【産育休中・復職女性&パートナーアンケート】社会からの疎外感・孤立感…女性の8割が感じている辛さとは?
「結婚・出産後も長く働きたい」というのは、もはや多くの女性が思い描く未来となりました。
一方で、出産前に想像していた産後の生活や復職後の働き方などと現実のギャップに、「こんなはずでは」と悩む女性も少なくありません。
産後の女性にはどんな変化が起こるのか、パートナーとの関係性はどう変わるのか、育休の過ごし方がその後の人生に与える影響とは……?
そこで今回、育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)が実施した、産育休中、および産育休から復職後5年以内の女性(381名)と育休中の妻を持つ男性(47名)を対象とした「育休の実態と、育休後の働き方」に関するアンケート調査結果を紹介。全3回に分けて結果を見ていきたいと思います。
第1回では、女性に聞いた「出産前と出産後の生活の変化」と「復職に対する考え」についてレポートします。
・8割の女性が出産前に想像していた生活と現実のギャップ(身体的・精神的負担、社会からの疎外感・孤立感)を感じている
・8割以上の女性が育休中に復職への不安を抱いている
・復職に不安を抱きながらも、仕事にやりがいを持ちたいと答えた女性は9割以上
・復職後に意欲(モチベーション)がダウンしてしまう理由として職場との認識のずれが考えられる
産後の女性が直面する想像以上の身体的・精神的負担と、社会からの疎外感・孤立感
約8割(77.4%)の女性が、出産前に想像していた産後や育休中の過ごし方と現実のギャップを感じていると回答しています。
具体的に「出産後の悩み」として挙げられるのは、「睡眠不足」「身体的・精神的負担」、続いて「育児の不安・忙しさ」など。一方「育休中に特に辛いと感じたこと」については、同様に「睡眠不足」が1位ですが、続いて「突然消える一人時間」「社会からの疎外感・孤立感」が挙げられています。
この回答より、育休期間においては育児中心の生活になることで思い通りに時間が使えないことや、仕事をしていた時と比べ生活が激変することで社会との断絶感・喪失感が想像以上の辛さであると多くの女性が感じていることがうかがえます。
仕事と育児の両立に強い不安
回答者の8割以上(81.6%)が育休中、復職への不安を抱えていると回答しています。
具体的な不安の上位回答を見てみると、仕事と家事育児の両立、保育園の送迎、パートナーとの分担といった日常生活に関する不安と、急な遅刻欠勤早退で職場に迷惑をかけるのではないか、時短勤務を選択するべきか、といった仕事に関する不安があることが分かります。
9割以上の女性が意欲的「仕事へのやりがい」
仕事と育児家事の両立や働き方等、復職に不安を抱きつつも、仕事にやりがいを持ちたいと9割の女性が答えています。子どもを持ちながらもほとんどの女性が仕事へのやりがいを持ちたいという意欲を持っていることが明らかになりました。
「責任ある仕事を任されない」「期待されない」職場との認識の相違でモチベーションが低下
復職後にモチベーションがダウンしてしまう原因として、1~3位には仕事と家事育児の両立の難しさが挙げられていますが、次いで「責任ある仕事が任されない」「期待されない」との回答がありました。
この回答より、職場側からの配慮がモチベーション低下を引き起こす一因になっており、就業に関する両者の認識相違が問題点として考えられます。
・約8割が出産前に想像していた生活と現実のギャップを感じており、特に育休中は育児中心の生活になることで社会からの疎外感・孤独感が特に辛いと回答している女性が多い。
・復職への不安を抱きつつも、9割の女性が仕事へやりがいを持ちたいと意欲を持っている。それでも復職後にモチベーションが下がってしまう理由として「責任ある仕事が任されない」「期待されない」という職場との認識相違が意欲低下の一因になるという問題点が考えられる。そのため、復職時には両者で就業に関する希望・認識の擦り合わせを行う機会を持つことが重要だと言える。
不安の多い産後の育休期間ですが、よりポジティブで有意義な時間にするためには、どのように過ごすのが良いのでしょうか。次回は、経験者に聞いた「育休期間の過ごし方」について見てご紹介します。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年1月27日~2月7日
調査対象:育休中、および育休より復職後5年以内の女性(育休コミュニティMIRAISのメンバー約150名を含む)と育休中の女性を妻に持つ男性(育休コミュニティMIRAISメンバーのパートナー)
有効サンプル数:女性381名、男性47名
※グラフ等に表記した数値は小数点以下などを四捨五入している箇所があり、必ずしも100%にならない場合があります