「AIで書いた職務経歴書」はアウト? 人事たちがホンネで語る「絶対NG」なAIの使い方
表立って聞きにくい「これってどうなの?」という転職にまつわる女性たちの疑問を中途採用担当者に直撃!人事のリアルな見解とは……?
転職活動で生成AIを活用する人も珍しくなくなってきた。
「履歴書や職務経歴書を作る時には欠かせない」という人も多そうだが、“書類のAIっぽさ”って、企業側には伝わってしまうものなの……?
「AIで書いたな」と思われたら、マイナス評価に繋がる……?
そこで今回は、Webサービス企業、スタートアップ企業、ヘルスケアメーカーの採用担当者たちに、転職者の「AI活用」への本音を聞いた。
あわせて、『女の転職type』AI活用推進担当による職務経歴書でAIを上手に使うための具体的なアドバイスや、おすすめプロンプトも紹介。
採用担当者の視点を踏まえ、AIを味方につけながら、自分らしさが伝わる職務経歴書を作るヒントをお届けしよう。
●スタートアップ企業の採用担当者・前田さん(仮名)
●ヘルスケアメーカーの採用担当者・外川さん(仮名)
「AIで書いた書類」って人事はどう思う?
AIを使って書いた履歴書や職務経歴書って、採用担当から見たら分かるものですか?
外川さん
分かりますね。
岩井さん
「一見整っている書類」はとても増えています。体裁だけきれいで具体的な話が書かれていない、といった書類は、AIで書いたのかなと感じますね。
前田さん
プロンプトがしっかりしていれば、 分からないケースも多いと思うんですが、最近は「プロンプト間違えたんじゃない?」と思ってしまう職務経歴書もたまに見ます。
「うち、その事業もうやってないんだけどなぁ」とか……。
なるほど。AIの回答を信じて提出してしまったパターンですね。
岩井さんは、「体裁だけキレイ」だと分かるとおっしゃってましたが、どんなところでAIっぽさを感じますか?
岩井さん
きれいな言葉ではあるけれど、中身がないというか。
たとえば営業職の募集なのに、別の職種にも当てはまるような当たり障りのない内容の文章を見ると、AIに書かせたものをそのまま提出してきたのかなと勘ぐってしまいます。
外川さん
分かります。「この年次の人は使わないだろうな」という言葉が並んでいたり、日常会話で使わない横文字ばかりで書かれていたりする書類を見ることも増えてきました。
実際に面接で話を聞いてみると、書類の印象と全く違うんですよね。
AIを使っていること自体が問題というよりも、「読み手のことを考えていないな」と感じる方が、マイナスな印象につながります。
前田さん
それは、あるあるですね。
業務でAIを使うことも多いので、「このAIリテラシーで大丈夫かな……」といった方向で心配になってしまいます。
AIを使うこと自体がマイナスイメージに繋がるのではなく、丸投げしてチェックしていなかったり、書類を見る人のことを考えない使い方をしていたりという「姿勢」が印象を左右するんですね。
前田さん
そうですね。AIが書いた内容が合っているか調べずに、誤った情報を記載したまま提出するって、単純にミスじゃないですか。
こういったチェックができなさそうであれば、AIは使わない方が無難な気がします。
外川さん
どの企業、どの職種でも言えるような当たり障りのない文章のまま提出してしまうのも、AI以前に、「この会社に入りたい」という意欲があまり伝わってこないですね。
AIが登場する前も、マニュアルに載っているテンプレをそのまま使ってしまう人はいたと思いますが、それと根本は同じかもしれません。
「AIを使わないこと」が書類選考でマイナスになるケース
この時代だからこそ、逆に「AIを使っていないこと」がマイナスになるケースもあるのではないでしょうか?
岩井さん
それは会社によるかもしれませんね。
人によってどの程度使いこなせるかに差はあってもいいと思いますが、うちの会社でいうと、誤字脱字をなくしたり、文章を整理したり、 そういう使い方はしてほしいなというのが本音です。
外川さん
弊社も全社的にAIを推進しているので、使えないよりは使っている人の方がいいのですが、先ほどお話ししたような「読み手を意識した文章」を作成できていればどちらでもいいですね。
例えば、弊社は書類審査の段階で、志望度や熱意を重視しているのですが、たまに経歴書の内容がすごく薄い人がいて。
そういう書類を目にした時は、「AIを使ってでも、もう少し良くしようとは思わなかったのかな?」とは感じます。本当に入りたい会社だったら、使えるものは使って、魅力的な書類を作ろうとするはずなので。
岩井さん
AIがあるからこそ、昔よりも簡素な職務経歴書が目につきやすいんですよ。
AIに相談すれば、「こうすればもっと良くなりますよ」って提案してくれるじゃないですか。 簡素なままの経歴書を送ってくる人は、そういうことに手間をかけていないんだろうなと。
AIを使っても使わなくても、その人の熱意やスタンスは透けて見えてしまうんですね。
前田さん
スタンスだけではなくて、AIによってビジネススキルの差も見えやすくなっている気がします。
AIの言うことを鵜のみにしてしまい、自分の頭で判断せずに書類を作ってしまうのはスタンスの問題でもありながら、単にビジネススキルが不足しているとも捉えられますよね。
【番外編】証明写真をAIで作るのってアリ?
ちなみに、書類に貼る証明写真を撮りに行くのも結構手間だなと思うんですが、これをAIで作るのはアリなんでしょうか?
岩井さん
AIの証明写真は見たことないかも(笑)
前田さん
僕もないですね。
外川さん
私もないかなぁ。
なるほど……。そんな発想をする人は少ないんですね。
岩井さん
AIは見たことないですけど、「これ、今部屋の片隅で撮ったよね?」っていう写真を貼っている人は結構多いですよ。
そうなんですね。それって、マイナス評価になりますか?
岩井さん
うちはそれほど気にしないかな。
外川さん
うちはマイナス評価になりますね。本当に入りたい会社なら、AIで作った写真や家の片隅で撮ったと一目で分かる写真は送らないですよね。
なるほど。今日のお話を聞いていて一貫していたのは、AI活用の裏にある意欲や姿勢、ビジネススキルを採用担当者たちは見ているってことですね。
前田さん
それはどの会社も共通してそうですね。結局、採用で見ている本質って、いつの時代も変わらないんだと思います。
【女の転職type AI担当あべ直伝!】職務経歴書でのAI活用、ワンポイントアドバイス
AIの使い方次第で、企業に与える印象が大きく変わることが分かったが、どんな風に活用したら、AIを味方に付けられるのだろうか。
そこで、『女の転職type』AI活用推進担当の阿部 昌から、職務経歴書におけるAI活用のヒントをお届けしよう。
AIっぽくなるのは、AIに主導権を渡しているから。主導権は渡さない!
AIに「職務経歴書を書いて」と頼むことは、職歴書作成のハンドリングをAIに委ねてしまうことになります。そうすると、あなたらしさのない言葉で職歴書が書かれてしまうことに。
うまくAIを使っている人は順番が逆で、まず自分の経験をAIと一緒に棚卸しして、言いたいことが見えてきてから「ここまでの内容を私なりの言葉で整えて」と頼んでいます!
自分が主役、AIが整理役、この構造を意識することで、書類のAIっぽさが軽減されます。
\「一見整っているけれど、テンプレっぽい」を避けるためにはどうしたらいい?/
AIに「書かせる」から「整えさせる」に切り替えよう
まず自分の経験・思いを先に言葉にしてから、「この内容を職務経歴書らしい文章に整えて」とAIに頼んでみてください。
そうすると、骨格はあなたから出た言葉で作られ、AIはその人固有の話を整形するだけになります。最初からAIに任せると、誰にでも当てはまる「型」で出力されてしまいますので、要注意です!
\「会社の最新情報を拾えてない!」を避けるためにはどうしたらいい?/
会社情報はAIに”渡す側”に回ろう
AIの学習データには必ず時差があります。
「その会社が今どんな事業をやっているか」「最近の注力領域は何か」は、公式サイト・プレスリリース・採用ページで自分で一通り見に行きましょう。
その情報を全選択→コピペしてAIに貼りつけてから「これをもとに文章を作って」と頼んでみてください。AIに最新情報を踏まえて整えてもらった文章をもとに志望動機をまとめると、最新情報の抜け漏れを防ぐのに役立ちます。
会社情報に関してはAIを「知る道具」ではなく「整える道具」として使いましょう。
\「この言葉、この人は使わなそう」といった違和感をなくすにはどうしたらいい?/
棚卸しのフェーズで「自分の言葉」をAIに覚えさせよう
最初に、自分の経験を自分が話す言葉でAIに入力します。この時点では、きれいに整った文章で入れなくて大丈夫です。
ポイントは自分が使う単語で入れること。たとえば、合意形成をする時に、「コンセンサス」という言葉を使う人、使わない人それぞれいますが、あなたが使うなら使って、普段使わないなら使わずに入れてください。
そのあと「今話した内容を、私が書いた文章のトーンで職務経歴書に直して」と頼むと、ベースが自分の言語になるので違和感が出にくいです。
また、こうすることで、面接に進んだ際にあなたの口から出た言葉と職歴書のキーワードがリンクして信頼感が増します。
※一部AIサービスや有料プランではそれまでのチャットのやり取りを参照して既にあなたの言葉遣いを理解しているものもあります
\職務経歴書の内容が薄くなってしまう時、AIを使って濃くするにはどうしたらいい?/
AIに書かせるのではなく、AIに質問させよう
実はどんな方も「職歴書に書くことがない」なんてことはないのです。自分では当たり前にやっていて職歴書に書くことと気づけていないだけ。
そのため、AIに質問役をしてもらいましょう。「この経験・職種について職務経歴書に書きたいのですが、内容が薄いと思います。私に質問してもらえますか?」と依頼してみてください。
「その案件の規模は?」「チームの中での役割は?」「どんな工夫をしましたか?」「褒められた場面はどんな時でしたか?」とAIが聞き出し役になることで、自分でも気づいていなかったエピソードが引き出されます。
阿部オススメのプロンプト
まず棚卸しから始めるとき
直近の仕事は【会社名・期間・職種】です。
どんな経験をしたか引き出すために、一問ずつ質問してもらえますか?
まだ文章は書かなくていいです。
※「まだ書かなくていい」を入れるのがポイント。これがないとAIがすぐ整形し始めます。
棚卸しが終わり、自分の言葉で整えさせるとき
私が話した言葉や表現をなるべくそのまま活かしてください。
横文字や硬い表現への言い換えはしないでください。
会社情報を自分で渡すとき
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(コピペ)
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この情報をもとに、私の志望動機の文章を作ってください。
私の経験は【】で、特に【】の経験が活かせると思っています。
内容が薄く、インタビューしてもらうとき
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(現在の文章)
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より具体的で伝わる内容にするために、私に質問してもらえますか?
一問ずつお願いします。
セットで使うと効く「トーン確認」の一文(棚卸しや整形が終わったあとに、最後これを追加すると違和感チェックになります)
AIはあくまでも、あなたの職務経歴書を魅力的にするための補佐役。
主導権は渡さず、上手に活かしながら転職活動を進めてみてくださいね。
取材/光谷麻里(編集部) 文/宮﨑まきこ
『採用担当者の覆面ガチトーク』の過去記事一覧はこちら
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