【節約オタクふゆこ】借金完済→29歳で資産1000万を達成した脱サラYouTuberの人生を変えた「貯金メンタル」
「ゆるキャリ」も「バリキャリ」もしっくりこないーー。そんな女性に提案したいのが、人生を楽しむゆとりと仕事を思い切り頑張ることで得られる充実感の両方を大切にする「ゆるバリLady」な生き方。2025年は、「ゆるバリLady」を目指してみない? 物価は上がるのに、給与は据え置き。お金の不安を解消するためにも、「今年こそは貯金するぞ!」と意気込んでいる人もいるのでは? お金を貯めるにあたって一番大事なのは、自分と向き合い、心を整えて「貯金メンタル」をつくることです! そう教えてくれたのは、節約オタクふゆこさん。 奨学金など477万円の借金返済に追われていた会社員時代を経て、現在は自身の好きなこと・得意なことを生かして節約・投資系YouTuberとして活動しているふゆこさん。 誰にでも分かりやすい解説と地に足の着いたお金についての堅実な考え方が話題を呼び、同世代の女性のみならず幅広い世代から支持されている。 ふゆこさんいわく、節約はお金の不安を解消するのみならず、30代以降の仕事人生を幸せに送っていくための自己分析にもなるという。 お金が貯まるだけでなく、仕事も人生も丸ごと楽しくなるーー。そんな未来を始めるための貯金メンタルの作り方とは? 私がお金について見直し、節約オタクになったのは会社員だった26歳の時。そこそこ大手の老舗企業で働いていたにも関わらず、それまではお金のことがずっと不安でした。 学生時代は月に20万円くらいお給料がもらえるなんて、ウハウハだと思っていたんです。 そして、「いつか子どもを産むのかな」「結婚したら戸建の家が欲しいな」と、自分が育ってきた環境と同じような未来を想像していて。 でも、実際に働き始めてみたら「これっぽっちの手取りじゃ、全然無理じゃん!」って気付きました。 というのも、当時の手取り月収は20万円前後で、貯金はゼロ。これじゃあ引っ越しすらできない。 子どもを産んだらいま以上にお金もかかるし、そもそも自分の趣味だって楽しみたい。 当時勤めていた会社は年功序列で、「課長になったら残業代がなくなって逆に損する」みたいな話もあったから、長く勤めたところで収入が上がるイメージも持てませんでした。 私の実家は父がサラリーマンで母がパートで働いたり働いていなかったりするような、いわゆる中流階級的な家庭だったと思うんですけど、このままだとその生活を実現することすら難しそう……。 みんな一体どうしているんだろう……っていう不安は常にありましたね。 そこから26歳で転職をしたことを機に節約を始めて、その後の4年間で資産は1000万円まで増えました。 それが実現できた大きな要因は、ストレスを減らしたり、自分の幸せについて考え直したりと、まず自分のメンタルを整えたことでした。 そうすることで日々イラっとすることが減り、心穏やかに毎日を生きられるようになった結果、ストレスによる衝動買いが減るなど、徐々に節約ができるようになっていったんです。 例えば、25歳頃の私は自分のことを世の中の平均的な女性たちより稼いでいるバリキャリだと思っていて。 そういう人は服やバック、化粧品にお金をかけ、良いものを使うべきだと勝手に決めつけていたんです。 でも、そんな高い買い物は何度もできないから我慢をしないといけない。我慢をしているのにお金は貯まらないし、良いものが買えないからバリキャリにもなれない。 当時の私には、そんな謎のイライラがありました。 要するに、視野が狭かったんですよ。 そんな思い込みはただの見栄なのに、「こうあるべき」と勝手に決めて、自分で自分を縛って、それによってお金が出ていっている状態だったんです。 そうやってメンタルを整えて節約がちょっとずつできるようになった頃、私の考え方にも変化がありました。 当時の私は他責思考で、「私が稼げていないのも、貯金できないのも、全部会社が悪い」と思っていて。 確かに会社や社会にも責任はあるけど、そんなことを言っていても変わらない。「じゃあ自分ができることは何だろう」って考えられるようになっていったんです。 1社にずっと勤めるのが当たり前だと思っていたから最初の会社にしがみついていたけど、会社の体質を変えられないなら転職だ! という発想にもつながりました。 そうしたら、転職後の年収は150万円も上がったんですよ。 転職した頃に副業でブログを始めて、最初は全然うまくいかなかったのにそれを続けられたのも「誰かのせいにしないで、成功するか分からないけどやってみよう」と思えたおかげです。 節約をしながらお金に向き合ったことで、自分により合う生き方も見えてきたなと思います。というのも、私は自分を実験台にして「節約実験」をしているんですよ。 例えば、私は化粧が好きで、よくデパコスを買っていました。ただ、ただ、デパコスを買い集めるのが好きなのか、メイクをすること自体が好きなのか、どっちなのかは分からなくて そこでデパコスを買うのをやめてみた結果、私は後者だと分かった。それならプチプラでいいからコスメ代を節約できますよね。 他に、食費をめちゃくちゃ減らしてみたら、たまにはいいものを食べたいと思うようになることも分かりました。 そうやって「自分はどういう反応をするんだろう」と、節約実験を通じて自分を知るのが楽しかったんです。 生活を切り詰める節約は苦しいけれど、「これからどう生きるか」を考えるために節約を通じて自己分析をするのは、結構楽しいんじゃないかと思いますね。 「FIRE」という考え方を知ったことも、お金について見直す追い風になりました。 FIREとは、定年退職前に会社員を辞め、それまでに蓄えた資産や不労所得で生活をすること。 いくつか種類があるのですが、基本的な生活資金を蓄え、フリーランスとして働く「サイドFIRE」と言われる生き方に憧れて。 節約と投資を頑張れば、嫌な会社を辞めて好きなことで生きていけるかもしれない。それなら、できることはやろうって思ったんですよね。 私はもともと面倒くさがりだし、ズボラだし、ベッドの住人で、ゆるく過ごすのが大好き。だから家計簿アプリを入れたり、電気代を見直したりするのが面倒なのはよく分かる。 でも、節約系のYouTubeや本を見あさって、その世界に身を置いたら、「家計簿アプリなんて入れて当たり前だわ」くらいの気持ちになって。 しかも、節約ってノーリスクなんですよ。 節約と並行して投資の勉強もしていたのですが、投資はリスクの分だけリターンが見込める大原則があるのに対し、節約はお金がマイナスになることがありません。 そう考えたら、家計簿アプリを入れるくらいで節約できるってめちゃくちゃお得なのでは?って。ベッドでゴロゴロしながらスマホでできますし。 とはいえ、仕事の意欲がないわけではなかったんですよ。当時はメーカーの開発職として働いていたけど、計画を組んで実験し、結果をまとめて報告書を出すのはすごく楽しかった。 特に転職したことでストレスは大きく減り、転職先の会社でキャリアアップしたい思いもありました。 実際に取締役の女性との面談の機会をいただくなど、周りからもバリバリ働くキャリア志向が強い人に見えていたと思います。 ただ、会社特有の人間関係が合わない感じは転職後もずっとあって。 思い返せば、私は小学生の頃から協調性がないんです。友達がいなかったわけじゃないけど、一人でも平気というか。 そんな感じだから、会社の飲み会は苦手だったし、上司の指示を仰ぐのも嫌で。感覚的には勤務時間の8割は嫌で、好きな仕事は2割くらい。 そもそも会社員の働き方が向いていなかったんですよね。 だからFIREを知ったことで、「会社員以外の道もあるんだ」と思えたのは大きかったんです。キャリアアップの道を諦めずに進んでいこうと思えました。 節約をし、お金を貯め、投資を始めたことで、資産は29歳の時に1000万円を超えました。 副業として始めたYouTubeで月15万円稼げるようになり、会社を辞めて独立したのもこの頃です。 今はYouTubeを本業としていますが、この生活はすごく自分に合っていると思います。 基本的にはクライアントがいないので、全部を自分で自由にできる。「自分がやりたい内容を動画にする」っていうシンプルさが、私にとってはストレスがないんです。 動画が伸びなければ収入にならないデメリットもあるけど、私の場合はそれがモチベーションにもなっていました。YouTubeを始めてからの1年間は無収益だったけど、その時期の試行錯誤も楽しかった。 自分の感覚で言うと、「好きなこと」と「得意なこと」が重なってるのが、私にとってはYouTubeだったなと思います。 振り返れば、開発職の仕事は好きだったし適正がないわけでもなかったけど、チームで動くのは苦手だったし、好きでもなかったんですよね。 そういうのって、結局はやってみないと分からないなと思います。 私は情報を整理して分かりやすく解説するのが好きだし、得意です。それができた時がめちゃくちゃうれしい。 でも、実は会社員時代に「分かりやすく解説する力」を褒められたことはないんですよ。 実験報告書をまとめるのは好きだったから、台本を作るのは得意だったかもしれない。 でも、プレゼンは本当に苦手で……。転職活動で動画を撮って面接の練習をした時は、自分の表情のなさ、姿勢の悪さにびっくりしたくらいです。 そんな状態でよくYouTubeを始めようと思ったなって感じですけど、視聴者としてYouTubeを見る中で、「もっとこうしたら分かりやすいのに」といった思いが積み重なって、やってみようかなって。 顔出しが怖い、声を出すのが恥ずかしいって思いもありましたけど、最初はゼロ回視聴が当たり前。「ムキムキになっちゃうから筋トレは嫌」と言う人と同じで、「そんな簡単にムキムキにはなれないから大丈夫」っていう(笑) それに、副業を始めた当初からYouTubeをやっていたわけではなくて。 最初に副業で情報発信をしたのは、エッセイ漫画でした。 自分のメンタル面を見直す過程を整理して解説することで「分かりやすい」ってコメントをもらえるのがうれしくて。 当時副業の収入はゼロだったけど、それでもこんなにうれしいなら、収入も得られるようになったら最高じゃんって思ったんですよね。 だから軸をずらしながら稼ぐ方法を試行錯誤できたなと思います。 働く意味がずっと分からず、「目の前のことを頑張ったら給料がもらえる」くらいに思っていたけれど、脱サラして半年後ぐらいに自分なりの答えが見えてきました。 それは、社会に価値を提供すること。 私の場合はYouTubeでの情報発信がメインなので、「誰かのお金の悩みを解決すること」が価値提供かなと思います。 最近、自分の中で無意識につくっている壁を突破するのが大事だと思っていて。 「お金に困らず、自分らしく働きたい」って、誰もが願うことじゃないですか。でも実際には「そんなの理想論でしょ」「どうせ無理」って諦めている人が多いような気がします。 「この人は成功者だから生存者バイアスがかかっている」 この記事も、そうやって無意識に壁をつくりながら読んでいる人がほとんどなんじゃないかな。かく言う私もそうだったから、気持ちはすごく分かります。 でも、「駄目かもしれないけどやってみよう」と思った日に人生が変わったなと思うんです。 それは段階を踏んでいくもの。お金で言えば、投資は損をする可能性があるから踏み込むのは怖いけど、フリマサイトで不用品を売るだけだったら何も損はないですよね。 私にとって最初の副業は、まさにフリマサイトだったんですよ。 不用品が売れたことは「会社以外の時間でお金を得る初めての経験」であり、だらだらYouTubeを見ているだけだった人間が、ちょっとだけ壁を登れた瞬間でした。 そして、私は常にリスクの幅の最低ラインしか乗り越えていないんです。 小さい一歩を踏み出し続けて、小さく小さく積んできた結果、20代のうちに資産1000万円を超えることができました。 その最初のスタートとして、節約はリスクゼロで、即できることです。 自己分析にもなって、なんと非課税! こんなお得なものはないので、ぜひ節約マインドを整えて、楽しんで節約をしながら「自分らしい働き方・生き方」を見つけてみてくださいね。 『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム) 取材・文/天野夏海 撮影/塚原孝顕 編集/栗原千明(編集部)バリキャリ女子なら「こうあるべき」という思い込みが招いた浪費
節約で考え方が変わり、自分に合う生き方も見えてきた
「サイドFIRE」で知る、新たなキャリアパス
会社員時代に「分かりやすく解説する力」を評価されたことはない
「駄目かもしれないけどやってみよう」と思った日に人生が変わった
「うまくいった理由について語ってるけど、自分にはどうせできない」書籍情報
借金450万円、貯金40万円→たった4年で資産1000万円達成!大人気節約系YouTuber・ふゆこさん初の著書
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『「ゆるバリLady」を目指してみない?』の過去記事一覧はこちら
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