27
AUG/2014

「草食系だよね」がトラブルの元!? 女性が職場でやってしまいがちなハラスメント

タグ:

セクハラ、パワハラを始め、言葉の暴力によるモラルハラスメント、SNSトラブルによるソーシャルハラスメントまで、職場内でのハラスメント事例は近年多様化する一方だ。これまでこうしたハラスメントは女性が被害者という見方が一般的だったが、女性の社会進出が進む昨今、女性が加害者に回るケースも増えてきているという。そこで、労働問題に詳しい弁護士法人アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に、つい女性が職場でやってしまいがちなハラスメントについて話を伺った。

あなたは大丈夫?
よくありがちな女性から男性へのハラスメント

ハラスメント
「近年、特にセクハラに関する男性の規範意識は非常に高まっています。しかし一方で、女性サイドの『自分が男性にセクハラをしているかもしれない』という認識はまだまだ甘いと言わざるを得ません」

そう岩沙弁護士は現状について警鐘を鳴らす。累計で見れば、やはり女性が被害者のケースの方が圧倒的に多いそうだが、だからと言って、自分が加害者に回ることなんてないと安心するのは早い。なぜなら、ここには大きな盲点があるからだ。男性の場合、ハラスメント被害に遭っても、周りに弱々しい男性と見られたくないという意識から、なかなか外部に相談しづらいのだという。つまり、声を上げられていないだけで、不快に思っている男性が相当数いると念頭に置いた上で、女性サイドも男性との接し方を考慮していかなければならない。

では具体的に、どんなケースがハラスメントにあたるのだろう。

● 過剰なボディタッチを行う
● 露出度の高い服装で出社する
● 男性が近くにいるところで性的な話題を口にする
● 「結婚しないの?」「彼女はいないの?」と質問する
● 男性の体臭に対して「クサい!」と責める
● 「男のくせに」「男だったら」と非難する
● 「草食系だよね」など勝手なイメージでカテゴリー分けをする

こう並べてみると、「あれ……? 私もやったことあるかも……」と思わず冷や汗をかく女性も多いのでは? 岩沙弁護士は「ハラスメントの定義は一概には言えない」とした上で、「相手が不快に思ったら、それはハラスメントになり得ます」と警告する。

確かに、外回りを終えて汗まみれの男性社員に、「汗臭いよ!」と女性社員が眉をしかめる、というのはあり得そうな光景だ。けれど、逆に男性が女性の体臭に対して否定的な発言をすれば、それだけで大問題になることは十分に想像できる。相手が男性だからといって、つい許されると考えてしまうことが、トラブルの火種と言えそうだ。

「また、カラオケで無理に歌わされたり、Facebook上での仕事とはまったく関係のない投稿に上司がコメントしてくることに精神的な苦痛を感じている人も多いです。こうしたトラブルは性別に関係なく起こりえますので、女性でも十分に加害者になることが考えられます」

何より怖いのは周囲からの評価!
トラブルを防ぐ2つのポイントとは?

実際にこうしたハラスメントをめぐる裁判も後を絶たない。

「行為の悪質性や回数、期間によって異なるため、明確にこうだとは言い切れませんが、基本的な慰謝料の相場は30万円~200万円程度。悪質性が高い場合、300万円~400万円に上る判例もあります」

また、何よりも恐ろしいのが、周囲の風評。ハラスメントをしたという噂が広まれば、人間関係にヒビが入り、仕事もやりにくくなってしまう。そうならないために気を付けておくべきポイントは「常に相手と立場を置き換えて考える」「日ごろから周囲の人との信頼関係をしっかり築く」の2つ。

まず大前提として、女性がされて嫌なことは男性もされて嫌だということ。自分がされたら嫌なことは相手にもしないという人間関係の鉄則をしっかり頭に入れておこう。特に、「男性は女性が思っている以上にナイーブな生き物」と岩沙弁護士。ちょっとした言葉や態度が相手を傷つけているかもしれないと注意した上で、お互いに敬意をもって接していくことがベターと言えそうだ。

また、同じ言葉でも発する人間によって受け取り方は微妙に違うもの。仮に少し不用意な発言をしても、日ごろから誠実な人間関係を築いていれば、それほど深刻に受け止められないのもまた事実。尊敬できる上司や仕事仲間として普段から認めてもらうことがトラブルを未然に防ぐポイントとなる。

女性の積極活用が社会的テーマとして掲げられる今、男性の部下を持つ女性も少なくない。となると、今後は女性から男性へのハラスメント事例も増加する可能性が高い。「そんなつもりじゃなかったのに……」というウッカリな失言や失態で周囲の信頼を損なわないよう、今一度、職場の男性への接し方を見直してみよう。

【お話を伺った方】
弁護士
岩沙 好幸さん

慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。東京弁護士会所属。弁護士法人アディーレ法律事務所にて、パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム) 弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ:http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/  労働トラブル解決サイト:http://www.adire-roudou.jp/
この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Woman typeの最新情報をお届けします

あなたにオススメの記事

働く女性が「事実婚」したらどうなる? 事実婚歴23年の経験者...
日本ではそう多くない印象の事実婚だが、実際に事実婚を選択した場合、仕事をしていく中でどのような影響があるのだろうか。事実...

日本で長期休暇が浸透しないのはなぜ? 「バカンスは1カ月以上...
「日本人は働き過ぎ」という話はよく聞くが、なぜ日本ではフランスのような長期休暇が根付かないのだろうか? そこで、世界のワ...

世界の労働環境を知るILO駐日代表が語る、働き方を変えるため...
もっと女性たち自身が「働きたい!」と思う社会になるには何が足りないんだろう。その答えを探るべく、さまざまな切り口から識者...

厚労省でお茶汲みからキャリアをスタートした村木厚子事務次官が...
男女平等が当たり前ではなかった時代に入省し、これまでの長いキャリアを築いてきた厚生労働省の村木厚子事務次官が考える、女性...

あなたにオススメの企業

オススメ求人特集

育児と両立可能な会社

憧れの上司と働く!女性管理職がいる会社

インセンティブ充実!プチリッチな生活を手に入れる

プライベートも充実!年間休日120日以上の求人

未経験でも安心!ノルマが厳しくない営業求人