ハラスメントに長時間労働……転職動機がネガティブな時はどうする? 履歴書や面接で“伝えなくていいこと”
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
転職活動の履歴書や面接では、“前向きな転職動機”を伝えるべきというのは多くの人が認知しているところだろう。しかし、実際は、
・パワハラやセクハラなどのハラスメントにあってしまった
・今の勤め先がブラック企業でもうどうにも仕事を続けられない
・激務で心身の不調が出てしまっている
などなど、上記のような動機が転職活動を始めるきっかけになっているケースも多い。
では、こうした“ネガティブな転職動機”は、転職活動の履歴書や面接でどこまで伝えるべきなのだろうか? キャリアカウンセラーの水野順子さんに教えていただいた。
必ずしも事実を全て伝える必要はなし!
履歴書には退職理由を書かなくてよい
「まず、履歴書に退職理由を書く必要はありません。文章だけでは人事担当者に変に誤解をされてしまう可能性もありますし、ネガティブな転職動機は記載なしでOKです」
正直に自分ことを伝えなければ……とまじめな女性ほど考えがちだが、水野さんは「どうしても退職理由を伝えておきたい場合は、履歴書ではなく面接の際に」とアドバイスする。
さらに、「面接の時も、その仕事をする上で支障が出る可能性があること以外は、必ずしも伝えなくてもよいこと」だという。
「会社の人からハラスメントを受けたり、激務から体調を崩してしまった経験は、自分自身にとってもかなりつらいものですよね。面接でそのことを説明しているうちに動揺して涙が出てきたり、感情的になってしまうくらいなら、その話題は避けたほうが賢明です。体調面については、今現在しっかり回復しているのなら無理に話さず、これまでの残業時間や勤務状態を伝え、その状況下で仕事を続けることが難しいと判断したことを伝えるだけで十分です」(水野さん)
一方で、どうしても面接時に退職動機を人事担当者に説明する必要があるようなら、下記のように端的に事実だけ伝えるようにしよう。
“以前の職場での仕事はとてもやりがいもあり、充実していたのですが、社内の方に何度も●●をされるなど、ハラスメントを感じることが多々ありました。きちんと拒否をして改善を試みたのですが状況が変わらず、仕事にも支障がでてきてしまいました。もっと仕事に集中できる環境で仕事に取り組みたいと思い、退職を決意しました”
“前職では、仕事や人間関係には恵まれていてやりがいもありましたが、かなりの激務で毎日深夜まで残業をしていました。休日出勤も多く、このまま長く勤め続けることに不安を感じたのが退職を考えたきっかけです”
あくまで、これからは環境を変えることで仕事によりいっそう集中し、前向きに働き続けていくために転職活動に踏み切ったことを伝えるようにするのがポイントだ。
前向きな動機からの転職が理想とはいえ、会社を退職する際は、誰しも何かしらのネガティブな要素は持っているものだ。無理矢理ポジティブな退職理由を考え、自分を偽る必要はないが、前職への不平不満ばかりを面接時に並べてしまうのはやはりNG。
特にやってはいけないのが、ハラスメントを受けた相手が特定できるような情報を話したり、同僚を誹謗中傷するようなことを言ってしまうこと。
自分自身への評価や信頼を無くすことにつながるため、絶対にしないようにしよう!
取材・文/栗原千明(編集部)
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