14 JAN/2022

人生迷子?「やりたいこと」も「やりたい仕事」もないことに不安を感じる人へ三つの処方箋

live your life
「やりたいことがない」「やりたい仕事がない」――新しい年の始まりに目標や今年挑戦したいことを考える人は多いですよね。

一方で、「やりたいことが見つからず苦しい」といった声もよく聞きます。今日はそんなときに試してみてもらいたいことをお伝えしていきます。

「偶然の流れ」に身を任せてもいい

ノート

突然ですが、個人的には「やりたいこと」が特になくてもいいと思っています。

これまでの取材やキャリア相談の経験から言うと、夢や目標が明確で、そこから逆算してアクションを取っている人の方が少なくて、「やりたいことが分からない」人の方が圧倒的に多いと感じます。

ですから、「やりたいことがない」としても、それは決してあなただけではないし、そのこと自体を心配したり恥ずかしいと思ったりする必要はありません。

ただし、「やりたいこと」について自分自身で認識できている方が、必要としている人や情報にたどりつきやすくはなりますし、結果的に人生の満足度を高められる可能性はあります。

振り返る

例えば、私は以前フリーランスの幸福度について調査したことがある(※1)のですが、収入や働く時間の多い・少ないは個人の幸福度との間に明確な相関は見られず、むしろ幸せに働く上で影響力が大きかったのは、「今の自分がなりたかった自分かどうか」という点でした。

これは、非常に興味深い結果ですよね。「自分がどうありたいのか」というクリアなビジョンを持つことが幸せに働くカギだったのです。

キャリア論の専門家として知られる金井壽宏さん(立命館大学教授)も、著書の中で「入社社、昇進、転職など人生の節目には自分を見つめ直し将来の方向性をじっくり考える(キャリア・デザイン)ことが大事」だとおっしゃっています。

一方でこれさえすれば、「後は偶然に流される生き方も長期的にはプラスに作用する」そうです(※2)。

デザインするだけでなく、「偶然の流れに身を任せてもいい」と言ってもらえると、なんだかとっても安心しますよね。「やりたいことがない」ときがあるのも、ごく自然なことなのです。

ただ、やはり「やりたいことがないことが落ち着かない」ということであれば、以下の三つを意識して過ごしてみるのはいかがでしょうか?

1.「好きなこと」を書き出してみる

ノート

「やりたいことがない」のであれば、まずは「好きなこと」に焦点を当ててみるのはどうでしょう?「好きなこと」を書き出してみるのです。

紙とペンを用意して書き出すのもいいですし、スマホやPCにメモをとってもかまいません。ポイントはどんなに小さなことでもいいので、どんどん書き出すことです。

「映画を見る」「本を読む」「おいしいコーヒーを飲む」……「たっぷり寝る」なんていうことでもいいですね。

書き出してみたら、それを片っ端から実践してみましょう。そのための時間がないようなら、「どうしたら時間をつくることができるか?」を考えて毎日の時間の使い方を見直してみましょう。

好きなことをひたすらやることは自分の心を満たしてくれるし、そんなふうに時間を使っているうちに、ひょんなことから「やりたいこと」に出会うかもしれません。

2.立ち止まってこれまでのキャリアを振り返ってみる

集中する

未来へ向けて「やりたいこと」が見つからずモヤモヤするようなら、一度立ち止まって「過去を振り返ってみる」のもおすすめです。

私がおすすめしているのは、「ライフラインチャート」をつくることです。紙とペンさえあれば、誰でもどこでも作成できます。(もちろん、PCで作成されても構いません!)

作り方はとっても簡単です。横軸に年齢、縦軸にそのときの充実度を考えてグラフをつくっていきます。

ライフラインチャートの書き方

1.年齢を横軸、人生の満足度と充実度を縦軸に取る
2.満足度と充実度が高かった出来事、低かった出来事を年齢に沿って思い出し、数値化し、その地点に点をうつ
3.点をうったところの横に、出来事を記載しておく
4.点をつなげて、線にする(線グラフにする)
5.全体像を見渡して、高い/低いところについて、理由や共通点、その他感じた事を記載する

【留意点】
・仕事のことに限らず、「ライフイベント」で捉える
・スタート地点は好きなように。自分の転機になるような出来事があったところから書きだせばOK (生まれてから今まででも、高校卒業後から今まででもよい)
・全体像を見渡せるくらいの書き方でOK(細かく書き過ぎるときりがなくなり、迷宮入りするため)
・見出した共通点、感じた事を記載する際は、考えすぎない
・全体的に、時間をかけすぎず、思いだしたことから書いていく

会社や学校のキャリア系の研修で一度やったことがある人もいらっしゃるかもしれませんね。以下は参考までに私自身のライフラインチャートです。

ライフラインチャート

充実度が上下するポイントに着目しながら、「どんなときに上がるのか?」「どんなときに下がるのか?」――気づいたことがあれば書き出していきましょう。

自分の価値観やモチベーションが左右される点を「見える化」することで未来についても考えるヒントが得られます。「ずっと続けていること」に着目するのもいいですね。

無意識に続けていることは、自分が意識していないだけであなたの強みかもしれません。

以前にやったことがある人も、時期によって気づくことが違う場合もあるので、ピンときたらまた作成してみてはいかがでしょうか。

私自身も過去に何度も作成していますが、最近も新たな気づきがありました。

3.目の前のことに集中してみる

集中する

「やりたいことがない」のであれば、いったんは目の前の「やらなければならないこと」に集中して取り組んでみるのも一つの方法です。

日々の業務だったり、家庭の日常的なことであったり、「やらなければならないこと」は誰にでも必ずありますよね。そこにまずは静かに淡々と向き合って過ごしてみるのも貴重な時間です。

「やりたいことがない」からと言って決して焦る必要はありません。毎日を自分のペースで過ごしていきましょう。

※1)株式会社Waris「活躍フリーランスの幸せ度実態調査
※2)金井 壽宏著「働くひとのためのキャリア・デザイン」より

田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事