2度目の緊急事態宣言、「会社への不満」が募ったときの対処法とは? “アイ・メッセージ”を意識して

2021年が始まりました。ある調査(※1)によれば、「今年は初詣に行っていない」人が6割以上にのぼるなど、ステイホームで「いつもと違うお正月」を過ごされた人が多いようです。

2020年はコロナ禍により私たちの生活が大きく変化した一年でした。対面で人と会う機会が激減しましたし、外出の機会も少なくなりました。
働き方も例外ではありません。これまで「オフィス前提」だったものが変化し、テレワークが一般化した一年でもありました。時短営業の影響で働く時間が減ったり、収入が減ったりした方も多かったと思います。
別の調査(※2)によれば新型コロナウイルス感染拡大前と比べて4割以上の人が良くも悪くも「会社への信頼に変化があった」と回答し、会社への信頼が「上がった」人と「下がった」人がほぼ2割ずつ存在しています。

また、1月7日、東京では新型コロナウイルスの感染拡大に伴って特別措置法に基づく政府の「緊急事態宣言」が再発令され、全国へと広がりつつあります。
今回のような危機に際して、会社の対応や、上司に対して不満やストレスを抱えている人は少なくないはず。
では、そんな不満やストレスをどう周囲に伝え、改善につなげていったらいいのでしょう?
できごと」と「感じていること」を整理しよう
相手に要望を伝える上では、冷静に事実に基づいて伝えることが何よりも大切です。感情的になってしまうと、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。
まずは今、自分自身が「感じていること」と、その原因となっている「できごと」を冷静に観察してみましょう。

怒りや悲しみ、不安……そうした感情を引き起こすきっかけとなったできごとが必ずあるはずです。
「私はどうしてこんなにモヤモヤしているんだろう?」
「どうしてこんなにイライラしているんだろう?」
湧き上がってくる感情と向き合い、自分自身に問い掛けてみてください。
すると、例えば「つらい」「苦しい」といった感情の根っこにある「通常業務に加えて突発的なプロジェクトが重なっていて業務負荷が増えている」という「できごと」に行き着きます。
◆奥側にあるニーズを掘り下げよう
感情とできごとのつながりが見えてきたら、ぜひ感情の裏側にある自分が本当に求めていること(=ニーズ)を考えてみましょう。
先ほどの例ですと、「業務負荷が増えていてつらい」というできごとや感情を踏まえてのニーズは「仕事をやめたい」「働きたくない」ということでは決してなく、「サステナブルに自分らしく働き続けたい」かもしれません。

もう一つ例をあげると、「家事を手伝ってくれないからイライラする」ということの裏側には「協力してほしい」というニーズがあるのかもしれません。
本質的で普遍的な自分自身が心の奥底で願っていることは何でしょうか?
◆「リクエスト」を伝えよう
できごと、感情、そしてその裏側にある自分自身のニーズが見えてきたら、それらを会社(上司)に伝える段階です。
相手にやってほしいことを具体的に「リクエスト(お願い)」しましょう。決して相手を責めるのではなく、事実を踏まえた上で「お願い」するのがポイントです。
業務負荷が増している……という事例であれば、それによって自身が非常につらいと感じていること、自分としては「サステナブルに働きたい」というニーズがあるわけなので、どうしたらそれが実現できるか「一緒に考えてほしい」とリクエストします。
◆「アイ・メッセージ」を意識しよう
コミュニケーションスキルで大事なのが「アイ・メッセージ」です。これは文字通りアイ(I=私)を主語に話すということ。
「私は◯◯してほしい」と伝えることでお互いを尊重したやわらかい表現が可能になります。

対照的な表現が「ユー(You=あなた)」を主語にしたもの。「あなたは◯◯するべき」などと、ともすると相手を責めたり強制したりするようなニュアンスが出てしまい、相手の心理的な反発をまねきやすいものです。
相手に自分のニーズをリクエストするときも、ぜひ「アイ・メッセージ」を意識してみましょう。
◆周囲の力も借りよう&「見える化」してみよう
できごとと感情を整理したり、ニーズを掘り下げたりするにあたっては、自分だけでは明確にできない場合もあります。
家族や友人、カウンセラーなど周囲の人の助けも借りて、「なぜこんなふうに感じているのかな?」「本当はどうしてほしかったんだろう?」と話すことで整理するのも一つの方法です。
また、絵や図にしてみたり、文字で書き起こしてみたりしてもいいですね。
会社や業務に対する要望でしたら直属の上司に伝えるのが一般的ですが、上司との信頼関係に問題がある場合や、上司自体に問題がある場合は、人事担当者や先輩、隣のチームのマネジメント層など斜めの関係の人たちにどうしたらいいか相談してみましょう。
このときも感情的になるのではなく、冷静に自分の本当に求めていること(=ニーズ)に焦点をあてて話をするのがポイントです。
◆伝える環境も大切にしよう
最後に、「リクエストをどんな環境で伝えるか?」も重要です。

オフィスに出社しているのでしたら、会議室など落ち着いて話ができる静かな環境を選びたいですね。
もし、テレワーク中で対面での会話が難しい場合でも、背景に音が入らないような静かな状態を選んで1対1の話をしてみてください。
私が共同経営をしているWaris(ワリス)では、バリューの一つに「Wish(伝える)」という言葉をかかげていて、会社のメンバー同士お互いに「Wish」しあうことを大切にしています。
不満やストレスをためこむと苦しいですし、いざ伝えようと思っても一歩がなかなか踏み出せないものです。ぜひ日ごろから小まめな「Wish」を心掛けてみてはいかがでしょうか?
※1:日本トレンドリサーチ調べ
※2:リクルートマネジメントソリューションズ調べ

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和
大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事
『ニューノーマル時代のLive Your Life』の過去記事一覧はこちら
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