生見愛瑠流、仕事の挑戦ハードルを下げる超絶ポジティブ思考
日々の暮らしの中で、ちょっとしたチャレンジをすること。それが、Woman typeが提案する「Another Action」。今をときめく女性たちへのインタビューから、挑戦の種を見つけよう!
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天真爛漫なキャラクターが愛されるモデルとしての顔と、コメディーからシリアスな役柄まで演じ分ける俳優としての顔を併せ持つ、生見愛瑠さん。
俳優歴はまだ浅い彼女だが、その実力は確かだ。2023年には21歳という若さにして、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
翌年には、俳優デビュー3年目にして連続ドラマの単独主演を務めるなど、ドラマ・映画作品でのオファーが続いている。
「もともとお芝居にも挑戦したかった」と話す生見さん。「モデル・めるる」として人気を集めていた中で、俳優業にもチャレンジして成果を出せるようになったのはなぜなのだろうか。
モデルとして芸能界に足を踏み入れてから7年の月日を経て念願の俳優デビューを果たした彼女が、やりたい仕事へとたどり着けた理由を探ってみた。
目の前の仕事を全力で楽しんでいたら、夢にたどり着いた
もともとお芝居にも挑戦したかったので、4年前に俳優の仕事を始めた頃はうれしさでいっぱいでした。
念願の俳優業にチャレンジできた当時の喜びを語る生見さん。彼女がモデルとして芸能界デビューしたのは、2014年。当時はまだ小学6年生だった。
翌年には、東京ガールズコレクションにおいてPopteen賞、Ray賞を受賞。
10代の頃からモデルとして着実にキャリアを積み重ねていった彼女は、バラエティー番組でも「めるる」の愛称で愛される存在となっていく。
モデルの仕事はすごく楽しくて、がむしゃらにやっていたら当時興味を持ち始めていたバラエティーの仕事をいただけるようになって。
バラエティーの仕事はもともと自分には向いてないだろうなと思っていたんですが、勧められるままにやってみたらめちゃくちゃ楽しくて。
せっかく機会をもらったんだからと全力でやっていたら、ずっと挑戦したいと思っていた俳優の仕事にも繋がるようになったんです。
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生見さんが俳優デビューしたのは、21年に放送されたドラマ『おしゃれの答えがわからない』(日本テレビ)。ドラマ初出演にして単独主演を務めたことで注目を集めた。
そして、その演技力が評価され、翌年には映画への出演も果たした生見さん。
そこからは、プロデューサーや監督からのラブコールが絶えない俳優として話題作への出演が続き、夢への階段を着実に上がってきた。
「俳優になりたい」という思いは、モデルとしてデビューした時からずっと持ち続けていたけれど、モデルやバラエティーのお仕事が中心の時は、目の前の仕事だけに全集中していました。
最初は自分がやりたいことと違ったとしても、全力でやると、どんな仕事だって楽しくなるというのが私のモットー。
その時その時で与えてもらった仕事に対して100%期待に応えるつもりでやってきたら、いつの間にか行きたかった場所に流れ着いた、という感覚です。
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「どうせできないだろう」の先入観を持たれるのはラッキー
自分にできることを全力でやり、あとは流れに身を任せる。そんな漂流スタイルで夢への一歩を踏み出した生見さんだが、「モデル」のイメージが強ければ強いほど、「俳優としてはどうせ大したことないだろう」など、色眼鏡で見られることもあるという。
ただ、「第一印象はネガティブなくらいの方が、むしろラッキーだと思う」と持ち前のポジティブマインドを見せる。
普段はあまり世間からの評価は気にしないタイプで、SNSなどもほとんど見ません。
だから、自分に対してネガティブなコメントを目にする機会も少ないし、「監督のOKが全て」だと思っているので、人から言われることに左右されることはあんまりないです。
エゴサする時間があったら撮影に向けて準備するし、目の前の仕事には全力で取り組むようにしているので、「ここまでやっても認めてもらえないなら、仕方ないや!」とも思えます。
それどころか、「モデルだし、俳優としては大したことないでしょ」って目で見られると、逆に燃えちゃいます。いい仕事をして、みんなの期待を裏切りたいなって(笑)
自分に対する期待値が低ければ低いほど、そのイメージを良い意味で裏切りたいと思えるし、「モデルだから」「まだ若いし」みたいな先入観を抱いてくれたら、むしろラッキー!って思います。
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自分を惑わせるような言葉は耳に入れず、ただひたすら目の前の仕事に全力で向き合う。
このスタンスを大事にしてきたからこそ、生見さんはヘルシーに新しいことにチャレンジできているのだろう。
失敗やうまくいかないことは「ゲーム感覚」で楽しむ
そんな生見さんが今回新たに出演するのは、『岸辺露伴は動かない』シリーズで知られる渡辺一貴が監督・脚本を手掛けた、テレビ局を舞台にした映画『ショウタイムセブン』。
《ラスト6分》に衝撃の結末が待ち受けると話題の、爆破テロ事件とテレビの生放送が同時進行する緊迫のリアルタイム型サスペンス・エンターテインメントだ。
本作において生見さんは、事件に巻き込まれる新人アナウンサー・結城千晴役に挑戦した。
アナウンサーの役は、いつもと違う筋肉を使うので難しかったですね。
滑舌を大切にしながら抑揚も付けなきゃいけないし、その一方でどんなニュースも冷静に伝えなきゃいけない。
実際にアナウンサーの方に発声練習の仕方やストレッチなどを教えてもらい、トレーニングしてから現場に行くのがルーティンになっていました。
あとは、普段演技する時はカメラを見ちゃいけないことが多いので、カメラを見ながら演技するというのが本当に難しくて。
「このセリフの時は1カメ」「このセリフの時は2カメ」「V振りは3カメ」みたいなのがすごく複雑なんですよね。アナウンサーの方ってみんな器用だなと思います。
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主演の阿部寛さんをはじめ、「実力派のキャストの皆さんとの現場は刺激的だった」と話す生見さん。
本作においても、ポジティブに学びを楽しみながら、また一つ表現の幅を広げている彼女だが、新しいチャレンジを続ける中で落ち込むことや、失敗を引きずることはないのだろうか。
失敗しても、できないなと思うことがあっても、落ち込んだり引きずったりはしないですね。
何回もNGを出してしまうこともあるし、うまくいかないこともたくさんあります。ただ、最終的に監督がOKにしてくれたら、それ以上は思い悩みません。悩むのって面倒くさいから(笑)
もちろん反省点や改善点は受け止めて、次に生かせるようにしますが、あくまで事実として受け止めて対策を考えるだけにしています。
それで次ちゃんとできればクリアですもんね。ゲームみたいな感覚で楽しんでます。
やることをやったら、あとはチャンスを待てばいい
自分がやりたい仕事で認めてもらえるようになってきたのは、「運も大きい」と話す生見さん。良いタイミングでめぐってきたチャンスを逃さなかっただけだと笑顔を見せる。
モデルの仕事も、バラエティーの仕事も、俳優の仕事も、ただただ自分にできることを全力でやってきただけなんですよね。
そしたら、なぜかいつもいいタイミングでやりたい仕事の話が来るんです。
そのタイミングでちょうどスケジュールが空いてることも多くて、マネージャーさんと「ほんと、運がいいよね」なんて話しています(笑)
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他人の声や雑念にとらわれることなく、自分に与えられた仕事に全力で取り組むことでチャンスを引き寄せ、そのチャンスを着実につかむ。
そんな生見さんの姿を見ていると、彼女の語る「運」は偶然ではなく必然のように思える。
自らの力で夢をつかみ、着実に歩みを進めている生見さんは「ここからが本当のスタート」だと、自らの現在地を語る。
最初は、バラエティーやモデルのイメージとのギャップで評価してくれる声も多かったですが、俳優としてちゃんと土台に乗ってからが本当のスタートだと思っています。
つまり、今が一番勝負の時だなと。すごい方たちと一緒に仕事をさせていただく機会が増えてきたので、どんな役にでも挑戦して、吸収できるものは全部吸収したい。
やっぱり、現場の数をこなさないと気付けないこととか、学べないことってあるんですよね。だから、声を掛けていただけるものは全部やりたいです。ここからが本番ですね。
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生見愛瑠さん
2002年3月6日生まれ。愛知県出身。2012年モデルデビュー。小学生からティーンズ誌の専属モデルを務め、現在は小学館「CanCam」専属モデル。モデルとしてバラエティ番組などでも活躍。“めるる”の愛称で親しまれている。現在は「ヒルナンデス」(NTV系)をはじめとするレギュラー番組に4本に出演中。さらに21年に女優デビュー。主な出演作はドラマ「おしゃれの答えがわからない」(NTV)「 恋です!〜ヤンキーくんと白杖ガール〜」(NTV)、「石子と羽男〜そんなコトで訴えます⁈〜」(TBS)「風間公親〜教場0〜」(CX)「日曜の夜ぐらいは…」(ABC/テレ朝)「セクシー田中さん」(NTV)「くるり〜誰が私と恋をした?〜」(TBS)。ヒロインを務めた映画「モエカレはオレンジ色」で第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。モデル、俳優、バラエティと幅広いジャンルで活躍している ■X/Instagram
取材・文・編集/光谷麻里(編集部) 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)
■作品情報
映画『ショウタイムセブン』2025年2月7日(金)全国ロードショー
監督・脚本:渡辺一貴
出演:阿部寛、竜星涼、生見愛瑠、前原瑞樹、平原テツ、内山昴輝、安藤玉恵、平田満、井川遥、吉田鋼太郎ほか
主題歌:Perfume 「Human Factory – 電造人間 -」(UNIVERSAL MUSIC)
音楽:照井順政
原作:the film “The Terror, Live” written and directed by Kim Byung-woo, and produced and distributed by Lotte CultureWorks Co., Ltd. and Cine2000
配給:松竹 アスミック・エース
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©2025『ショウタイムセブン』製作委員会
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