いつでも、どこでも、どんな仕事でも“一緒に作り上げる仲間への敬意”が原動力【今月のAnother Action Starter vol.9 ダンサー/振付師・仲宗根 梨乃さん】

another action starter
仲宗根梨乃

他人の心無い批判を受け流せるのは
これまでの自分の努力に自信があるから

そういったレスポンスは、今やTwitterなどのSNSで直接届けられる時代。受け取って思わず、「こちらこそ、ありがとうございます!」と言いたくなる嬉しいメッセージもあれば、逆もまたあるのでは?

「そうそう、めんどくさいメッセージってありますよ。『○○さんのファンだからよろしく伝えて!』とか! 私もマイケルの追っかけだったから、気持ちはよく分かるんだけどね~(笑)」

そう言って、パフォーマンスの時に見せてくれた、オズの世界に住む恐ろしい魔女のようなポーズを作っておどけてみせた後、仲宗根さんはキュッと表情を引き締めた。

「悪い点を言ってもらえるのはいいことだと思います。ただ、あまりにネガティブでひどいメッセージは、気にはなるんだけれど、できるだけ受け流すようにしているんです。だって所詮は知らない人、『I don’t know them.Who are you?』です。その代わり、友だちやマネージャーさんなど、自分が尊敬する人、大切な人の意見はちゃんと聞いて受け入れ、良くしようと努力しますね」

ネット上の他人には見えるはずのない、今の自分に至る過程。それに自負があるから「あんた誰? 文句があるなら自分でやってごらん」と強い気持ちで立ち向かえる。さらに、「これまで歩んできた道は、絶対に今の自分を助けている」と断言し、ニヤリとお茶目な笑顔を見せた。

やりたいことは常に公言
必ず誰かがキャッチしてくれる

仲宗根梨乃

これからは日本での活躍の場も広げていきたいと話す仲宗根さん。「やりたいことは無限にある」と目を輝かす。

「明日のわたしがどう感じるか、わたしさえも分からないところがあるので、仕事にルールは作っていません。素晴らしいダンサーや演出家とか、いろいろな才能を持った人たちと大きなものを作り上げていきたいし、まだ出会っていない誰かとももちろん出会いたい。とにかく、どんな仕事も絶対に楽しんでやるということ。これだけは、昔も今も変わってないですね」

インタビューの最初に語った“一緒に仕事をする人への敬意”が彼女の原動力であり、“尊敬する人と一緒に何かを生み出すこと”が彼女の喜びなのだ。

「今は誰と出会いたい?」と尋ねると、「岡村隆史さんとまた何かやりたいな」とつぶやいた。実は過去に、自らファンだと公言していて、「岡村隆史さんの大ファン、いつか会いたい」といろいろなところで言っていたら、実際にお仕事で共演することができたという経験がある。

「何かをしたいと発信していたら、絶対に誰かがキャッチしてくれるんですよね。岡村さんだけでなく、今回魔女を踊ったわたしのダンスパートで一緒にパフォーマンスしてくれたTRIQSTARさんというダンスチームとの仕事もそう。以前、友だちが送ってきてくれた映像を見て、絶対にいつか一緒にやりたいと言っていたんです。今回の演出のお仕事のお話をいただいた瞬間、『Oh,my God! Perfect. 彼らしかいない!』ってすぐ思い付きました。で、声をかけたら彼らもわたしを知っていてくれて、OKしてくれたんです。だから、やりたいことを口に出すのって大事。皆さんにもおすすめです!」

もし自分がしたことのないオファーが突然降ってきたとしても、「怖くても挑戦する」と仲宗根さんは話す。

「怖いことも、楽しんでチャレンジしますね。初めて振り付けの仕事をした時も、別に振付師になろうと思っていたわけじゃないのに、突然降ってきたんです。それを受けたことが今に至るわけですから、どこでどうつながって、どう大きくなるのか分かりません。だから、少しでも興味があるのなら、怖いけれど行ってみるというのがわたしのやり方。わたしはそういうタイプなんです」

そう言ってビッグスマイルを見せてくれた仲宗根さん。これからも立ち止まることなく、大きなチャレンジを見せてくれるに違いない。

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