転職回数の多さは中途採用で不利になる? “人事担当者の本音”をキャリアのプロが解説
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
いまや、さらなるキャリアアップやスキルアップのため、転職をするのが当たり前の時代だ。生涯を通じ、1社で勤め上げるという人の方が珍しくなりつつある。
しかしながら、“転職回数が多いと、採用で不利になる”というイメージもあるのではないだろうか。
実際、現在の中途採用の現場では、転職希望者の転職回数をどのように考えているのだろうか。キャリアカウンセラーの水野順子さんにお話を伺った。
転職回数の多さが必ずしも不利になるとは限らない
ただ、人事担当者の本音は「大歓迎」とはいかないのが現実

「転職者の方が実際にどんな転職をしてきたのか、それ次第で転職回数の多さが不利になるかどうかは変わってきます」と水野さん。
必ずしも転職回数が多いからというだけで、中途採用で不利になるとは言い切れない。だが、“不利にならないケース”とは、さまざまな職場で経験を積んでそれ相応のキャリアアップをしていたり、スキルアップしていたり、ビジネスパーソンとしての知見を深めていることが前提となる。
「基本的に中途採用を担当する人事は、自社で長く働いてくれる人を採用したいと思っていますから、転職回数の多い転職希望者を採用する時は非常に慎重になります。せっかくコストをかけて採用しても、『すぐに辞められてしまうのでは』と思うと、不安になるものです」(水野さん)
転職をすることが一般的になっているとはいえ、“職場を転々とし過ぎて、仕事面でプロとして胸を張れることがない”、“1社で1年以上働いたことがない”といった状態のまま、転職を繰り返していたりすると、採用面では不利になるのが現実だ。
転職回数の多さをどうリカバリーする?
ポイントは“一貫性”を伝えること
さらに、中途採用においてはこれまでの職務経歴書を提出することが一般的だ。そこで過去の職歴を採用担当者に見せた時、転職回数が多い場合はその理由を問われることもあるだろう。
そんなシチュエーションで転職者の女性がやってしまいがちなのが、転職理由を“環境のせい”にしてしまうことだ。
「これまでの仕事は私に合うものではなかった、スキルアップできるような環境がなかった、など、自分ではなく仕事そのものや環境が悪かったから、転職を繰り返していると言ってしまう人が少なくありません。ただ、その職場や仕事を選んだのは自分。そこをすっかり忘れているような発言は、人事担当者に良い意味で伝わることはありません」(水野さん)
では、どうすれば転職回数の多さをリカバリーできるのだろうか。
水野さんによれば、「ばらばらな仕事の中にも、一貫して守ってきた自分なりのポリシーがあることを伝えることが大切」だという。例えば、職場は変わっていたとしても、ずっと同じ職種で働いているのなら、さまざまな環境で専門性を磨いてきたことが強みになることもある。
さらに、これまでのキャリアを通じて得られたことや、次の仕事に活かせると思うスキル、新しい仕事への意気込みをしっかり伝えられるよう意識しよう。
「次こそ長く働く」を実現するために
転職前に知っておきたいこと

「短い期間での転職を繰り返してしまう女性には、感覚で転職先を選んでしまう傾向があります」と水野さんは指摘する。
好きだから、やってみたいから、といった素直な動機も大切なのですが、企業風土をよく知らなかったり、雇用条件をよく確認していなかったり、そういった事前の情報収集不足から「こんなはずじゃなかった!」となって転職に走ってしまう人も多いようだ。
「次の職場こそ、長く働ける場所を選びたい」と考えているなら、大切にすべきは3つ。自分自身の“覚悟”と、自己理解、そして具体的な目標設定だ。
「まずは、そもそも自分自身が長く勤めるという覚悟を持つこと。何度か転職をすると、それに慣れてしまって『合わなかったらまた転職すればいい』と心のどこかで思ってしまうものです。しかし、職場をころころ変え続けて身に付くものが少ないなら、それは自分のキャリアにとってデメリットになってしまいます。
また、これまでどんな理由で会社を退職してきたのか、しっかり自覚することも重要。そこを把握していなければ、また同じことが起きて会社を辞めて、という悪循環に陥ってしまいます。
最後に、将来の具体的な目標を決めましょう。女性も生涯働き続けるのが当たり前の時代。今20代の人であれば、これからまだ40年くらいは働いていくわけです。それだけの時間をかけて、自分がしたいことは何なのか、できることは何なのか、一度たな卸しをしてみてください」(水野さん)
人生の目標が明確になれば、そこから逆算して、具体的に何歳までに何をしたらいいのか、目標を実現するには次の会社でいつまで働くことが理想的なのか、さまざまなことが見えてくる。
「これからも長く働き続けたい」と考えているなら、これを機に職場選びの方法や自己認識を見直し、後悔しない転職を実現できるようにしよう。

【お話を伺った方】
キャリアカウンセラー
水野順子さん
株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com
取材・文/栗原千明(編集部)
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