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MAY/2014

脳科学でストレスのもとを解消! ムカつく上司をサラッと受け流すうまい対処法

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年配の上司や異性の上司など、「なんだか気が合わない」「理不尽なことを言われる」など、誰しも上司にストレスを感じることはあるだろう。ズバッと言い返してスッキリしたいところだが、今後も働き続けることを考えると、波風を立てるよりも黙って耐え忍ぼうという女性も多いのでは? でも、我慢するばかりではストレスが溜まる一方! そこで、今回はイヤな上司とうまく付き合うコツを脳科学の観点からご紹介。組織で働き続けるために、誰も傷つけず、ストレスも溜めない考え方を、脳科学者の中野信子先生に伺った。

まずは「嫌悪感の正体を知ること」
自分の内面を知るヒントに変えよう

中野信子
どこの職場にも何かしら理不尽なことをしてくる上司はいるものだ。脳科学者の中野信子先生は、「世の中にストレスを感じない職場はないはず」と話す。

「組織という集合体に属している以上、自分とは年齢や立場が違う人たちと働くということ。考え方が違うのですから、一定数の理不尽なことは付きものです。もしも一切ストレスを感じないなら、そこではあなたのために誰かがストレスを溜めているかもしれません」

組織で長く働く場合、ある程度のストレスはあるというのが大前提と言えそう。しかし、上司の理不尽にただ耐え忍べばいいというものでもない。冷静に状況を受け止めた結果、「やっぱりこの会社はブラックだ」と感じるようであれば、転職を考えてみた方が良い可能性もある。そこで、まず体得したいのが「嫌悪感の正体を知ること=メタ認知」だ。

「人間は、同じモノを見る場合でも、それぞれにまったく違うモノとしてとらえている可能性があります。互いに異なる視点を持つため、『分かり合えている』という恋人同士や友人同士でも、それ自体が勘違いだったり、幻想であったりするのです。気が合わない上司がいるなら、まずは、自分とはまったく違う感性、感覚を持つ人間だと認識した上で、尊重することが必要です。幽体離脱でもしたつもりで、自分の感情と距離を置いたところから『自分はなぜこの人を嫌悪するのか』を冷静に考えてみましょう。『その人がどういう人か』が見え、さらに『自分がどういう人間か』まで見えてきます。そうして嫌悪感の正体を知れば、『この人のココがイヤだから、自分は次からこうしよう』と考えられるようになります。この、自分や相手の関係性や状況を一歩引いたところから見てみる『メタ認知』は、ストレス軽減にとても有益です」

人を変えることはできないし、自分自身もそう簡単には変えられない。それなら、今あるものをどう生かすかを考えたほうがストレスも溜まらないのだ。「上司、ムカつく!」などの強い感情は、自分がどういう人間であるかを知るヒントになると考えたい。自己分析のツールとして使えると思えば、腹も立たなくなるのかも。

こんなイヤな上司、どう受け流す?
上司のタイプ別・脳科学実践法

中野信子
『コミックエッセイ 脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』(原案:中野信子/漫画:ユカクマ/1000円(税抜)/アスコム)
ダイエットしたいのに食べ過ぎてしまう、衝動買いが続いてしまう、他人の悪口がやめられない…。このような「気持ちいいこと」をはじめ、やめたくてもやめられない現象が続くのは、実は、脳の悪いクセが原因だった!脳のクセを知って、脳を正しく活動させることで、本当にしたい行動を起こし、幸せになる方法を、脳科学者・中野信子先生がマンガでレクチャーしたコミックエッセイ
イヤな上司の例ごとにどう受け流すか、脳科学的な実践方法を中野さんに解説してもらった。

●自慢&説教が大好きな上司
自慢話や説教などをするとき、脳内にはドーパミンという快感物質が分泌されるのだとか。特に男性はドーパミンの快感を得やすいという。

「彼らは話をすること自体に快感を得ているので、その内容をまともに聞く必要はありません。ラジオから流れるラッパーのリリックを聞くような気分で、適当な合いの手を入れれば十分です。また、こうした上司は自分に注目してほしいだけなので、話を上手に逸らすのもいいでしょう。『すごいですね! 部長には普通の人にはない何かがある気がします!』なんて手相や占いの方向に持っていってしまうのも手です。“自分についての話題”であれば彼らの欲求は満たされるので、自慢好きの上司からの評価は上がるかもしれませんよ」

●女性上司のヒステリー
女性だからヒステリックだとは必ずしも言えないが、女性の体と脳は生理周期の関係で、排卵日を含む前後の3日間はキレやすくなる傾向があるのは事実なんだとか。

「セロトニンという、攻撃心や不安を押さえてくれる脳内物質が減少するこの期間は、女性はどうしてもイライラしがち。そんなときはセロトニンが増えるまで、なるべく近づかないようにするのがベターでしょう。また、甘いものにはセロトニンを増やす効果があるので、魔除けのようにお菓子を持ち歩き、いざという時に『これどうぞ!』なんて差し出してみるのがいいでしょう」

●プライベート詮索系の上司
仕事以外のことまでぐいぐい知ろうとしてくる人をどうかわすかは難しいところ。人との距離感は、脳科学ではなく、育った環境が影響する後天的なものだそう。悪意がない場合も多いので、こちらも悪意ではない返し方をすることが大事だ。

「過剰に反応すると人間関係に支障をきたすので、『かわいい服を来ているけど、今日はデート?』などと聞かれた場合は、“かわいい”のみに反応し、他は流しましょう。困ったときは女性の特権を生かし、『うふふ』と笑顔でごまかすこと。笑顔は、脳の眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)に作用し、同じ顔でもより美しいと感じさせます。美しさは攻撃を軽減できるので、相手の脳に呼びかけるつもりで笑顔を作るといいでしょう」

●群れ&悪口大好きな女性の集団
女性が群れを作りたがるのは、出産・育児を行う性であるがゆえの生物学的な自然の行動。仲間と行動すれば、誰かが餌を取ってくれたり、敵に襲われた時に生け贄になってくれるため、女性は本能的に群れを作り、1つのものに共感し合うことで結びつきを強固にしようとするものなのだ。

「群れのボス的な上司がいるとしたら、その人に仲間として認識してもらうことが一番です。『キティちゃんが好きなんですか? 私もです!』など、共通項を見つけて共有しましょう。『好きなもの』より『嫌いなもの』の共有の方が結びつきはより強くなりますが、第三者の悪口に共感を示すと、自分に矛先が向く可能性が高まるので、誰かの悪口で共感を求められたら『そうですかねえ?』と疑問系で流しましょう」

●無茶ぶりハードマネジメントな上司
昭和世代やベンチャー系の上司には、教育的配慮の名のもとに無茶ぶりをしてくる傾向が。応えようとして結果を見せれば見せるほど「まだ足りない」と攻撃は激しくなり、さらなる無茶ぶりを引き起こす可能性が高い。

「結果を出そうと頑張るより、うまく上司を頼り、仕事を手伝ってもらう状況に持ち込みましょう。するとその上司は、無茶ぶりを良しとする教育的な考え方と、手伝ってしまう自分の行動との間に矛盾が発生し、『認知的不協和』の状態に陥ります。行動してしまった過去の記憶は書き換えられないため、自分の考え方を修正せざるを得なくなり、その結果、『この部下に好意を持っているから手伝っているのだ→この部下はかわいがらなければ』と考えるように仕向けることができます」

 

中野先生によれば、「脳の海馬は、過去に起きた出来事を、その時の感情と結びつけて格納してしまう」のだとか。つまり、イヤな出来事をヤケ酒やカラオケなどで発散しても、その記憶は変わらず、イヤな出来事として覚え続けていることになるのだ。

なので、悪い記憶は「忘れよう」と他で発散するのではなく、あえて誰かに話したり、自分で思い返して口に出してみるなどすると、「本当はこういう意味で言っていたのかも」「おかげでこんな良い面もあった」といった、良い出来事であったという新たな記憶に更新して格納し直すことができるそう。

これからは、理不尽な上司とのやりとりも、何度も誰かに話し、良い感情に結びつけながら記憶を塗り替えて、ストレスを軽減していこう。

 中野信子

【お話を伺った方】

医学博士、脳科学者、認知科学者 中野信子さん 1975年、東京都出身。2008年、東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2010年までフランス国立研究所に勤務。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。著書に『脳内麻薬』(幻冬舎)、『成功する人の妄想の技術』(ベストセラーズ)、『世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム)など

取材・文/上野真理子

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