香典を渡すタイミングって? 親族にかける言葉は? お葬式でのマナー一覧【マナー著者監修】
働く女性の知性が問われるのは何も社内だけではありません。急に「取引先の葬儀に出席」なんてこともあるはず。その場になって「葬儀のマナーを知らなかった」と気付いても誰も教えてくれません。
社長秘書経験が豊富でマナーに詳しい花野 蕾さんに、葬儀のマナーを教えてもらいました。
お焼香の仕方ってどうやるんだっけ?
「焼香台の手前で僧侶とご遺族に一礼、遺影に一礼して合掌。左手に数珠をかけ右手で抹香をつまみ目の高さまでもっていき香炉に落とします。お焼香の回数は宗派により異なりますが1回から3回です。宗派がわからない場合は喪主や周囲の方と同じようにすれば大丈夫です」(花野さん)。
香典を渡すタイミングっていつ?
香典は受付で芳名帳を記帳した後に、袱紗から取り出し受付の方に渡すのが手順。「『ご愁傷様でございました』と一言添えましょう。葬儀に最初から行けないことがわかっている場合は、知人に預けて渡してもらって」預かった側は自分の香典を渡したあとに「お預かりしてまいりました」と言って渡すだけでOKだそう。
「ご愁傷様でございました」という言葉は親族に対してかける言葉なので、受付が親族でなく葬儀社や職場の方が手伝っている場合は、お香典を差し出す際は、一礼して無言で差出してもOKです。
「ご愁傷様でした」に対しては何て答えるの?
確かに「ありがとうございます」って答えるのも何か違和感がありますね。「お悔やみの言葉をいただいているので、ありがとうございますと答えてももちろんよいのですが、人によってはふさわしくないと捉えることもあるので、『よくお参り下さいました。ご丁寧に恐れ入ります』と、ストレートなお礼の言葉以外を使うのがよいでしょう」(花野さん)。
足を運んでくれたことに対するお礼の気持ちを伝えましょう。
連名の香典の用意の仕方がわからない……
連名で香典を包む場合は3名までが限度だそう。「右(目上:上席者)から順に名前を書きます。職場で連名にする場合は、右「○○株式会社」左「営業部一同」(文字は社名より大きめに書く)とし、中袋に明細を書いて入れます。この際、上席者から順に書きます。和紙に筆文字で手書きするか、コピー用紙(和紙用あり)に筆文字印刷すると丁寧な印象です」(花野さん)。
お葬式に出席した際、どのタイミングで帰ればいいのかわからない……
確かに、遺族の挨拶とかってみんな最後までいるのでしょうか?「ご遺族の代表の方から出棺前に挨拶があります。挨拶が終わり霊柩車が走り出し、静かに頭を下げ合掌。出棺を見送った後に辞去します」(花野さん)。出棺を見送れない場合は焼香を終えた時点で辞去してもOK。
お通夜と告別式とお葬式って何が違うの?
最近は葬儀と告別式が同じ会場っていうのも多いですが……。「葬儀の執り行われる前夜に遺族・親近者が集まり故人との別れを惜しみ、霊を慰めるのが通夜。告別式は、葬儀を終えた遺族が生前お世話になった方々や友人・知人などの一般の参列者の弔意を受ける儀式。近年は葬儀と告別式を同じ場所ですることが多くひとつのものとみなされがちですが、葬儀とは遺族、近親者、縁故で集まり故人を偲び別れを惜しむ儀式なので本来は一般の人は出席できません」(花野さん)。
<お話を伺った方>
■花野 蕾さん
社員数50名から7000名の企業まで3社の社長秘書を務める。すでに秘書歴は2桁。2005年より配信を開始したメルマガ『社長秘書!魅惑のオフィスマナー』が出版社の目にとまり、『秘書が教えるビジネスマナー』『図解 ビジネスマナー&仕事の基本』を出版