【剛力彩芽】未来を案じるより「ワクワクする気持ち」に素直に。“キャリアの安全圏”抜け出し掴んだ自分らしい生き方
日々の暮らしの中で、ちょっとしたチャレンジをすること。それが、Woman typeが提案する「Another Action」。今をときめく女性たちへのインタビューから、挑戦の種を見つけよう!
2020年、長年慣れ親しんだ環境を離れ、新しいキャリアのステージを歩み始めた剛力彩芽さん。2021年10月7日(木)に幕を開ける舞台『2つの「ヒ」キゲキ』では、ヒロイン役に抜擢され、ますます活躍の場を広げている。

「安定よりも、チャレンジすることを選びました」
コロナ禍の不安定な環境の中での挑戦。このチャレンジが彼女に与えたものとは何だったのだろうか。
「このままでいいのか」コロナ禍の決断
「20代半ばくらいから、自分のキャリアも生き方も、このままでいいのかな、という思いが強くなっていきました」
会社組織から一歩足を踏み出した時に、自分には何ができるのか。自分の本当の実力とは、一体どの程度のものなのか。
30代が近づくにつれて、そんな疑問を感じるようになっていったと剛力さんは明かす。
悩んだ末、28歳の時に新たなステージに進むことを選択。未来を案じるより、自分の心の内にある「ワクワクする気持ち」に素直に従って、進む道を決めたという。
20代はがむしゃらに働いてきた。その努力は決して無駄ではなかった。それは、ドラマや映画のみならず、舞台などでも活躍の幅を広げる現在の剛力さんの活躍ぶりが証明している。
そして、今まで以上に剛力さんが大切にしているのが、信頼の獲得。自分にしかできない仕事とは何か、どうしたら周囲の期待を超えられるのか、「よりいっそうシビアに考えるようになった」と話す。
それでも、働くことの「楽しさ」はキャリアを重ねるにつれて増していると笑顔を見せる。
「全部、自分で選んだことだから、楽しさが増すんでしょうね。不安定な環境かもしれないけれど、失敗しても辛くても、自分で選択したことならどんなことも前のめりで楽しんでいけるんだと思います」
2週間の「短期集中」稽古で感じた成長
今、剛力さんが取り組む最大の挑戦は、舞台『2つの「ヒ」キゲキ』のヒロイン役を演じることだ。

舞台「2つの『ヒ』キゲキ」は、女優であり、演劇ユニット・プロペラ犬を主宰する水野美紀と、東京マハロの主宰を務める矢島弘一がタッグを組む作品。悲喜劇をテーマにした2幕構成となり、1幕「パンティーアナキズム」では矢島が、2幕「テクタイト」では水野が脚本・演出を手がける
昨年末はコロナ禍の影響で、出演を予定していた舞台の海外公演が中止に。やりたい仕事が思うようにかなわない状況に、悔しい時期を過ごした。その分、今回の舞台に懸ける想いも、舞台に立てる喜びも大きい。
舞台『2つの「ヒ」キゲキ』は、女優・水野美紀さんと、ドラマ脚本で向田邦子賞も受賞している劇団東京マハロ主宰の矢島弘一さんがタッグを組んだ作品だ。
水野さんと矢島さんがそれぞれ脚本を書き下ろし、その二つの物語がリンクして一つにつながる新感覚の舞台。剛力さんは、それぞれの作品でヒロイン役を演じ分ける。
「台本を見て、絶対にやりたい! と思いました。直感的に、これは面白い舞台になるぞ、と分かったので。稽古の期間があまりなくて心配でしたが、ぜひ私にやらせてほしいと水野さん、矢島さんにお伝えしました」
通常、舞台の稽古には一カ月程度の時間をとる。しかし、今回の作品で剛力さんが稽古に参加できたのはたったの2週間。タイトなスケジュールの中で、役作りに専念した。
「いずれの役も自分自身とはかけ離れたキャラクターなので、感情をうまく表現するのは大変で。演出家、スタッフの皆さんにどんどん質問しながら、役への理解を深めていきました」
独立前は、「言われたことをやるのに必死で、質問すらできない自分が嫌でした」と明かす剛力さん。「私も少しは成長したみたい」と弾けるような笑顔を見せた。
チャレンジは、自分をもっと好きになるためのプロセス
安定を捨てても、大変な思いをしても、チャレンジを続けたいと話す剛力さん。なぜ、そこまでして挑戦にこだわるのか。
「私は、今の自分が好き。その理由は、たくさんのチャレンジを重ねたことで、自分自身について深く知ったからです。
何が好きで、得意で、どんなことなら頑張れて、何なら楽しく人の役に立てるのか。逆もまた然りで、何が嫌で、苦手で、どんな状態だとつらいと感じるのか。
自分に負荷をかけるような挑戦なくして、自分について知るのは難しいと思います」
挑戦は、自分を知り、自分のことをもっと好きになるプロセスーー。自分の人生を、自分の手で描く幸せを手にした剛力さんの輝きこそが、まさにそれを証明している。
「今、ようやく自分の人生を生き始めた実感があります。以前の私は、周囲から期待されることに応えることばかり考えていましたから。
しかも、『剛力彩芽に期待されているのは、こういう姿で、こういう行動だ』と、誰からも強制されていないのに、勝手に自分で自分を縛り付けて、あるべき姿でいようとしていた。
それって結局、うまくいかないこととか、やりたいことができないこととか、そういうときに誰かのせいにするための言い訳だったんだと思います」
人生の舵を取り始めた剛力さんは、自分の殻を破り、ありのままの自分を受け入れられるようになったと話す。等身大の自分で、思いのままに、楽しんで働く。そう決めたことで、見える世界も大きく変わっていった。
表現者としての幅を広げ、「楽しみ」を届けていきたい
「私、やっぱり表現するいう事が大好きなんです。ただお芝居をするだけじゃなく、いろいろな表現に挑戦していきたい」と剛力さん。
「まだ具体的じゃないんですけど、友達同士で『これ、めっちゃ楽しいね』って盛り上がったものをコンテンツにするとか、親しい仲間を集めて自主映画を制作しちゃうとか。ワクワクすることをどんどん自分の手でカタチにして、皆さんに届けていきたいです」
俳優業もさらに実力を磨き、表現を通して一人でも多くの人を楽しませられる存在になりたいと剛力さんは続ける。舞台『2つの「ヒ」キゲキ』では、表現者としての新たな顔を見せてくれることだろう。
かつての剛力さんのように、「自分はこのままでいいのか」と悩む女性はきっと多いはずだ。慣れ親しんだ環境を変えるのは勇気がいるし、つい現状維持を選びたくなる。
しかし、どんな選択も、それを正解にするかは自分次第。自分の心に素直になって、ワクワクする未来を選ぶ。自分の人生を自分で選んで引き受ける準備を整える。すると、剛力さんがそうだったように、ありたい自分へと近づけるはずだ。
<プロフィール>
剛力彩芽(ごうりき・あやめ)さん
1992年神奈川県生まれ。2008年~2013年雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとして活躍。 11年『大切なことはすべて君が教えてくれた』(CX)にて本格的に女優デビュー。 以後、ドラマ・映画・舞台などを中心に活動中。 フジテレビ系列『奇跡体験!アンビリーバボー 』ではメインMCも務めている。近年は、役者業を中心に活躍。
作品情報

舞台「2つの『ヒ』キゲキ」
2021年10月7日(木)~14日(木)
東京都 新国立劇場 小劇場
脚本・演出:水野美紀、矢島弘一
出演:水野美紀、和田雅成、剛力彩芽 / 富田翔、真凛、椎名鯛造、宮下貴浩 ほか
公式HP(https://2-hi-kigeki.com/)
『Another Action Starter』の過去記事一覧はこちら
>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/rolemodel/anotheraction/をクリック