元専業主婦、15年のブランク経て仕事に復帰した女性がAIスキルを身につけて気付いたこと「年齢を重ねるごとに学ぶのが楽しくなる」

この連載では、女性のIT人材育成を支援する『Code; Without Barriers in Japan』とWoman typeがコラボレーションして、AIの活用例やスキル磨き方、AIスキルの習得で「自分らしい未来」を手にした女性たちの“before after”ストーリーなどをご紹介していきます!
今回“before after”ストーリーを紹介してくれたのはTsujimuraさん。
AIをはじめ新しい技術をワクワクしながら学ぶ彼女は、現在57歳。20〜30代の若手世代に「この先のビジネスの変化を体感できるのがうらやましい」とエールを送ります。

【お話を伺った方】 Tsujimuraさん
大学卒業後、ファーストフード店で接客、本部業務に従事したのち、フードサービス企業に転職し情報処理業務を行う。出産後、専業主婦に。15年間のブランクを経て8年前に派遣社員として仕事を再開
パソコンが登場した時と同じく、AIは事務を大きく変える
ーー普段はどのようなお仕事をしていますか?
私立女子大学の情報処理センターでシステム管理の仕事をしています。
学生や教職員のアカウント管理、パソコンや周辺機器全般の保守など大学のコンピュータールームの管理のほか、事務作業も担っており、いわば何でも屋さんみたいな感じですね。
ーー『Code; Without Barriers in Japan』(以下、CWBJ)のオンラインプログラムを受講しようと思った理由を教えてください。
改めて基礎から勉強しようと思ったのが受講を決めたきっかけでした。
私は20年ほど前、手書きでやっていた事務作業があっという間にパソコンに置き換わっていった時代を体験しています。
AIの登場にも当時と同じ空気があり、「AIがこれからの事務のあり方を大きく変える」という確信に近いものがあるんです。
AI自体は対話チャット型AIが出始めた頃から使っていて、生成AIで画像や音楽を作るなど活用していた方だと思いますが、どうやったらより良い使い方ができるのか、しっかり学ぼうと思いました。
ーーCWBJの学びの中で特に印象に残っていること、面白いと感じたことは何でしたか?
生成AIでプレゼンテーション資料を作る講座が面白かったです。企画してからたった半日でプレゼン用のスライドが完成したのにびっくりしました。
今後、事務作業はこのスピード感が当たり前になっていくのだろうなと、時代が変わる予感が現実になったように感じましたね。
AIは「検索でたどり着けない解決策」を教えてくれる
ーーCWBJの学びの中で、苦労したことがあれば教えてください。
私は「使う人コース」がようやく終わり、「創る人コース」に進んだところなのですが、正直、書かれていることがよく理解できないこともあります。
そういう場合は理解できない箇所をコピーし、「やさしい言葉に置き換えて要約をして」とCopilotにお願いするのがとても便利ですね。
CWBJ受講前はわからないことがある場合に「〇〇とは」などインターネットで調べることが多かったのですが、手順がわからなかったり、そもそもどう検索していいかわからなかったりすることもあって。
そういう時でもCopilotは分かりやすく教えてくれるんです。
ーー趣味でAIを使っていたとのことですが、改めて学んだことで使い方に変化はありましたか?
プロンプトの書き方を教えていただき、より最適に使えるようになりました。今では頼もしいパートナーができたように感じています。
私の仕事の業務範囲は広く、何でも知っている体で先生方や学生の皆さんからさまざまな相談をいただくのですが、実際は分からないことも多くあって。
とはいえ相談できる相手がいる部署でもなく、これまで自力で解決してきましたが、今は Copilotがいます。
先日は「Excelの表を作り変えたい」という相談を受けたのですが、元の表が加工しにくい形式になっていて。データ量が多いのでコピペは現実的でなく、かといってVBAやマクロは相手にとってハードルが高いという課題がありました。
そこでCopilotに相談したところ、自分の引き出しにない、思わぬ解決方法を教えてくれたんです。おそらく検索では辿り着かなかった方法だろうなとも思いました。
他に、長文の講座概要を70文字程度にまとめたり、研究会の動画をスクリプトにし、要約を付けたりといった作業もCopilotに助けてもらっています。
職場はライセンス契約をしていないのでできることは限られますが、それでも十分使えるのを実感していますね。
今後は仕事でAIの使い方を聞かれることもあると思いますので、教えてあげられるレベルであり続けたいなと思っています。
技術があれば「その先を知りたい」ワクワク感が生まれる
ーー今後のキャリアのイメージを教えてください。
私は現在57歳で、定年の65歳までまだ8年あります。「新しい技術は無理」となってしまうのではなく、変わりゆくビジネスの仕組みの中に自分を置いて、体感していきたいですね。
そのためには、この先も勉強を続けて、新しい知識を習得する必要があると思っています。
きっと仕事を選ばなければ働き続けることはできるのでしょうけど、パソコンのスキルを生かして人の役に立ちたい、頼られる人材でありたいんです。
何より、これからの時代は面白そうですからね。自分に技術があれば、「その先を知りたい」というワクワク感も生まれるんですよ。
私は子どもがあまり勉強をしなかったこともあり、「親が勉強していれば子どももやるだろう」と思って学び始めた結果、今では夜に勉強をするのが習慣になっています。
これまでも面白そうなものには飛びついてきました。例えば最近では、ゲーム作りのプラットフォームに関する勉強を友人としていて。
完全に趣味で、「知りたい」「やってみたい」という気持ちが動機になっています。
ーーなぜそれほど前向きに、新しいものにワクワクできるのでしょうか。
不思議なことに、年齢を重ねると学ぶのが楽しくなるんですよ。学生時代はこんなに楽しくなかったですから。自分の心に余裕が生まれてくるのかもしれませんね。
あとは、15年間のブランクがあったことも影響している気がします。
私は保育園に恵まれず専業主婦になったのですが、仕事自体は本当に楽しくて好きだったんです。
15年間抑えに抑えて、ようやく子どもが大きくなって働き始められるようになったので、これを謳歌しない手はないと思っています。
私と同じようにブランクがある人にとっても、AIはチャンスだと思いますね。
まだまだ出始めの技術ですから、今覚えれば負けることはありません。「自分を諦めないで」というのはぜひお伝えしたいです。
ーー「もう若手ではなくなっちゃう」「新しいことができなくなるんじゃないか」と不安や焦りを抱えている人に、メッセージをいただけますか?
私からすると、皆さんの若さがうらやましくてしょうがないです。
これから時代が変わり、新しい技術がどんどん導入されて、仕事のあり方も変わっていく。その変化を体感できるのが本当にうらやましいです。
ぜひとも技術を楽しんで、うまく使いこなして波に乗ってください。
無料のオンラインプログラム『Code; Without Barriers in Japan』概要
このプログラムでは、女性がAIスキルを習得し、キャリアをステップアップするための包括的なサポートを無償で提供しています。
オンラインで参加できるプログラムなので、自分のペースで学習を進めることができ、実践的なスキルを身につけることが可能です。
▼登録方法はこちら
無料で参加できるオンライン学習プログラム「CWBJ」への登録は、下記のマイクロソフトWebページから可能です。「紹介コード」の項目には、「WOMEN25」の記載をお願いします。
上記より「紹介コード」を記入の上ご応募いただいた方の中から抽選で1名様に、マイクロソフトのノートパソコン『Copilot+ PC』をプレゼントいたします。ぜひこの機会にご応募ください。
取材・文/天野夏海
『AIスキルで変わる女性の未来』の過去記事一覧はこちら
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