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MAR/2018

もしも転職先企業が「裁量労働制」だったら? 問題点・メリットをキャリアのプロが解説

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働き方改革法案の本命といわれていた「裁量労働制の拡大」。自由度の高い働き方として注目されている一方で、残業代なしの長時間労働を助長させてしまうのではという懸念も……。

国会でも波紋を呼んだこの制度、そもそも裁量労働とはどのような働き方なのだろうか。もしも転職を検討している企業が裁量労働制を採用している場合、どんなところに気をつけたらいいの……? キャリアカウンセラーの水野順子さんに話しを聞いた。

裁量労働制とは?

裁量労働制 残業代 遅刻
「裁量労働制とは労働時間制度の1つで、労働時間を実労働時間ではなく一定の時間とみなす制度のこと。つまり、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ会社と労働者の間で労使協定に定めた時間を働いたものとみなし、その分の賃金が支払われます」(水野さん)

現状こうした働き方が適応されるのは、下記のような条件に該当する人のみだ。

「専門業務型」の業務従事する者
研究開発や情報処理システムの設計・分析、取材・編集やデザイナーなど


「企画業務型」の業務に従事する者

経営企画や事業立案など、事業運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析等を行う人

また、業務の性質上、労働時間で成果を測ることが困難な業務に従事する場合や、労働者自身に業務の遂行方法や時間配分などの裁量が委ねられている場合にのみ適用される。
※会社側と労働組合又は労働者代表との間で労使協定を締結し、これを労働基準監督署へ届け出ることが必要と
なる

つまり、管理職のように業務遂行の裁量を持たない人や、事務系職種、販売・営業系職種などに従事する人には本来、裁量労働制は適用されないことになる。

裁量労働制の適用範囲が拡大すると、どんな影響がある?

しかし今、安部政権では裁量労働制の適用範囲を「働き方改革」の一施策として進めようとしている。そのメリットとは何だろうか。

一つは、労働時間に関する自由度が高いことだ。

「出退勤時間も勤務時間も縛りがなくなるため、自由な働き方が実現できるようになるという考え方があります。また、みなし労働時間より少ない実働時間であった場合も、みなし労働時間分働いたことになるため、『時間』ではなく『成果』で働くことを求められるようになります」(水野さん)

一方、みなし労働時間より多く働いたとしても、みなし労働時間分の給与しか支払われないというのがデメリット。企業は残業代を払わずに、労働者を長時間働かせることができてしまう。現状、長時間労働が蔓延している日本社会において、「裁量労働制」だけ導入しても、“ブラック化”だけ進むのではという懸念の声が各所から上がっている。

転職を検討している企業が「裁量労働制」だったら……?

法に反するカタチで長時間労働をさせられるなど、そういった状況に陥ることがないように、「裁量労働制を採用している企業に転職する前には必ず次の2点確認すること」と水野さん。

●具体的な仕事内容と求められる成果
実際に行う仕事内容を具体的に把握し、成果の基準を確認すること。
その成果を自分が実際に出すことができるのか、じっくり考えてみましょう。

●みなし労働時間と実際の労働環境
「みなし労働時間」をどう設定しているのかは必ず確認し、その時間内で自分は成果を出せるかを考えること。人事に話を聞くだけでなく、実際に働いている人たちの労働状況を確認すること。

通常、裁量労働制を企業が採用する際は『労使協定』を結んでいることが必須。もしも問題があると感じたら、労働組合又は労働者代表に相談してみることを水野さんはオススメしてくれた。社内で相談することが難しい場合や、人事等に相談しても解決しない場合は、労働基準監督署に相談をすること。決して一人で抱え込んだりしないようにしよう。

改めて、「裁量労働制」そのものが悪、というわけではない。企業が裁量労働制を正しく活用しているか、自分の理想にマッチする働き方なのか、それが重要だ。制度をよく理解した上で、納得のいく転職先探しに活かしたい。

 キャリアカウンセラー 水野順子さん

【お話を伺った方】
キャリアカウンセラー
水野順子さん

株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com

取材・文/栗原千明(編集部)

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