「繊細だから夜勤は無理」「人と話すと動悸がするから電話は取れない」働く女性たちを困らせる“繊細ヤクザ”への対処法【100人アンケート】

繊細ヤクザのイラスト

繊細な性格を盾にした自己中心的な言動や振る舞いで周囲を困らせたり、過度な配慮を求めたりする「繊細ヤクザ」。

ネット用語では「繊細ヤクザ」の他に「繊細チンピラ」なんて呼び方もありますが、皆さんの職場に思い当たる人はいませんか?

繊細な人には配慮したいけれど、あまりにも身勝手な行動を取られると戸惑ってしまうこともありますよね。

そこでWoman typeでは、働く女性100人に「職場にいる繊細ヤクザ」に関するアンケートを実施。

女性たちが出会った「繊細ヤクザ」のエピソードと、対処法について聞いてみました。

Q1.あなたの職場に「繊細ヤクザ」はいますか?

職場に繊細ヤクザがいる人と回答した人の割合を示す円グラフ

約3割の女性が「いる」と回答。女性たちが職場で出会った「繊細ヤクザ」は、どのような人なのでしょうか。

Q2.「この人、繊細ヤクザかも?」と思ったエピソードについて教えてください。

「はれ物系」繊細ヤクザ

・「もう少し頑張ってね」と声を掛けただけで、「仕事ができないと言われた!」と上司に相談しに行き、翌日は休んでいた。「メンタルがお豆腐なので、優しくしてください!」と言い回っていて、上司から「あなたみたいにメンタルが丈夫な人ばかりではないのだから、彼女にはもう少し配慮するように」と私ががまんを強いられる始末。(45歳/一般事務)

・間違いやルール違反を指摘すると、すぐに泣いてパワハラと叫ぶ。(38歳/一般事務)

・ちょっと厳しい言い方をしただけで、「私繊細なのでそんなこと言われたら仕事したくなくなります!」と言われた。(28歳/システムエンジニア)

「悲劇のヒロイン系」繊細ヤクザ

・アドバイスしても聞き入れず、急に泣き出して「みんなと仲良くしたい。もっと仕事を教えて欲しいけど、それもなくて悲しい。私は必要とされてない」などと言い始め、周囲が「そんなことないよ」と言わざるを得ない。(39歳/販売サービス)

・同僚が作成した書類のチェックを任されて、計算が違っていたことを本人伝えたら、「私、一生懸命頑張っています!」と的外れな言葉を返してきた。(48歳/一般事務)

・できていないことを注意したら、「怒られた」「私なんてダメだから」とへこんだ素振りを見せるだけで、結局何も成長しない。(44歳/飲食業)

・「病んでいる」「もう辞める」とまくしたて、大事な仕事から逃げてしまう。その上で、周りを巻き込んで「自分は可哀想」というアピールをしてくる。(29歳/事務)

「仕事押し付け系」繊細ヤクザ

・夜勤をしなければならなくなった時、「私は怖がりで繊細なタイプだから夜勤はできないです」と言われ、結局私が夜勤を任されることになった。周囲の人たちも彼女に強く言うことができず、周りの負担だけが増している。(38歳/看護師)

・「私は人と話すとあせって動悸がしてクラクラします。なので、基本的に電話は取りたくありません」と宣言し、業務電話やお客さまからの電話は一切取らない。(39歳/飲食業)

・「自律神経が乱れると耳鳴りで人の声が聞こえなくなる」という理由で電話に全く出ない。(46歳/一般事務)

「攻撃型」繊細ヤクザ

・心が弱いアピールをするけれど、教えても反論してきたり、入職当時の条件を全て無視して「この仕事はできない」と言ってきたりする。(37歳/医療従事者)

・「私は繊細だから、そういう言い方はきつい」と言うわりに、他人にはガンガン言う。「私が怒ってるの気づかないの?」と不機嫌アピールをするので周囲は気を遣っているのに、「私は繊細で傷つきやすいから」というスタンスを崩さない。(33歳/エンジニア)

さまざまなタイプの「繊細ヤクザ」エピソードが寄せられました。

「繊細さ」が理由となると、何も言えずにグッとがまんしてしまう女性たちの様子が伝わります。

では、働く女性たちはこのような「繊細ヤクザ」たちにどのように対処したのでしょうか。

Q3.「繊細ヤクザ」にどう対処しましたか?

繊細ヤクザにどう対処したかを表す横棒グラフ

複数回答あり

職場に「繊細ヤクザがいる」と回答した人の約半数が「距離を取った」と回答しました。

2番目に「上司や共通の友達など周囲に相談した」、3番目に「特に何もしていない」が続く結果に。

本人に対して何かしらのアクションを起こした人は少数派であることが分かります。

働く女性たちの対処法は、「繊細ヤクザ」の言動や行動にどのような影響を与えたのでしょうか。

Q4.「繊細ヤクザ」の言動や関係性にどのような変化がありましたか?

距離を取ったら…

・最低限のやりとりのみをするようにしたら、あまり気にならなくなった。(34歳/販売サービス)

・なるべく会話を減らすようにしたら、自分のメンタルがだいぶラクになった。ただ、本人は誰かしらに絡んでいるから、被害が移っただけで根本解決にはなってない。(33歳/エンジニア)

・最初は「無視されている」と騒がれたが、仕事の連絡やあいさつは変わらず対応したので、しだいに落ちついて今は比較的穏やかに過ごせている。(43歳/事務職)

・なるべく関わらないようにしたら気にならなくなり、会う機会も減った。今は、会えばあいさつする程度の関係。(35歳/一般事務)

周囲に相談したら…

・周囲の人も私と同様に感じており、情報共有できたことで心のモヤモヤが少し晴れた。(39歳/販売サービス)

・周りに自分の思いを伝えたら、何も変わってはいないものの、少し気が楽になった。(46歳/介護職)

本人と話し合いをしたら…

・「仕事だし、他にも電話対応苦手でもやってる人はいるよ?」と話したら、「○○さんはコミュ障じゃないから、そんなことが言えるんですよ!」と、大きめの声で怒りだした。結局、話すのも諦め距離を取った。(39歳/飲食業)

・「誰かが会話してたら自分のうわさ話をされている気がする」「少し厳しい指摘をされると涙をこられられない」という部下がいたので、本人に関係のない話でも会話の内容が聞こえるように意識するようにした。また、きつい言い方になりやすい人とは一緒にならないように配慮したり、泣きたくなったら、席を外しても構わない旨を伝えたら、少しずつ不安が減っていった様子。(38歳/保育士)

積極的に解決しようとせずとも、「距離を取るようにしたら自然と気にならなくなっていった」という回答が多数寄せられました。

また、周囲の人に気持ちを吐き出すだけでも楽になったという回答も多く、本人に伝えるのが難しい場合でも誰かしらに相談してみるのは有効なようです

中には、「もう少し頑張ってもらわないと私悲しくて病んじゃいます!」と“繊細ヤクザ返し”をしたという回答も。

なるべく関わらない方法を取る人が多かった一方で、本人との話し合いを試みるなど寄り添う姿勢を見せたことで、ヤクザっぷりが軽減されたという声もありました。もしも心の余裕があれば、対話を通して歩み寄ってみるのも一つの手かもしれません。

自分の心に負担が掛からない方法で、うまい付き合い方を探っていきましょう。

【調査概要】
●調査方法:20~49歳の働く女性へのWebアンケート(クラウドワークス)
●調査期間:2025年05月04日~2025年05月05日
●有効回答者数:100名

文/光谷麻里(編集部)