仕事内容より○○が大事! 「学生時代の就活」と「今」で女性の会社選びはどう変わる?

学生のころの就活では、今まで自分が勉強してきたことや、部活・アルバイトなどの経験を振り返り、将来社会人として働いてる姿を思い浮かべて……と、想像を膨らませながら会社を探したもの。しかし実際に社会に出た今、もしも転職をするとしたら、学生時代と会社の選び方はどのように変わるのでしょうか。

大切な初顔合わせ2

働く女性270人に「学生のころの就職活動時と現在で、会社を選ぶときに重視することは変わりましたか?」と聞くと、7割近くが「変わった」と回答。その変化を探るため、「学生のころ、会社を選ぶときに重視したこと」と「今現在、会社を選ぶときに重視すること」をそれぞれ聞いてみました。

比較

すると、学生時代に重視していたポイントは1位「仕事内容」、2位「給料」だったのに対し、今重視するポイントは1位「給料」、2位「仕事内容」と逆転! 「学生のころは、とにかく給料よりもやりたいことができればいいと思っていました」(31歳/接客・販売)というように、まだ見ぬステージへの期待が大きかった学生時代と比べ、社会に出たことで、生活していく上でのお金の重要性に気付いた人が増えていることが背景にあるようです。

「学生時代には重視してたけど今はそうでも……」という項目は「勤務地」「業界」「知名度」といったラインナップ。「おしゃれなオフィス街で、誰もが知っている有名企業で働く女性」なんて、就活をしていたら一度は憧れるシチュエーションでしたよね。

逆に、学生時代よりも重視するようになったのは「福利厚生」「ワークライフバランス」「社員の人柄」という、より自分の生活に直結するもの。社会人を経験したからこそ「憧れが最も大事なものではなかった」ということに気が付いたのでしょうか。しかしその理由を見てみると「学生時代の希望に敗れて、社会という現実に打ちのめされたから変化した……」というわけでもなさそうです。

【無理がないことが大事と悟った】
「学生のころはみなし残業制や残業を含む勤務時間のことを何も考えていなかったが、実際に働いてみて疲労度を考えると、そのあたりのバランスがとれる仕事がしたいと思ったので」(21歳/保育士)
「学生のころは仕事終わりの楽しみについてばかり考えていたため、おしゃれな街で働きたいと思っていたが、それよりもまずワークライフバランスがなってないと充実した生活が送れないと気付いたため」(24歳/システム開発)
「学生のころは給与が多い職場を重視していたが、同僚や上司の人間関係が良くないと楽しく働けないと分かった」(34歳/エステティシャン)
【自分より優先すべき存在が出来た】
「家族ができたことで、自分の予定だけではなく家族の予定も考慮しなければいけなくなったため。融通のきく環境、周りの人柄が大事」(36歳/コールセンター、スーパーバイザー)
「最近は結婚を考えるようになったので、ワークライフバランスを気にするようになった。仕事が終わってからご飯を作る時間が必要だな、とか」(25歳/営業事務)
「これまでは自分のために使う前提で給与や休みの時間のことを考えていたが、子供ができてからは子供と一緒により長くいられて、子供のための貯金ができるほどの給与を、と考えるようになった」(25歳/看護師)

アンケートの回答で目立ったのは「ワークライフバランス」という言葉。社会人になってみると、働くことが生活の一部であることが実感を伴って分かるもの。より自分のライフスタイルに合った職場を選びたい、という気持ちが強くなるのも納得です。結婚や出産といったライフイベントによって仕事・生活に影響が出やすい女性ならではの判断軸とも言えそうですね。

社会に出る、仕事をするということへのイメージがなかった学生時代と比べ、働いた経験のある今ならもっと自分に合った働き方や、今後の人生を充実させるための職場がどういうものなのかが分かるはず。転職を考えている人はもちろん、そうでない人も、これからどんな生き方をしていきたいのかを踏まえた上で、自分にとっての「良い会社」がどんな環境なのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

【アンケート調査概要】
●調査方法:転職サイト『女の転職@type』の20代~30代女性会員およびWebマガジン『Woman type』サイト読者へのWebアンケート
●調査期間:2015年7月16日~21日
●有効回答者数:270名

取材・文/大室倫子(編集部)