13 OCT/2016

ハラスメントに長時間労働……転職動機がネガティブな時はどうする? 履歴書や面接で“伝えなくていいこと”

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転職活動の履歴書や面接では、“前向きな転職動機”を伝えるべきというのは多くの人が認知しているところだろう。しかし、実際は、

・パワハラやセクハラなどのハラスメントにあってしまった
・今の勤め先がブラック企業でもうどうにも仕事を続けられない
・激務で心身の不調が出てしまっている

などなど、上記のような動機が転職活動を始めるきっかけになっているケースも多い。

ネガティブ転職

では、こうした“ネガティブな転職動機”は、転職活動の履歴書や面接でどこまで伝えるべきなのだろうか? キャリアカウンセラーの水野順子さんに教えていただいた。

必ずしも事実を全て伝える必要はなし!
履歴書には退職理由を書かなくてよい

「まず、履歴書に退職理由を書く必要はありません。文章だけでは人事担当者に変に誤解をされてしまう可能性もありますし、ネガティブな転職動機は記載なしでOKです」

正直に自分ことを伝えなければ……とまじめな女性ほど考えがちだが、水野さんは「どうしても退職理由を伝えておきたい場合は、履歴書ではなく面接の際に」とアドバイスする。

さらに、「面接の時も、その仕事をする上で支障が出る可能性があること以外は、必ずしも伝えなくてもよいこと」だという。

「会社の人からハラスメントを受けたり、激務から体調を崩してしまった経験は、自分自身にとってもかなりつらいものですよね。面接でそのことを説明しているうちに動揺して涙が出てきたり、感情的になってしまうくらいなら、その話題は避けたほうが賢明です。体調面については、今現在しっかり回復しているのなら無理に話さず、これまでの残業時間や勤務状態を伝え、その状況下で仕事を続けることが難しいと判断したことを伝えるだけで十分です」(水野さん)

一方で、どうしても面接時に退職動機を人事担当者に説明する必要があるようなら、下記のように端的に事実だけ伝えるようにしよう。

~ハラスメントを受けてしまった場合~
“以前の職場での仕事はとてもやりがいもあり、充実していたのですが、社内の方に何度も●●をされるなど、ハラスメントを感じることが多々ありました。きちんと拒否をして改善を試みたのですが状況が変わらず、仕事にも支障がでてきてしまいました。もっと仕事に集中できる環境で仕事に取り組みたいと思い、退職を決意しました”
~激務などで体調を崩してしまった場合~
“前職では、仕事や人間関係には恵まれていてやりがいもありましたが、かなりの激務で毎日深夜まで残業をしていました。休日出勤も多く、このまま長く勤め続けることに不安を感じたのが退職を考えたきっかけです”

あくまで、これからは環境を変えることで仕事によりいっそう集中し、前向きに働き続けていくために転職活動に踏み切ったことを伝えるようにするのがポイントだ。

前向きな動機からの転職が理想とはいえ、会社を退職する際は、誰しも何かしらのネガティブな要素は持っているものだ。無理矢理ポジティブな退職理由を考え、自分を偽る必要はないが、前職への不平不満ばかりを面接時に並べてしまうのはやはりNG

特にやってはいけないのが、ハラスメントを受けた相手が特定できるような情報を話したり、同僚を誹謗中傷するようなことを言ってしまうこと。

自分自身への評価や信頼を無くすことにつながるため、絶対にしないようにしよう!

キャリアカウンセラー 水野順子さん

【お話を伺った方】
キャリアカウンセラー
水野順子さん

株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com

取材・文/栗原千明(編集部)