先輩ワーキングマザー5人が教える復職Tips!“その時”が来る前に知っておきたいこと【前編】

出産後も子育てをしながら働きたいと考えている女性は多いものの、実際に産休・育休を経験したワーキングマザーの中には、復帰前後で仕事と家庭の両立に“壁”を感じてしまう人が少なくありません。そこでこの特集では、女性の社会進出を支援するGoogleのプロジェクト『Women Will』サポーター企業の先輩ワーキングマザーの“復職”にまつわる実体験をもとに、若手女子が結婚・出産前から知っておくべき復職Tips をお教えします!
本特集では、前編・後編を通して5名のワーキングマザーが登場。次の3つの質問に、それぞれの復職時の経験を踏まえて回答していただきました。
2. 実際に復職してみて大変だったことは?
3. これから出産・復職する女性たちにアドバイスするなら?
いざ自分が“復帰の時”を迎えたときに困ってしまわないように、先輩たちの経験を事例にいち早く学んでおきましょう。
【Tips1】
「キャリアが途絶える?」「子どもが病気になったら?」
漠然とした不安は「見える化」して休職中に解決策を用意しておく


管理職として働く中で、産休・育休を取得することで「キャリアが途絶えることになるのでは」という不安を感じていました。また、出産前から家事は夫と分担していたものの、新たに加わる育児がどの程度仕事に支障をきたすのか見えず、復職後の生活が不安でした。そんな不安を払しょくするために、産後の体調が安定してから週に1~2回、業務に必要な英会話力を維持する目的で英会話レッスンを子連れで受講したり、職場に出向いて同僚や部下とコミュニケーションを取るようにしていました。
あとは、復職後に「子どもが病気になったらどうしよう」という心配がありましたね。これも病児保育を併設している保育園を探したり、ファミリーサポートの登録や両親へ具体的に協力を依頼しておくことで対策を用意し、不安を解消していきました。

我が子かわいさで、ほとんどの育児を自分で抱えて復職してしまい、これはとても大変でした。オススメしません! また、復職当初は時短勤務制度を利用していましたが、夫と育児・家事の分担や、お互いが目指すキャリアについて話し合いながら両立生活の体制を整えるうちに、「もっと働きたい!」という気持ちに。
また、復職時の上司から管理職という判断軸で積極的に業務を任せてもらうことができていたので、実際に復職してからは、帰宅後に進展した情報があれば翌朝共有するという仕組みや、不測の事態にはメンバー同士でお互いの仕事をカバーできるような体制に助けられながら、不安に思っていたよりも業務に励むことができました。こうした環境で働く中で、キャリアと家庭を両立する女性の支援を事業とする今の会社で両立に悩む方を応援したい、そうした悩みを世の中からなくしたい!と思うようになり今の会社に転職もしました。

漠然と感じている不安は、自分は何を不安に感じているのかを「見える化」することによって、解決策も考えられるようになります。
そして、とても大切なのは子育てを一人で抱え込まないことです。キャリアと子育ての両立はママだけの課題ではありません。夫と一緒に両立体制を築けると、仕事の可動域も広がりモチベーションも上がります。また、家族の絆がより深まって心の支えにもなり、「明日からも頑張ろう」という気持ちになれますよ!
【Tips2】
家事・育児の作業一覧を作成!
“手を抜くポイント”を決めておく


復帰前と同じような責任ある業務を任せてもらえるかどうか、仕事の感覚が取り戻せるかどうかは心配でした。また、フルタイム勤務から時短勤務になって仕事をやり切れるのか、家事・育児がちゃんと回せるのかどうかも不安でした。
そこで、家事・育児の作業一覧を作成し、育休時から作業の回数を徐々に減らしてみるなどしながら“手を抜くポイント”を決めていきました。また、夫に対しても遠慮せずに手伝ってほしいことを明示して、仕事が思い切りできる協力体制を整えたことも不安解消につながりましたね。

復帰前から徐々に準備をしておいたからか、特に大変だと感じることはありませんでした。1回目の育休復帰時は、慣らし運転的に1カ月間限定のプロジェクト業務にアサインしてもらえたので、集中的に働くことができ、スムーズに「仕事の感覚を取り戻す」ことができました。2回目の育休復帰の際は、フルで復帰する前に週に何回か日数を減らして出勤する「プチ復帰」の形を取らせてもらい、自分の体と感覚を戻していきました。会社の状況をキャッチアップしてから仕事に戻れたため、1回目の復職時よりもさらにハードルが低くなったと感じました。

私もそうでしたが、復帰後も“やりがいのある仕事をまかせてもらえるのか”が心配という女性も多いと思います。そういう時は、今のうちから自分が働く上で重視していることや、やりがいを感じるポイント、得意なことや苦手なことを見直しておくといいと思います。そうすれば、復職後の配置転換があってもきちんと対応できると思います。それに、困ったときには自分1人で悩まずに、上司や先輩に相談すればいいのです。きっと、手探りでも前に進んでいけますよ。
【Tips3】
社内で使える施設や制度を事前に確認しておく


仕事と育児を両立できるのか、ちゃんと家事はできるのか、保育園に入れるのか、子どもが病気になったとき仕事はどうするのか……。不安に思うことが山ほどありました。
一方で、今の会社には子供を預けられる「キッズスペース」が併設されているため、社内で使える施設や制度を事前に確認するようにしていました。

年度途中の職場復帰だったため、保育園への入所ができませんでした。そのため、子どもの預け先をどうするか、勤務時間をどうするかはずっと迷いがありました。
結局、初めは週3~4日の出勤、短時間勤務での復職。会社の「キッズスペース」の利用と、外部の一時保育なども併用し、両立生活のベースを整え、勤務時間を徐々に長くしていきました。幸い、子どもが急に体調を崩したりしたときも「無理をしないで」と周囲の人が声を掛け、サポートしてくれるような社風なので、いつも安心して働けています。

幼い子どもを抱えての復職は、想定外の事も多く、予想以上に負担がかかります。子供を預けられる施設は会社や自宅の近くにあるか、万一の時に頼れる人はいるか、夫は復職を応援してくれているか、どのくらいサポートしてくれるのか、これらのことを事前に確認しておくと少しでも心の負担が軽くなると思います。
子育てによって仕事に割く時間が変わって職場に対して申し訳なさを感じてしまうという人もいると思いますが、決して悪いことをしているわけではありません。焦らずにできることから準備して、他の先輩ママのアドバイスなども参考にしながら、復職後の両立生活に向き合ってみてほしいと思います。
引き続き、2名のワーキングマザーが登場する後編もお楽しみに!