30代での “もう少し”の積み重ねが仕事への意欲を生んだ――迷いなく子育てと仕事の両立を決断できた理由

20代後半の女性たちがよく口にする、「30歳になっちゃう」という言葉。なぜ私たちはこんなにも30代になるのが怖いのだろう?
これからの人生について、一人であれこれ悪い想像をしてしまうから? それなら、少し先の未来を歩く先輩たちが、何に悩み、何に喜びながら30代を過ごしてきたのかを知れば少しは不安がなくなるかも。すでに30代を乗り越えた“40’sウーマン”たちが語る等身大の言葉に耳を傾けてみよう。

世間の価値観から開放された30代
外からの刺激が長く働き続けるカギになる

30代での “もう少し”の積み重ねが仕事への意欲を生んだ――迷いなく子育てと仕事の両立を決断できた理由

結婚後も10年間は自分の時間を持つ余裕があったので、平日の夜や土日はプライベートを存分に楽しみました。夫は仕事が忙しくて平日は帰りが遅いため、食事の支度を毎日する必要がなかったんです(笑)。映画に美術鑑賞、歌舞伎にコンサート……。興味があるものがあれば、どんどん出掛けて行きました。私は歴史が好きなので、セミナーや勉強会にもよく参加しましたよ。 30代になると、20代よりも興味の範囲が広がって、見たいものや行きたい場所が増えた気がします。それと、世間の価値観に縛られなくなりました。20代のころは流行っているものや皆が良いと言うものをつい追い掛けてしまいますが、30代になると、例えば絵画を見るときも「世間の評価はこっちが高いけど、私はこっちが好き」と素直に思える。自分なりの価値観が確立されて、自分が好きなものを自由に楽しめるようになるのが30代なのかもしれません。

おかげで仕事のストレスが多かった時期も、プライベートでうまく気晴らしができました。長く働き続けるなら、仕事へのモチベーションをいかに保つかが課題になります。仕事で落ち込んだり、やる気が出ないときも、外に出て色々なものを見たり、人と会ったりすると、刺激を受けてまた頑張れる。だから若い女性たちにも、自分の興味を限定せず、幅広くいろいろなものに触れてほしいと思います。

こうして30代は仕事もプライベートも全力で取り組み、40代を迎えたのですが、実はいまだにものづくりへの未練がないわけではないのです。いつかチャンスがあれば、また商品企画に関わってみたい。だからこそ今の仕事で認められたい。それがないと、次のチャンスは来ないと思っています。与えられた仕事で評価されない人間が、やりたいことをやらせてもらえるわけがない。他にやりたいことがあるなら、なおさら目の前の仕事に全力を注ぐべきです。だから私はこれからも、今の仕事で責任を果たしながら、“もう少し”を積み重ねていくつもりです。

取材・文/塚田有香 撮影/吉永和志

  1. 1
  2. 2