08 JAN/2015

30歳を目前にアメリカ留学! 仕事も子育ても自ら動けば何とかなる

20代後半の女性たちがよく口にする、「30歳になっちゃう」という言葉。なぜ私たちはこんなにも30代になるのが怖いのだろう?
これからの人生について、一人であれこれ悪い想像をしてしまうから? それなら、少し先の未来を歩く先輩たちが、何に悩み、何に喜びながら30代を過ごしてきたのかを知れば少しは不安がなくなるかも。すでに30代を乗り越えた“40’sウーマン”たちが語る等身大の言葉に耳を傾けてみよう。

やりたいことは全部やればいい! 迷いの多い30代を経た今、躊躇している女性に伝えたいこと

F5ネットワークスジャパン株式会社
マネジャー、アカウンティング&ファイナンス
原朝子さん(46歳)
大学卒業後、システム関連会社に入社。SEとして勤務した後、28歳の時に会社を退職してアメリカへ留学。MBA課程を修了、米国カリフォルニアCPA(公認会計士資格)を取得。大手会計事務所の税務部門で約5年間勤務し、その間33歳で結婚、34歳で長女を出産。2004年に帰国し、外資系企業の経理部門に就職。2009年より現職。経理マネジャーとして通常の経理業務を担当する他、社内規定の整備や内部統制管理などにも従事

28歳で会社を辞め
アメリカでの就職を目指して留学を決意

私が勤めていた会社を辞めて、アメリカのサンフランシスコに留学したのは28歳の時でした。新卒でシステム関連会社に就職し、SEとして働いていたものの、どうしても仕事内容に興味が持てなかったんです。では自分が興味を持てるのは何かと考えた時、大学で経済を学んでいたこともあり、ビジネスに直接関わる仕事がしたいと思ったのです。それに、以前から世界経済の中心であるアメリカで働いてみたい気持ちもあったので、ここで思い切って留学し、現地の大学で経営学を学んだ後、そのままアメリカで就職しようと決意しました。

もう少しで30歳というころになって自分が進みたい道を決めるのは、他の人に比べれば遅いかもしれませんが、あの時行動して本当に良かった。もし「本当にアメリカで就職できるかわからないし……」とぐずぐず迷っていたら、今の私はありませんから。もちろん思い通りにならない可能性はあるけれど、やらないで後悔するよりは、やって後悔する方がいいと思ったのです。

とはいえ、当時の私は英語が得意だったわけではないですよ。今思えば、あの語学力でよく留学する気になったなと(笑)。でも、やれば何とかなるものですね。現地で住む家を探したり、ガスや電気の手配をしたりといった手続きも、自分一人でやり遂げました。それにアメリカの大学では、事前にシラバスと呼ばれる詳細な学習計画を渡されるので、予習をすれば授業にも何とかついていける。ひたすら勉強の毎日でしたが、最大の原動力になったのは、やはり「留学したからには、絶対にアメリカで働くぞ」という強い思い。これがあったからこそ、頑張れたのだと思います。

自分から動く習慣が身に付いたアメリカ時代
予想外の結婚・出産も経験

30歳を目前にアメリカ留学! 仕事も子育ても自ら動けば何とかなる

こうしてMBA課程を修了し、サンフランシスコの小さな会計事務所でしばらく働いた後、31歳で大手会計事務所の税務部門に転職しました。日本の会社との最大の違いは、待っていても仕事は来ないこと。アメリカでは、上司に「こんな仕事をさせてほしい」と掛け合い、自分の手で仕事を取って来なくてはいけません。そして成果を出せなければ、会社を去らなくてはいけない。だから私も常に緊張感を持って働いていました。その代わり、実力さえあればやりたい仕事を選べる楽しさがあるし、仕事の進め方や時間の使い方も個人の裁量に任されている自由なところがアメリカの良さですね。それに成果を出せない人に厳しい反面、成果を出せばその分だけ返ってくるものがある。昇給や昇格はもちろん、例えば大きなプロジェクトが完了すると、上司がチームをお洒落なレストランでのご褒美ディナーに連れて行ってくれたこともありました。
プライベートでは、33歳で結婚、34歳で出産を経験しました。夫は同じ会計事務所で働いていた日本人です。20代のころは「自分は結婚しないだろう」と考えていたんですけどね。他人と生活するなんて疲れるし、私には無理だと思って。でも、主人はずっと一緒にいても大丈夫だったので、この人ならいいかなと(笑)。「一生独身なら、いつか自分で家を買わなくちゃ」なんて考えていたのに、人生は分からないものです。
ただ、私はずっとアメリカで働くつもりでしたが、夫はいずれ日本に帰りたいと考えていました。そしてちょうど育休中に、夫の決断で日本へ戻ることにしたのです。引っ越しのために荷物を運び出し、がらんとした家の中を見た時は、さすがに「全部終わってしまったんだな」と寂しい気持ちになりました。でも結論を出すまでに夫婦で何度も話し合ったし、結婚したからにはすべて自分の思い通りにいかないのが当然ですよね。だから私も最後は納得して日本に帰ってきました。それが36歳の時です。
帰国後は、外資系メーカーの経理部門に就職しました。「会社も辞めてしまったし、子どもが小さいうちは仕事を休もうかな」という気持ちもあったのですが、夫は「女性もキャリアを積むべきだ」という考えの人。転職エージェントまで紹介してくれたので、私も「これは仕事を探すしかないな」と。ただ、会計事務所はどこもハードワークが求められるので、子育てと両立するために、アメリカ時代よりも落ち着いたペースで仕事ができる職場を探しました。

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