08 APR/2022

就職・転職で心機一転! 会社にいながら「自分らしく働く」をかなえるための三つのポイント

live your life

新年度が始まりました! このタイミングで心機一転、新しい会社に転職して働き始めた人も多いのではないでしょうか?

読者の中には新卒入社の方もいるかもしれませんね。

新しい環境で「自分らしく働きたい」「自分らしさを発揮したい」ーーそんなふうに考えている人もきっと少なくないことでしょう。

一方で「自分らしさ」は、一歩間違えると単なる「わがまま」ととられてしまう場合もありますから気をつけたいところです。

今回は周囲と上手にコミュニケーションを取りながら、組織の中で「自分らしさ」を発揮する三つのポイントをお伝えしていきます。

ポイント1:周囲&会社を知る

自分らしく働く

最初に大切にしたいのは組織の中で自分を取り巻く周囲のメンバー、そして会社自身を「知る」ことです。

「え?『自分らしく働く』上で『知る』ことが大切なの…?」とピンとこない人もいるかもしれません。

でも、自分が働く組織がどんな場所で、何を大切にしているのか知らずに「自分らしさ」を発揮するのは難しいものです。

まずは周囲を、会社をよく知り、その環境で自分のやりたいことをどう実現するか考えていきましょう。

それができないと、周囲から自分のやりたいことに対して理解や協力を得にくくなってしまいます。

例えば、あなたが配属された職場にはどんなメンバーがいて、その人たちはどんな役割で何の仕事をしているのでしょうか?

何に興味・関心があって、どんなモチベーションを持って組織の中で働いているのでしょうか?

会社についても同様です。理念やビジョン、ミッション、パーパス…など会社によって表現は異なりますが、人が一人一人違うように、会社にも会社が存在するうえでの目的・使命が各社にあります。

それをまずは深く理解してみましょう。研修などでふれる機会があるでしょうし、ホームページやSNSなどの会社が運営するメディアをチェックしたり、上司や先輩に話を聞いてみるのも手です。

また「中期経営計画」などの名前で呼ばれる、長期的な経営ビジョンを実現するために3~5年後を想定した上で会社が設定している中期の実行計画もぜひチェックしておきたいところ。会社が進むべき方向性がわかりやすく指し示されているからです。

会社や周囲の「実現したいこと」を理解したうえで、うまくまじわるように「自分が実現したいこと」を思い描くと実行にうつしていきやすいですね。

ポイント2:「自分のこと」をシェアする

皆さんは「自己開示」という言葉を聞いたことはありますか?

心理学用語の一つなのですが、文字通り「自分自身に関する情報をありのまま言葉で伝えること」を指します。
「自己開示」は組織の中で自分らしく働く上で非常に重要です。

自分らしく働く

もし「やりたいこと」「実現したいこと」があるのなら、黙っていては周囲に伝わりません。
積極的に言葉にして伝えていきましょう。

たとえば、いまあなたが営業の仕事についているとします。でも近い将来、マーケティング領域にも興味があってその仕事をやってみたいと思っているのだとしたら……ぜひ周囲に言葉にして伝えてみてください。

上司との1 on 1(一対一で行う定期的な面談)や、ちょっとした雑談タイム、ランチタイムなどの機会をとらえて自分の思いをしっかり発信していくのが大切です。

「そういうことなら、今度の新規プロジェクトに手を上げてみたら?」など具体的なチャンスを引き寄せることにつながっていきます。

自分らしく働く

「自己開示」するときは「ありのまま」がポイントですから、内容は仕事に限りません。

プライベート面も可能な範囲で共有していくことが、「働きやすさ」につながると私は思います。

例えば、「子どもがいること」「家族の介護をしていること」など日頃から共有しておくことで急な対応が必要なときに周囲の理解を得られやすい場面は多いです。

私が共同代表をしている会社では「Live My Lifeシェア」という時間があります。一人一人のメンバーがこれまでの人生の歩み、今興味があること、これからやっていきたいことを全社会議で10~15分程度でシェアするのです。

シェアされる内容はさまざまで、小中高に打ち込んだ部活の話をする人、4人いる子どもの話をする人、副業での取り組みを話す人、これから実現したいことを話す人など……本当に一人一人違うし、多様性は私たち一人一人の中にあると常に感じます。

そして聞き終わった後は、心が温かくなり、一人一人の夢や「ありたい姿」を応援したいという気持ちになります。自分自身の姿をありのままに周囲と共有することは、「自分らしく働く」近道なのですね。

ポイント3:責任を果たして信頼につなげる

最後のポイントは「責任をはたすこと」です。ちょっと固く感じますか? でもとっても大事なことです。

会社員として働く以上、会社から期待される役割というものが一人一人に必ずあります。それを理解した上でまずは「やり切る」ことですね。

そうした積み重ねが周囲との信頼関係につながりますし、「自分らしさ」を発揮する土台につながっていきます。

自分らしく働く

周囲から信頼されるようになると社内で意見を通しやすくなりますし、「◯◯さんの言うことなら実現させてあげよう」と自然と周囲が力添えしてくれます。

「自分らしさ」って自分だけでは発揮できないものなんですよね。周囲の理解や協力があって初めて、自分らしさ、私らしさが実現していきます。

「自分に期待されている役割がよく分からない」。そんなときは率直に上司や先輩にたずねてみましょう。

「私に期待されていることって何ですか?」「私が貢献できることってどんなことがありますか?」といったように。

「Give&Take」という言葉がありますが、まさにそうで、GiveとTakeはセット。Takeだけを得ようとしてもうまくいきません。

だからこそ、自分からまずは組織に会社に何をGiveできるか考えアクションすることが重要です。

いかがでしたか? 春から始まる新生活で、「自分らしさ」を大切にしながらキャリアを切り拓いていくうえでの参考にしていただければうれしいです。

田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事