正社員、契約社員、派遣社員の違いは? 仕事内容やメリット・デメリットを比較

正社員、契約社員、派遣社員など雇用形態はさまざまありますが、それぞれの違いとは何でしょうか?長いキャリアの中で、自分にあった働き方を選ぶために、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。
今回は正社員、契約社員、派遣社員それぞれの仕事内容や法律上の違い、給料、待遇などメリット・デメリットを徹底比較します。

監修キャリアアドバイザー 伊藤 泰子
「type転職エージェント」のエキスパートキャリアアドバイザーとして、10年以上にわたり8,000名を超える転職希望者のキャリアサポートを行ってきた。転職活動を「客観的に自分を見つめるチャンス」と定義し、現在ではIT領域の転職希望者に対して「納得感のある転職成功」の実現に向けたキャリアプランを提案し続けている
※こちらの記事は『type女性の転職エージェント』より転載しております
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正社員とは
正社員は、就業期間の定めのない無期雇用の働き方です。本人が自ら辞めると言わないかぎり、基本的には定年までその会社に勤め続けることができます。
刑事事件を起こしたり、公序良俗に反することをした場合などは、社内規定にしたがって解雇される場合もありますが、そうした正当な理由がなければ、企業は定年まで雇う義務が生じます。
契約社員とは
契約社員は、就業期間が決められている有期雇用の働き方です。契約期間は法律による規定はなく、企業がそれぞれ独自に決めることができます。半年または、一年というケースが多く、その都度、契約更新について企業から申し渡しがなされます。
更新については、少なくとも期限の1カ月前には、企業・個人双方とも意思表示をするケースがほとんどです。ただし、これも法律で定められているわけではありません。
契約社員は景気の変動や会社の業績に合わせて人員調整ができるため、企業にとってもメリットのある雇用形態です。
派遣社員とは
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結ぶ有期雇用の働き方です。
雇用期間は、派遣会社・個人・派遣先企業それぞれの都合や事情によって柔軟に決めることができます。1カ月~3カ月と短期間のことが多く、最も多いのは3カ月。半年以上の長期に及ぶことは、意外と少ないようです。個人側が短期就業を希望するケースも増えています。
派遣先との契約期間が終了した場合も、派遣先が次の就業先を可能なかぎり探してくれるので、安心して働くことができます。

正社員、契約社員、派遣社員の違い
正社員は期間の定めのない無期雇用であるという点が、契約社員・派遣社員と大きく違う点です。契約社員・派遣社員は、雇用期間に定めのある有期雇用です。
また正社員・契約社員は、雇用される企業と直接雇用契約を結びますが、派遣社員は、派遣元である派遣会社と雇用契約を結びます。
非正規雇用である契約社員・派遣社員は、企業の業績によって契約更新されないリスクがある反面、短期間で自分のキャリアを見直したり、より良い仕事先が見つかった場合にすぐ転職できるというメリットもあります。

正社員の仕事内容、給料、メリット・デメリット
仕事内容
正社員の仕事内容、給料、メリット・デメリット
正社員は、大きな裁量を持って仕事をすることができます。組織の一員として責任ある仕事をたくさん経験し、スキルアップ、キャリアアップをしていくことが可能です。
契約社員・派遣社員は基本的にジョブチェンジが難しいですが、正社員の場合は職種や部署が変わることで、ジョブチェンジや新しい業務などさまざまな経験を積むことができます。
給料
ボーナスや業績賞与の対象になりますし、昇給のチャンスもあります。キャリア・就業年数を重ねるとともに、しっかり年収を上げていくことができます。
メリット
雇用期間の心配をすることなく、安定した働き方ができます。福利厚生や諸手当、制度をすべて活用できるので、抜群の安心感があると言えるでしょう。
デメリット
仕事の範囲が明確に決まっているわけではなく、「決められた業務からはみ出して、いろんなことに挑戦して欲しい」と期待されることも多く、組織貢献度も重視されます。場合によっては、多くの仕事を担わざるを得ないケースもあり、仕事量が増えがちな傾向にあります。
裁量が大きいということは、責任も重くなるということ。仕事上のプレッシャーは大きくなるでしょう。それをメリットに転換して働けると良いですね。

契約社員の仕事内容、給料、メリット・デメリット
仕事内容
正社員より責任は軽減されます。契約時点で仕事の範囲を決めるため、どこまでが自分の仕事かある程度明確になっています。その範囲内で、しっかり成果を出すことが求められます。
契約社員として採用される場合は、同年代の人にくらべて経験値が不足している、あるいは高い責務を負わせる前の助走期間とするケースも考えられます。企業によっては、中途採用の場合はすべて契約社員で採用し、2年目以降に正社員に登用するか検討する場合もあります。
給料
契約社員の給料は、企業によって異なります。ボーナスがなく、年俸の金額を契約期間で分割した額が毎月振り込まれることもあれば、6カ月契約でも年俸金額を7分割して、ボーナス時期に2カ月分支払うというケースもあります。あるいは、正社員と同じようにボーナスや業績給の評価対象である場合もあります。正社員と同様、会社によって異なります。
スキルが足りない場合は、正社員よりも年収が下がるケースもありますが、逆にハイスペックすぎて既存の正社員の制度に合わない専門職というケースもあります。たとえば、営業のプロフェッショナルやゲーム開発者など専門性の高い職種では、契約社員にすることで、正社員としての就業規則にとどまらない高い賃金を支払うことが可能になります。
とはいえ、このようなことは求人票や募集要項に記載されていないことが多いので、内定が出た後に確認するか、専門的な知見を持つ転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
メリット
一度契約社員で就職したらその後も変わらず契約社員でいなくてはいけない、ということはありません。その定義は企業によって異なります。
例えば3年間働いたら、全員正社員登用しますと条件が明示されている企業や、仕事ぶり次第という企業など様々です。
中には「最初から正社員で雇用すると本人への負担がかかるから、最初は契約社員で正社員レベルで実績を出せると判断したら正社員として登用したい」という考えの企業もいらっしゃいます。
よって、最初から負荷をかけすぎず、その人にあったスキルで活躍できるという点が契約社員のメリットでしょう。
なお、条件や登用実績は各企業によって異なるので、気になる方は事前に正社員登用の条件を確認しておきましょう。
デメリット
正社員より給料が下がってしまうことは考えられます。福利厚生などの制度についても、すべて利用できない場合もあります。退職金がない、あるいは金額が少ないこともあります。
有期雇用なので、雇用期限が来たら契約更新をしないと言われるケースもあることは念頭に置いておきましょう。
たとえどれだけ能力が評価されていても、景気や企業の経営状況が悪化した時は、まず契約社員から人員整理の対象となることが多いのが特徴です。リーマンショックの時は、たくさんの契約社員が更新ストップとなりました。

派遣社員の仕事内容、給料、メリット・デメリット
仕事内容
派遣会社や派遣先企業との契約で、仕事の範囲が明確に決まっています。条件の違う仕事をすることは基本的にはありません。
給料
時給換算で支払われます。その単価は仕事内容によって大きく異なります。コンサルタントをサポートするプロジェクトマネージメントや、通訳などスペシャリストであれば、時給3000~4000円になる場合も。契約外の勤務をした場合も、しっかり残業代が加算されます。
メリット
仕事の範囲が明確に決められているので、余計な仕事をする必要がありません。契約と違う仕事を振られそうになっても、派遣会社が間に入って交渉してくれるので、安心して働くことができます。
決められた仕事に対して成果を出していれば、職場とはある程度ドライな割り切った関係でいられます。希望の派遣期間を伝えられるので、短期間働いて、契約期間が終わった後に長期の旅行・留学をしたり、自分の好きなことに打ち込んだりする人も。辞めやすいため、自分のやりたいことやプライベートを重視しながら、計画的に人生設計ができるという側面もあります。
デメリット
自分の意志とは関係なく、契約が更新されない場合も大いにあるので注意が必要です。

労働契約法の改正・無期契約社員とは?
2013年4月1日に改正された労働契約法で、有期雇用の契約社員は、5年間更新し続けた場合、無期雇用化について検討しなければならなくなりました
契約社員を「無期雇用化」する場合、正社員登用以外には次の4つのパターンが考えられます。
(1)有期契約5年を超えないように、雇い止めをする
(2)子会社などグループ会社に転籍させて、新たに契約を結び直す
(3)給料や条件面、待遇はそのままに、「無期契約社員」となる
(4)エリア社員など限定正社員化する
法律で定められているのは、「有期雇用を辞めて、無期雇用にする」ということだけ。企業側の苦肉の策として、給料や福利厚生、退職金などの条件面は契約社員の時のまま無期雇用にするという「無期契約社員」にするケースが増えています。企業としてもまだ新しい法律にどのように対応したらいいか決めかねている部分があり、暫定的にこのように対応していることもあるようです。
5年間契約更新を続けた後、正式に契約社員から正社員登用するかどうかは、あくまでも企業のモラルや姿勢に委ねられている状態。契約社員経験者の多くは、5年を迎える前に自ら転職活動をはじめているようです。
何よりも、まずは正社員登用の条件や、どれぐらいの人が登用されているのかという実績をしっかり確認してみることが重要です。
まとめ
さまざまな雇用形態があると、どれが有利なのか迷ってしまいますよね。しかし、ライフイベントや自分の状況、数年先の家族の状態に合わせて、柔軟に雇用形態を選択できるとポジティブにとらえてみてください。精一杯成果を出していければ、どんな雇用形態でも確実にキャリアを積むことはできます。安心して働いて欲しいですね。
※こちらの記事は『type女性の転職エージェント』より転載しております