっちゃってる可能性も……」という人もいるかもしれません。
そこで今回Woman typeでは、「職場で女性からセクハラを受けたことがある」と話す20~30代の働く男性たちに、具体的なエピソードを聞いてみました。
自分も知らず知らずのうちに、やっちゃってるかも……? という人は、ぜひ参考にしてみてください!
Q1. 職場で女性からセクハラを受けたことがある方に伺います。誰からセクハラの被害を受けましたか?

職場で女性からセクハラ被害を受けたことがある男性58名に「誰からセクハラ被害を受けたか」を聞いたところ、「上司の女性」と回答した人が約6割を占めました。
次いで「同僚、後輩の女性」(31%)、「取引先の女性」(8%)と続く結果に。
「上司の女性」が圧倒的に多いところを見ると、上下関係がある中だとセクハラが起こりやすいというのは男女問わずのようです。
次に、どのようなセクハラ被害に遭ったのかを聞いてみたところ、さまざまなエピソードが寄せられました。
Q2. どのような「女性からのセクハラ」被害に遭いましたか?
「『筋肉すごいね』と言いながら体を触られた」(25歳/一般事務兼管理職)
「ガタイがいいね、と肩や胸をバシバシ叩かれた」(37歳/建設工事)
「仕事を教えてもらう際に必要以上にボディタッチをされる。気持ち悪いと思いながらもはっきり言えず、渋々耐えた」(28歳/営業)
「お酒を飲みながら、男の同僚と最近一緒に始めた筋トレの話で盛り上がっていると、急に私とその同僚のお腹を触ってきて『これじゃあ男としてだめだね』と一蹴。完全に場の雰囲気がしらけた」(33歳/営業)
「顔がかわいいと言って、なでてきたり抱きしめられたりした」(26歳/営業)
「話の端々に性的ないじりを入れてくる」(39歳/一般事務)
「まだ若くて性欲もあるのに、何で結婚して子ども作らないの?と上司から言われた。しかも食事中に」(35歳/一般事務)
「彼女いないの? もしかして童貞? などと言って、からかいながら背中をポンポンと叩かれた」(34歳/製造業)
「妻が3人目の子どもを産んだことを女性上司に報告すると、「今どき3人産むなんて、〇〇くんって好きだね~」とニヤニヤしながら言われた時は背筋がゾッとした」(39歳/ドライバー)
「取引先の女性に気に入られ、打ち合わせの時にいつも『良いにおいだね』と体を嗅がれて困った」(33歳/システムエンジニア)
「取引先の女性から腕を組まれ、むりやり写真を撮られた」(29歳/営業)
「飲み会で『男だから』という理由で、裸でいろいろさせられた」(30歳/ライター)
「酒の席で、『男なんだからたくさん飲め』と言われた」(33歳/営業)
「新商品の試着を女性社員が数人いる前で何度もやらされた。目線を逸らす配慮もなかった」(39歳/アパレル販売)
「同期の女性から毛深いことを執拗にからかわれた。また、赤面症であることについて、性的な事を考えてるからだと言われた」(27歳/運送業)
「『○○くん、髪の毛薄いから治療すればいいのに』と自分でも気にしている薄毛を、ことあるごとにいじってくる」(22歳/システムエンジニア)
「体が細くてガリガリだねと言われる」(29歳/製造業)
「気に入ってくれた女性上司がかなり積極的で、会社で他の人でも気付くような特別扱いや、退社後もLINEで性的な意味を含ませるような連絡をしてきた」(28歳/営業)
「〇〇君、かっこいいよね。この後うちにご飯食べに来る?などと毎回誘ってくる」(27歳/サービス業)
「君は結構ガタイがいいからモテるでしょ、彼女はいるの?としつこく聞かれた。答えたくないし、人前で聞かれると恥ずかしいので本当に嫌だった」(28歳/経理)
執拗なボディタッチや性的なジョークなど、セクハラ被害の実態は男性も女性も共通する点が多そうです。
では、このようなセクハラ被害に対して、男性たちはどのように対処したのでしょうか。
Q3. Q.2 のセクハラ被害にどのように対応しましたか。

「なるべく関わらないようにした」「特に何もしていない」など、積極的な対応を取っていない人が約7割を占めていました。
「相談した」と回答した人の中では、同じ職場で働く上司や同僚に相談した人が最も多く、家族や友人、外部機関に相談する人は少数派という結果に。
デリケートな問題だけに、口に出したり大事にしたりすることを躊躇する人が多いことがうかがえます。
では、こういった対応をした結果、セクハラ行動はどう変わったのでしょうか。
「あいさつくらいしか会話をしなくなった」(28歳/一般事務)
「距離をあけたことで、セクハラまがいのことはして来なくなった」(25歳/一般事務兼管理職)
「こちらが明らかに避けていることに気が付いたのか、向こうも段々と話しかけなくなってきた」(34歳/製造業)
「エスカレートして、他の男性の後輩にもセクハラをするようになってしまった」(31歳/エンジニア)
「相手もそれを感じたのか、今度は冷たい態度やイライラした態度を取られるようになった」(38歳/医療関係)
「セクハラ行動、言動が日常化し、他の社員までセクハラまがいのことをするようになっていった」(27歳/運送業)
意識的に距離を置くことで自然とセクハラが収まったという声もありますが、特に行動を取らなかった場合は「事態が悪化した」「特に変化がない」といった声が大半を占めていました。
「社長が直接注意をしてくれて、その後本人からも謝罪を受けた。今では適切な距離で接してくれている」(26歳/営業)
「行動を行き過ぎたことに対して謝罪をしてくれた」(32歳/生活支援員)
「店長に報告したところ、シフトが被らないように配慮してくれ、被害が減った」(22歳/販売員)
「上司から注意してもらった結果、『まさかセクハラだとは思わなかった……!』という反応だったようで、その後気を付けてくれるようになった」(34歳/一般事務)
「注意してもらっても、結局本人が退職するまで続いた」(31歳/アルバイト)
結局解決しなかったケースもありましたが、事態が好転したという声が大多数という結果に。
被害男性たちのコメントを見ると、「女性が注意されて初めてセクハラであると自覚をした」ケースも多そうです。対男性となると、セクハラへの感度が鈍ってしまっていることの表れかもしれません。
当たり前のことですが、セクハラが被害者に及ぼす影響は、男性も女性も変わりません。「もしかして、私セクハラしちゃってるかも……?」と思ったら、“男女逆だったら……”と想像して自分の言動・行動を捉えてみるといいかもしれませんね。
【調査概要】
●調査方法:20~39歳の男性へのWebアンケート(クラウドワークス)
●調査期間:2024年07月30日~2024年08月05日
●有効回答者数:58名
文/光谷麻里(編集部)
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