女性が陥る“若くないとダメかしら”病――結局、転職で「若さ」は重視されるの?
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
30代、40代、50代と年齢を重ねた時、「今の会社の仕事をずっと続けていける」と自信を持って答えられる女性はどれくらいいるだろうか。若手に居場所を取られてしまうのでは? 社会の変化に自分がついていけなくなるのでは……?
将来のキャリアを不安に感じたことがある人は少なくないだろう。「転職するならなるべく若いうちに」と焦りを感じている人もいるかもしれないが、実際のところ年齢を重ねると転職で不利になることはあるのだろうか。
キャリアカウンセラーの水野順子さんに聞いてみた。
社内で自分より若い人の方が多くなった……
女性が「今のまま働けるのか」悩むとき
水野さんによれば、女性は同じ会社の中で自分より若い社員が増えてくると、「今の仕事を続けられるか」という不安を抱きがちだという。今の会社に大きな不満があるわけではないけれど、漠然と感じる未来への不安感から転職を考える女性も多い。
だが実際は、「その年齢にふさわしい実績やキャリアを持っている人であれば転職で不利になることはない」と水野さんは断言する。
採用する側が気にするのは「年齢」ではなく、その人が経験してきたことや、新しい職場でどんな価値を発揮してくれるのかということだ。
「転職で『若い人の方が有利だ』と思ってしまったり、『若さが無くなったら今の会社にいづらい』と感じてしまうのは、女性側の思い込みであるケースが多い印象です。
経験豊富な人材のスキルや知恵を“いらない”と感じる企業は少ないもの。一方で、『若さが大事』と思ってしまう背景には、ビジネスパーソンとしての自分に対して自信が無いことの表れかもしれませんね。
若さは誰しもいつかは失っていくものですから、『若さが武器』と言える時期はいつか終わります。目の前にある仕事に最大限の力を注いでチャレンジすることで、自分のスキルを磨き、自信をつけていく他に不安を払拭する方法はありません」
自分に自信が持てないときにすべきこと
今はまだ、40代、50代と働き続けている女性のロールモデルが社会に少ないという現状もある。だが、今は女性も生涯働き続けることが前提の時代だ。「参考になる人がいないから」と、せっかく続けてきた仕事を手放してしまうのは非常にリスキー。
どうしても自分に自信が持てないときにすべきことは、「自分にできること」に改めて目を向けてみることだと水野さんは言う。
「年齢を重ね、働き続けてきた女性であれば、必ずその分の経験と実務スキルがついてくるはず。
人はネガティブなことについとらわれてしまいがちですが、意識的に『自分にできること』が何なのか、今までやってきた仕事を通じて『できるようになったこと』は何なのかを考えてみると良いと思います。
きっと『若さ』だけではないもっと重要なものが見えてくるはずです」(水野さん)
それでも「自分には何もない」と感じるようであれば、「今後やってみたい仕事やチャレンジしてみたいことを想像しながら、それを実現するには今どんな経験をしておくべきなのかを考えてみるべきです」と水野さんはアドバイスする。
やるべきことが明確になれば、できる限り早く取り組んでいくのみだ。
また、「今の仕事はずっと続けられそうにない」と感じている女性の中には「やるべき仕事の役割が一つ上のステージに上がるタイミングということもあります」と水野さん。
「ずっと同じ仕事を何十年も続けていくなんて、誰でも考えにくいものです。でも、キャリアを積めば仕事で担う役割も変わっていくもの。
一段上の仕事をオファーされたら、それは過去の仕事を評価された証。恐れずに取り組んでみると、何とかなりますし、新しいキャリアが開けます」
そして、「年齢を重ねても大丈夫」という自信を持つためには、日々の仕事で自分を磨き上げていくことだ。「できること」の幅を広げ、自分の市場価値を高めていこう。
>>あなたにピッタリの仕事が見つかるかも? 『ミイ診断』を受けてみる
取材・文/栗原千明(編集部)
『転職サプリ』の過去記事一覧はこちら
>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/work/supplement/をクリック