SUPER EIGHT 横山裕「つらかったことも全て意味がある」自己犠牲を手放し、悔いのない仕事人生を送れる理由

SUPER EIGHT 横山裕「つらかったことも全て意味がある」自己犠牲を手放し、悔いのない仕事人生を送れる理由

「一度しかない人生だから、やりたいことをやって生きよう」とはよく言うものだが、どれだけの人が実践できているだろうか。

本当はやりたいことがあっても、つい周囲から求められる役割を担ってしまったり、寄せられる期待に応えることを優先してしまったりする人は決して珍しくない。

そんな時に参考にしたいのが、トップアイドルであり俳優としても活躍するSUPER EIGHT・横山裕さんのマインドセットだ。

今年ソロプロジェクトを始動した横山さん。やりたいことは何でもチャレンジしてみるスタンスの彼は、「今の人生に満足してるから、悔いはない(笑)」とカラッとした笑顔を見せる。

アイドルも俳優も「イメージ」が大切な仕事だが、彼がファンや周囲の人たちの期待に応えながらもやりたいことをやって、自分を大切に生きることができているのはなぜなのだろう。

精神的に追い詰められた「理解できない役」と対峙する日々

横山さんが現在出演しているAmazon Original ドラマ『私の夫と結婚して』は、まさに「自分の人生を生きる」ことをテーマにした作品だ。

本作の原作であるNAVERウェブ小説『私の夫と結婚して』は韓国でも実写化され、ドラマは大ヒット。大きな注目を集めている。

自分よりも周囲を優先して生きてきた主人公・美紗は、親友と夫の裏切りにより命を落とすが、その瞬間、10年前にタイムリープする。2度目の人生では自己犠牲を手放し、自分の人生をやり直していく──というのが本作のストーリーだ。

Amazon Original ドラマ『私の夫と結婚して』場面写真

© 2025. CJ ENM Japan/ STUDIO DRAGON all rights reserved

横山さんが演じたのは、モラハラにより美紗を追い詰め、死に追いやる夫・友也。これまでもさまざまな役を演じてきた横山さんだが、今回は特に難しい役柄だったと撮影を振り返る。

横山さん

これほどまでに共感できない役を演じるのは初めてで、友也という人物を理解するのが本当に難しくて。

これまでもいわゆる悪役を演じたことはあるんですが、その役がやってしまう行動の裏にある気持ちや考えなどは何となく理解できることが多かったんです。

ただ、今回は本当に分からなかったですね。

Amazon Original ドラマ『私の夫と結婚して』場面写真

© 2025. CJ ENM Japan/ STUDIO DRAGON all rights reserved

台本に書かれていることを自分なりに咀嚼し、監督と相談しながら忠実に演じていったという横山さん。

友也を理解しようと努力する中で、精神的にもつらい時間が続いたと胸の内を明かす。

横山さん

普段はプライベートまで役を引きずることはなく、オンオフの切り替えがうまい方なんですけど、今回はうまくスイッチを入れ替えられなくて。

共演者の皆さんと控え室にいる時も自分の感情と友也の感情がごちゃ混ぜになって、ここにいてはいけないような感覚になることもありました。

佐藤健くんや小芝風花ちゃんが楽しそうにしてるのを見ると、少し羨ましくなっちゃったりして(笑)

そんな時に横山さんの救いになったのは、監督や撮影に参加していた韓国チームの言葉だった。

横山さん

監督が「いいよ、いいよ」と肯定してくれたり、「なぜその感情を出せたの?」と驚いてくれたりすることで「これでいいんだ」と安心することができました。

韓国チームが「友也が好き」と言ってくれたのも救いでしたね。

カメラに向かってポーズを取る横山裕さん
横山さん

健くんや風花ちゃんの「役と本気で向き合う姿」にもすごく刺激を受けました。

僕が健くんの首を絞めたり、風花ちゃんに暴力的なことをしたりするシーンもあるんですけど、「本気で来てください」と言ってくれたし、皆さんのプロフェッショナリズムにも触れられて、また一つ自分の殻を破る機会になったと思います。

否定的な人たちを納得させる結果を出せばいい

本作の中で美紗は「自己犠牲」から抜け出し、二度目の人生で「自分の人生」を取り戻していくが、これに対して横山さんは「僕は人生をやり直したいとは思わない」と話す。

横山さん

僕は今の人生にすごく満足しているんです。もちろん100点だとは言えないけれど、死ぬ時に「楽しい人生だったな」と思えるように今を積み重ねているので、もし人生をやり直せるとしても、やり直さないかな。

今は、「いつ死んでもいい」と思えるくらい、自分の生き方に満足できています

横山さん

44年生きてきて、つらかったことも嫌だったことも全て意味があったと思えるし、全てが未来に繋がっていくから、その未来を良くするのも悪くするのも自分自身なんですよね。

カメラに向かってポーズを取る横山裕さん

自身の生き方について、「悔いはない」ときっぱり言い切る横山さん。

アイドルも俳優もイメージがものを言う職業だが、ファンや周囲の人から求められる「横山裕」の立ち位置と、本来自分がやりたいことの狭間で悩んだことはないのだろうか。

横山さん

アイドルも俳優も、新しいことをすればするほど、賛否が生まれやすい仕事ではありますよね。

否定的な意見をいただくこともありますけど、僕に興味を持ってくれている証拠だと思うので、ありがたいことだとも思っていて。

否定的なコメントに引っ張られてチャレンジをやめるのではなく、「これが正解なんだ」と否定的な人たちも納得させられるくらいのパフォーマンスを上げればいいと思って取り組むようにしています。

カメラに向かってポーズを取る横山裕さん

自分の信念ややりたいことを追求するなら、それを正解にしなければいけない。

ファンや自分に期待を寄せてくれる人たちをそっちのけにして自分のやりたいことを貫くのではなく、眉をひそめる人たちも納得させられるだけの結果を出せるように全力で頑張ればいい。

彼の仕事哲学は非常にシンプルだが、自分のことも、ファンや周囲の人たちのことも大切にするトップアイドル・横山裕らしさが溢れている。

44歳を迎えた今年は「チャレンジの年」

横山さんが所属する『SUPER EIGHT』のメンバーたちも皆、起業したり、アイドル業と両立しながら一般企業に就職したり、声優業にチャレンジしたり……と、各々やりたいことに自由にチャレンジしている姿が印象的だ。

これに対して横山さんは、グループ結成20周年という節目が大きな自信に繋がったのではないかと分析する。

横山さん

昨年、無事に20周年を迎えられて、皆が「ここまでやりきることができた」という自負があるからこそ、それぞれ新しいことに挑戦できているように思います。

他のメンバーが新しい挑戦をしているニュースを見ると、「あいつ頑張ってんな~」なんて励まされますね。

横山さん

みんなガンガンやりたいことやって、グループとしてもっと大きくなろうぜ!って僕は思ってます。

ただうちのメンバー、誰も休もうとしないので、もっとちゃんと休みも取れよ~とは思いますが(笑)

カメラに向かってポーズを取る横山裕さん

横山さん自身も、2025年は「チャレンジの年にする」と決意し、5月にはソロプロジェクト『ROCK TO YOU』を立ち上げた。

初めてのソロアルバムのリリースや、ソロファンクラブの発足、ソロの全国ツアーなどを予定しており、『SUPER EIGHT』結成20周年を経て、ソロとして成長し、グループに還元することが狙いだ。

横山さん

メンバーたちが今年どんなことにチャレンジするのかを聞いて、「横山さんはどうしますか?」って聞かれた時に、ソロのプロジェクトを立ち上げることを決めました。

ソロプロジェクトに限らず、「今年はチャレンジの年にしよう」と思ったタイミングで今回の『私の夫と結婚して』の出演の話が舞い込んできたんです。

台本を読んで、友也役に対して「マジか……!」とは思ったんですが(笑)、メンバーたちもいろんなことにチャレンジしてるし、これはやるべき挑戦だなと思って

しんどいことも多かったけれど、すごく濃密な撮影期間を過ごせたので、チャレンジして本当に良かったと思ってます。

44歳になった今年も、チャレンジを積み重ね続ける横山さん。

新しいチャレンジをする度に、その一つ一つに全身全霊で取り組んできたからこそ、20年にわたりファンから応援され続けているのだろう。

「いつ死んでもいい」と言えるほど後悔のない彼の生き方には、つい自分より周囲を優先してしまう人たちが、自分の人生を生きるためのヒントが詰まっていた。

カメラに向かってポーズを取る横山裕さん

横山 裕さん

1981年5月9日生まれ、大阪府出身。アイドルグループ・SUPER EIGHTのメンバー。2004年、シングル『浪花いろは節』でCDデビュー。アイドルとしての活動のほか、俳優、司会、舞台の企画・演出も手がける。25年には、自身のソロプロジェクト「ROCK TO YOU」を1年間限定で始動。ソロアルバム『ROCK TO YOU』をリリースし、全国11都市でのライブツアー開催を予定。俳優としての主な出演作は、フジテレビ系ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』シリーズ、フジテレビ系ドラマ『拝啓、父上様』(2007年)、日本テレビ系ドラマ『有閑倶楽部』(07年)、日本テレビ系ドラマ『ザ・クイズショウ』(09年)、フジテレビ系ドラマ『水球ヤンキース』(14年)、フジテレビ系ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(16年)、映画『決算!忠臣蔵』(19年)、テレビ朝日系ドラマ『コタローは1人暮らし』(21年)、テレビ朝日系ドラマ『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』(23年)、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』(22~23年)など。11年より情報バラエティー番組『ヒルナンデス!』の木曜レギュラーを務める

取材・文/光谷麻里(編集部) 撮影/赤松洋太

作品情報

Amazon Original ドラマ『私の夫と結婚して』6月27日(金)より毎週金曜日配信

『私の夫と結婚して』キービジュアル画像
<あらすじ>
優しすぎる性格の美紗は、いつも周りの幸せを最優先にする「脇役」の人生を送ってきた。 親友と夫を信じ尽くし続けた末、二人の裏切りにより、命を落としてしまう。 しかし気がつくと、10年前の過去にタイムリープしていた。 二度目の人生では、かつての「いい人の脇役」を捨て、自分の物語の「主役」として生きることを決意。 復讐として、裏切り者である親友と夫を結婚させる計画を立て、二人を破滅に追い込もうとする。 ところが、一度目の人生では言葉を交わすこともなかった仕事先の部長との出会いが、 美紗の心に思わぬ変化をもたらしていく。 復讐に向かって突き進む日々の中で、部長と心を通わせるようになった美紗は、 本当の「自分らしさ」とは何かを考えるようになる。

キャスト:
小芝風花 佐藤健
横山裕 白石聖
田畑智子 黒崎レイナ 七五三掛龍也 清水伸 安部聡子 津田寛治
原作: LINE マンガ 「私の夫と結婚して」(作者:sungsojak)
監督:アン・ギルホ
脚本:大島里美
企画:CJ ENM Japan、STUDIO DRAGON
制作:JAYURO PICTURES ENT.、松竹撮影所

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