人気芸人たちの「行き詰まった時」の思考転換法【ゆりやんレトリィバァ 友近 バービー 山﨑おしるこ】

いつも、見る人を笑わせてくれるお笑い芸人たち。
でもその裏では、笑えないくらいつらいことや、壁にぶち当たることもあるだろう。そんな時、彼女たちはどのように思考を切り替えているのだろうか。
4人のお笑い芸人たちのインタビューから、ヒントを探ってみよう。
ゆりやんレトリィバァ「自分が楽しいと思うことを疑わずにやる」

可愛らしい声とおっとりした話し方に、相反する奇抜なネタ。
『R-1グランプリ』での優勝経験もあり、芸人として確かな評価を受けている、ゆりやんレトリィバァさん。
今や芸人という枠を超えてジャンルレスに活動している彼女ですが、仕事も生き方も「何がいいのか」「もっとちゃんとした方がいいのかな」と悩む時期があったそう。
そんなモヤモヤ期をどのように乗り越えたのでしょうか。
周りの先輩の姿を見たり、話を聞いてもらったりすると、「やっぱり自分が楽しいと思うことを疑わずにやることが一番やな」って思うようになって。
(レイザーラモン)RGさんとか、なかやまきんに君さんを見ていたら、すごいなって思います。ずっと自分らしい芸を貫いていて面白いし。
私が落ち込んだときは、RGさんが「ええねん、あれを1個やったからよかった」みたいに言ってくれて。
尊敬する先輩方はみんなそうなんですけど、どんな嫌なことあっても、全部ポジティブな方に捉えて声を掛けてくれるんです。
私もそうありたいし、いまだに悩むことはありますけど、今は「まぁ自分が楽しいからええかな」と思えるようになりました。
友近「みんなに認めてもらわなくてもいいと割り切る」

プロ顔負けの歌唱力に、豊富なモノマネのレパートリー。
自他ともに認める“器用な人”である友近さんですが、何をやっても「できて当たり前」とみなされなかなか周囲から評価されないこともあると言います。
そんな時友近さんは、どうしているのでしょうか。
みんなに認めてもらわなくてもいいって割り切ることは大事です。
自分は誰に評価されたいのか。そこをぶらさない。
私の場合は、バッファロー吾郎Aさん。
私にとってバッファローさんは、ずっと「この人にネタを見てもらいたい」と思っていた人。
そんな人が、NSC(吉本総合芸能学院)に入って半年くらいの時に、私のネタを見て面白いと喜んでくれた。
そして、バッファローさんのライブに呼んでくれて。バッファローさんのお客さんが私のネタを見て大笑いしてくれた。
あの体験が、私の芸人としての原点です。
バービー「とにかく動いて、差し伸べられた手をつかんでみる」

今や「セルフラブ」のアイコンとして多くの女性から支持を集めるバービーさん。
かつては、周りの芸人仲間と比べても「お笑い偏差値」が低い自覚があったと話す彼女。
コンプレックスを解消するために無理をして「世間から求められているバービー像」に応え続け、ガス欠状態に陥ったことがあるそう。
そんなキャリアの迷走期に私が何をしたかというと、とにかく動くこと。
興味のあることに何でもトライするようになりました。趣味を楽しんだり、ガーデンデザイナーの勉強を始めたり。
今やっていることが将来何につながるのかも分からなかったけれど、とにかくやりたいことに一つ一つ取り組んでいきました。
そうしていたら、ラジオ番組『ACTION』からオファーをいただいて、特に口にすることのなかった本音をそのまましゃべってみたんです。すると、想像以上の反響が来て。
例えば、私は今、女性向けのメディアでエッセーの連載を持たせていただいているのですが、あれも『ACTION』がきっかけ。
たった1本のラジオ出演が、私のパブリックイメージも仕事の内容もガラッと変えたんです。
ムームー大陸・山﨑おしるこ「本業だけに縛られない」

本業の芸人活動に加え、イラストレーターやバンドのボーカル、ハンドメイド作家、絵本作家などマルチに活動している、ムームー大陸の山﨑おしるこさん。
自分らしい生き方を体現する彼女ですが、NSCに入学して3年目の時にコロナ禍に突入。劇場が縮小されたり、閉館になったりし始め、将来への不安が一気にあふれ出したと言います。
「もう芸人を辞めようか、迷ってます」と先輩芸人に打ち明けた時に掛けられた言葉が、彼女の考え方をガラッと変えました。
「お笑い芸人は、役者でも、アイドルでも、歌手でも、何にでもなれるから、めっちゃおトクやで。芸人やりながら歌手を仕事にすることもできるねん。
あんたは絵も得意やし、めっちゃ歌もうまいし、なんでもやっちゃえばいい。別にお笑いだけ頑張らんでもええで」
その言葉が、すごい腑に落ちたんですよね。
当時の私は「まだまだ若手だし、ネタを頑張らなきゃ」って頭の中がいっぱいになってました。
だから、この一言をきっかけに「いろいろやっていいのか」って思えるようになったのは、私にとって大きな転機でしたね。
働いていると、いつも順風満帆というわけにはいかないもの。
でも、ちょっと考え方を変えることで、壁を乗り越えることはできるのかもしれません。
今つまづいてしまっている……という人はぜひ、4人の人気芸人たちの「思考の転換法」を参考にしてみてください!
文/Woman type編集部