「働いて、働いて、働きます」高市早苗氏の“覚悟”をリアルな働く女性はどう受け止めたのか【独自調査】

「働いて、働いて、働きます」高市早苗氏の“覚悟”をリアルな働く女性はどう受け止めたのか【独自調査】

自民党の新総裁に高市早苗氏が就任し、日本初の女性首相誕生も秒読みだ。

いま世の中で話題を呼んでいるのは、彼女の就任スピーチ。

「ワークライフバランスという言葉を捨てます」
「働いて、働いて、働いて、働いて、働きます」
「自民党員には馬車馬のように働いていただきます」

高市氏が発したこれらの言葉に対して、メディアからは賞賛の声も「時代錯誤」の声も聞こえてくる。では、現役の働く女性たちはどのように捉えたのか。

Woman typeでは、20~40代の働く女性100人にアンケートを実施し、そのリアルな声を聞いた。

高市氏の発言を「ポジティブに捉えた」が半数以上

高市新総裁の言葉をどう受け止めたのかのアンケート結果の円グラフ

高市早苗新総裁の「ワークライフバランスを捨てる」という発言の受け止め方について尋ねたところ、「ポジティブに受け止めた」が53%、「ネガティブに受け止めた」が29%、「どちらでもない」が18%という結果となった。

半数以上が前向きに捉えており、その理由としては、 「あくまで個人の決意表明に過ぎず、国民のために思い切り働く姿勢は素晴らしいから」(46%)、 「仕事への本気度が伝わってくるから」(31%)が上位に。高市氏の仕事への情熱を肯定的に受け止める女性が多いことが分かる

高市新総裁の言葉をポジティブに受け止めた理由のアンケート結果の横棒グラフ
【ポジティブに受け止めた働く女性たちのコメント】
・初の女性総裁としての発言はポジティブに捉えました。「ワークライフバランスを捨てる」という発言の後に「私自身働いて、働いて、働いて」と付け加えており、改革意欲を強く感じられました。(24歳/一般事務)

・「ワークライフバランスを捨てる」という発言は、高市さん自身が「そのくらいの覚悟を持って挑む」という意思表示としての言葉だったと認識しています。
国民自体に過度な労働を押し付けているわけではないと思うので、「それほどまでに尽力する」という新総裁を個人的には応援したいです。(35歳/Webクリエイター)

・「国のために私は働く」とおっしゃっているだけなのでいいことだと思うし、自分も頑張ろうと元気をもらいました。(39歳/公務員)

・なぜ批判されるのかが理解できません。高市さんに期待をしています。働く女性代表として頑張って欲しいです。(40歳/サービス業)

・国民のために仕事に全力を注ぐ姿はかっこいいと感じるので批判することはないと思いました。(20歳/一般事務)

一方で、「ネガティブに受け止めた」と回答した女性たちからは、自分たちの働く環境への影響を懸念する声も聞かれた。

高市新総裁の言葉をネガティブに受け止めた理由のアンケート結果の横棒グラフ

最も多かったのは「国のトップに立つ人の発言によって、ワークライフバランスを軽視する企業が増えそうだから」(35%)

次いで「国全体が、ワークライフバランスを軽視していた時代に戻ってしまいそうだから」(31%)、「長時間労働を美徳とする風土が広まりそうだから」(16%)と続いた。

【ネガティブに受け止めた働く女性たちのコメント】
・一般の方への影響も少なからずあると思うので、そうなると困る方も多くなるのではないかと思いました。(32歳/フリーランス)

・国のトップの発言には社会全体に大きな影響があるため、言葉選びの慎重さも必要だと思います。多様な働き方を尊重しつつ、努力や情熱を肯定できるような発信が理想だと感じます。(32歳/工場勤務)

・「捨てる」という言葉がやや強いワードに聞こえて、もう少しまろやかな言い方をすべきだったと感じました。特に働きながら子育てをしている女性は、子育てと仕事の両立に悩んでいる人が多く、なんとかうまくバランスを取ろうと模索している人が多い中、捨てるという言葉は乱暴だし、捨てたくても捨てられない状況にいる国民が多いことをもっと理解すべき。(44歳/Webデザイナー)

・国のトップが発言すれば、中小企業の社長が同じように考えかねないと思います。(45歳/一般事務)

発言の真意に対する反対意見よりも、高市氏の選んだ「言葉」が及ぼす影響に不安を表すコメントが目立った。

今回のアンケート結果から見えてくるのは、「働く姿勢」への共感と、「働き方」への不安が交錯する、現代女性のリアルな心理だと言えるだろう。

今回の発言は、リーダーの熱意と覚悟の表れ【女の転職type編集長 小林佳代子】

小林

今もメディアやSNSでさまざまな議論を起こしている高市早苗さんの決意表明ですが、働く女性へのアンケートでは、今回の発言は長時間労働を推進するものではまったくなく、「リーダーの熱意と覚悟」と好意的にとらえる見方が過半数でした。

ワークライフバランスは、長く働く上で大事なことですが、今回高市さんが見せてくれた強い決意はそれを否定するものではなく、多くの方の胸を熱くさせるものだったと思います。少なくとも時短勤務で仕事にあたっている私は「仕事に情熱がある方、かっこいい」と鼻息荒くなりました。赤坂の片隅で。

とはいえ、これほど議論を呼ぶ「馬車馬」「ワークライフバランスを捨てる」という言葉の強さ。言葉を使って仕事をするwebメディアとしても、改めてその使い方を考えさせられました。

編集/光谷麻里(編集部)

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