立ち止まったキャリアを、もう一度動かす。「在宅秘書」という選択がもたらした変化【PwC Japanグループ】

立ち止まったキャリアを、もう一度動かす。「在宅秘書」という選択がもたらした変化【PwC Japanグループ】

出産・育児や介護、配偶者の転勤などを理由に、女性が仕事を辞めざるを得ないケースは未だ少なくない。そして一度キャリアを手放してしまうと、再びビジネスの最前線に戻るのは容易くないだろう。

PwC Japanグループの「在宅秘書は、そうした状況の中で、働き方を再設計する選択肢として生まれた。

パートナー(役員層)の秘書業務をリモートで担い、出社を前提としないかたちで業務を支えるポジションだ。生活とのバランスを取りながら、プロフェッショナルとして価値を発揮することが求められる。

今回は、家庭と両立しながら在宅秘書として働く2人にインタビュー。この働き方を選んだ理由や日々の働き方、求められるスキルについて、現場のリアルを聞いた。

PwC Japan合同会社 在宅秘書

PwC Japan合同会社 在宅秘書
紀野 麻佐美さん

新卒から秘書としてキャリアをスタートし、主に役員秘書として勤務。夫の単身赴任をきっかけに働き方を見直し、通勤負担の少ない環境で派遣社員として働く。子どもの成長を機に正社員復帰を目指す中でPwC Japanグループの在宅秘書に出会い、2020年6月に入社。2023年から夫の海外赴任帯同のためFLD制度(※1)を活用し休職。2025年に復職し、現在はコンサルティング領域のパートナーを複数名担当
※1 FLD制度(フレキシブルライフデザイン休職制度):従来の育児・介護のための休職制度に加え、海外留学、配偶者の海外赴任への帯同などのための一定期間の休職が可能

PwC Japan合同会社 在宅秘書清水サラさん

PwC Japan合同会社 在宅秘書
清水 サラさん

新卒で日系航空会社に入社し、客室乗務員として勤務。その後、医療・金融業界で役員秘書として経験を積む。結婚後、夫の転職に伴い地方へ移住し、一度退職。居住地の制約を抑えながらキャリアを継続できる環境を求め、PwC Japanグループに在宅秘書として入社。育児休暇を経て、現在は1歳児、3歳児の子育てと両立しながら、複数のパートナーを担当

※PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。

両立に悩んだ先に見つけた「在宅秘書」という選択

──まずはお二人のご経歴と、PwC Japanグループに在宅秘書として入社した理由を教えてください。

紀野:私は新卒から秘書として正社員で働いてきましたが、夫の単身赴任をきっかけに、子どもを育てながら片道1時間の通勤を続けることが難しくなり退職しました。

その後、自宅近くの企業で派遣社員として働いていましたが、待遇ややりがいの面ではどうしても物足りなさがあったんです。

子どもたちが小学生になったタイミングで、もう一度正社員として働きたいと考えるようになりましたが、通勤時間の制約もあり、なかなか条件に合う仕事が見つからなくて。

そんなときに出会ったのが、PwC Japanグループの在宅秘書です。通勤がなく、これまでの秘書経験も生かせて、やりがいもある。「これしかない」と思い、入社を決めました。

PwC Japanグループ

清水:私は客室乗務員として5年ほど勤務した後、将来的なライフイベントを見据えて転職し、医療業界や金融業界で役員秘書を経験してきました。

その後、夫の転職に伴って地方へ移住することになったので一度退職しましたが、その地域には希望に合う求人がほとんどありませんでした。

そんな時、PwC Japanグループの在宅秘書という働き方を知りました。地方にいながら、グローバルに事業を展開する都心の企業で働ける点に魅力を感じましたし、これまでの秘書経験も生かせると考え、すぐに応募を決めたんです。

──お二人とも、制約に縛られない働き方とやりがいの大きさが、入社の決め手だったのですね。実際に今はどのようなスケジュールで働いているのでしょうか?

清水:子どもたちを保育園に預けた後、少し家事を済ませてから9時頃に仕事をスタート。昼休みは1時間あるので、食事をとったり洗濯物を取り込んだり。余裕があれば、外に散歩に行ってリフレッシュすることもあります。

午後はお迎えの時間から逆算して動き、17時半には業務を終えられるよう調整しています。

在宅勤務だからこそ、子どもの体調不良にも対応しながら仕事を進められるなど、その日の状況に応じて働き方を組み立てられる点には助けられていますね。

PwC Japanグループ

紀野:私は子どもたちを学校に送り出した後、8時半頃から業務を始めて、17時半頃まで働くスケジュールです。

夏場は子どもの部活動の関係で朝が早くなりますが、顔を見て「いってらっしゃい」と見送ってから始業できるのは嬉しいですね。

また、月に2回の出社日には定例会議に合わせてオフィスへ。担当するパートナーが出社していれば、対面でコミュニケーションを取ることもあります。

両立できるのは「仕組み」と「カルチャー」があるから

──お二人とも、家庭と仕事の両立に悩まれていたとのことですが、在宅秘書という働き方は「両立の解決策」になりましたか?

紀野:以前は、子どものお迎えに間に合うよう、毎日時間との勝負でした。毎日仕事を終えてから全速力で走って、ギリギリで駆け込むような生活で。

今は自宅で「おかえり」と迎えられるようになり、生活の質は大きく変わりました。子どもたちの様子や日常の変化にも、自然と目が向くようになりましたね。

実は在宅秘書として働き始めて3年ほど経った頃、夫の海外駐在が決まったんです。本来であれば、単身赴任か退職かの二択になりがちですが、私はPwC Japanグループの「フレキシブル・ライフ・デザイン休職」を利用し、2年間家族で帯同することができました

その間、私は海外生活の経験を活かして夫をサポートできましたし、子どもたちにとっても思春期に海外で過ごせたことは貴重な経験になったと思います。

2年間は家族との時間をしっかり持ちながら、帰国後もスムーズに仕事へ復帰できました。同じ在宅秘書のメンバーが近況を共有してくれていたこともあり、大きなブランクを感じることはありませんでしたね。

PwC Japanグループ

清水:私は子どもがまだ小さいこともあり、できるだけ子どもを優先してあげたいという思いがありました。最初は「周りに迷惑をかけてしまうのでは」と不安もあったのですが、実際に働いてみると、会社全体として家庭や育児を前向きに捉える雰囲気があるのを感じました。

パートナーを含め、男性社員も育児に積極的に関わっている方が多く、1年間のパパ育休を取得するケースも珍しくありません。忙しい中でも、朝晩は家事や育児の時間を確保している方が多い印象です。

こうした価値観が共有されているからこそ、家庭の事情で時間を使うことに後ろめたさを感じずにいられる。その点は大きいですね。

──制度だけでなく、周囲の理解や関係性も重要なんですね。

清水:そうですね。「制度がある」だけではなく、「使える雰囲気がある」ことが大切だと感じています。

在宅秘書同士でも、育児や家庭の状況を共有しながら助け合う文化がありますし、パートナー側もそれを前提として仕事を進めてくださっています。お互いの状況を理解し合っているからこそ、無理なく続けられる。その安心感は大きいです。

複数担当・非対面だからこそ求められるスキル

PwC Japanグループ

──働きやすさがある一方で、プロフェッショナルとして高いスキルが求められる仕事かと思います。PwC Japanグループのようなグローバルなビジネスを行うファームで働くことに、不安はありませんでしたか?

紀野:正直に言うと、初めは少し不安がありました。会社の規模も大きく、1人で3~5名のパートナーをオンラインでサポートするという点も、これまでにない働き方でしたから。

ただ、入社後は研修制度がしっかり整っていて、周りに質問しながら一つずつ業務を理解していくことができます。そのおかげで、少しずつ不安は解消されていきましたね。

在宅秘書同士のグループチャットもあり、分からないことはすぐに相談できます。過去のやり取りも蓄積されているので、検索すればヒントが見つかることも多く、日々の業務を支えてくれています。

──たしかに、非対面かつ複数のパートナーを同時に担当する難しさはありそうですね。

清水:そうですね。対面ではない分、相手の状況や温度感が直接見えない。そのため、常に想像力を持って動くことを意識しています。

確認事項もどうしても増えるので、やり取りはできるだけ簡潔に。相手がすぐ判断できるよう、分かりやすく伝える力は欠かせません。

また、依頼が重なることも多いため、タスクを並行して進めながら「次に必要になること」を先回りして対応していく。その積み重ねが仕事のスピードや質に直結すると感じています。

在宅秘書で広がる「持続可能」なキャリア

──在宅秘書として働く中で、どのようなスキルが磨かれていると感じますか?

清水:複数のパートナーを同時に担当するため、タスクの優先順位を判断する力は大きく鍛えられたと思います。相手がすぐに判断できるように伝える工夫を重ねる中で、コミュニケーションの精度も自然と上がっていきました。

紀野:担当するパートナーからは、年に2回、アンケート形式でフィードバックをもらえる機会があります。在宅で一人業務に向き合うことが多い分、自分の仕事を客観的に振り返る機会があるのはありがたいですね。

また、社内の研修制度も充実しており、最近ではAI活用に関する研修も実施されました。変化の速い分野ではありますが、そうした環境に身を置くことで、自然とスキルをアップデートできます。

周りもスキルアップにポジティブなメンバーが多いので、PwC Japanグループで働くこと自体が、キャリアの持続可能性を高めることにつながっていると感じています。

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──最後に、在宅秘書という働き方に興味を持っている方に、一言メッセージをお願いします。

清水:ライフステージによって働き方に悩むことは、誰にでもあると思います。私自身もそうでした。ただ、在宅秘書として働くことで、「状況が変わってもキャリアは続けられる」と思えるようになりました。

どんな状況になったとしても、自分のスキルを生かして働き続けられる。そうした可能性を感じられる仕事だと思います。

「自分にできるだろうか」と迷っている方にこそ、ぜひ挑戦してみてほしいですね。

紀野:在宅で働くと聞くと、孤独なイメージを持たれるかもしれません。ですが実際には、チャットや定例ミーティングを通じて、常に誰かとつながっている感覚があります。

また、家族の形が変わると、どうしても女性の方に負荷がかかってしまいがちです。ライフステージの変化に合わせて、働き方を変えざるを得ない方も多いでしょう。

でも、PwC Japanグループでは制度面だけでなく、女性も男性も家族を大切にするカルチャーが根付いており、プライベートと仕事のバランスを取りながら働き続けることができます。

人生の変化に適応しながらキャリアを築いていける場なので、ぜひチャレンジしていただけたら嬉しいですね。

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取材・文/宮﨑まきこ 撮影/赤松洋太