21 JUN/2022

“だるふわ転職”は「終わらない→早期退職→再転職」という負のループに陥る!? 回避するための3ステップを『女の転職type』編集長が解説

5月の大型連休が明けて約1カ月。次の長期休暇まで遠いこの時期……疲れもたまり、何となく「会社に行くのがだるい」と感じてしまうと、具体的な目的を持たないまま“ふわっと”転職活動を始めてしまうことも。

しかしこの“だるふわ転職”は、転職成功率が低いだけでなく転職後も続く負のループに陥るリスクも。正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』編集長の小林佳代子が、その理由を解説する。

小林佳代子

女の転職type 編集長
小林 佳代子

大学卒業後、新卒でキャリアデザインセンターに入社。転職情報誌および転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。2018年に『女の転職type』編集長に就任。9歳と5歳、2児の母

「とにかく今の環境から抜け出したい」“だるふわ転職”に要注意

5月~6月、『女の転職type』会員の特徴として挙げられるのが、新規登録者数が多いということ。特に20代の若手層を中心に、求人への応募が活発化するという。

「5月の連休明けに転職活動を始めて、現在の会社で夏の賞与をもらってから新しい会社に転職して……と考える人は少なくありません。

また、今の時期は、4月に就職や転職、部署異動などを機に新しい環境で働き始めた人たちが疲れやストレスを感じやすいタイミング。」

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「仕事内容や人間関係、職場環境などへの一時的な不満から、『とにかく今の環境から抜け出したい』と転職活動を始める人もいます」

さらに『女の転職type』で求人検索をする際に、「業界」や「職種」などの条件を決めないまま仕事探しをする人も目立つという。

「ユーザーさんがどのように転職サイトを使っているのかデータを見てみると、『やりたい仕事』を絞り込んで探す人もいる一方で、『未経験OK』という条件だけで求人を探す人も。

どんな転職がしたいのか、どんな環境で働きたいのか。転職によって何をかなえたいのか具体的にイメージしないままふわっと転職活動を始めてしまうと、転職活動はなかなかうまく進みません」

転職軸がない“だるふわ転職”のリスク

今の仕事や職場がだるい、とにかく今の環境を変えたい……など、明確な軸がないまま“だるふわ転職”をしてしまうリスクとは、具体的に何なのだろうか。

リスク① 内定が出ず、転職活動が長期化する

「仕事選びの判断基準となる『軸』を持っていない人の場合、転職サイトの求人に際限なく応募してしまう傾向があります。

複数の企業に応募すること自体はいいことなのですが、やみくもに応募数を増やしてしまうと、選考に対する準備が不十分になり、面接にいっても志望動機や自己PRなどがうまく話せないことも。応募先に対しても勉強不足になるので、面接通過は難しくなりがちです。

結果的に、転職活動の期間が長期化していきますし、不採用通知を何度も受け取ることになり、心身ともに疲弊してしまうことにつながります」

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リスク② 入社後にミスマッチが起こり、早期退職につながる

「運よく内定を得られたとしても、“だるふわ転職”で軸なしのまま新しい会社に入社してしまうと、そこから長続きしない可能性が高いです。

なぜなら、転職でかなえたいことが定まっていないので、新しい職場に移っても、前職のときと同じ不満を抱えてしまうから。

今の職場を離れたい一心で焦って転職をした結果、『思っていたのと違った』『前の職場の方が良かった』と再び転職活動をすることになる人も多いのです」

リスク③ ジョブホッパー化でさらに転職難易度アップ

「入社して間もなく退職してしまった場合、次の仕事を探そうにも内定を得る難易度がさらに上がってしまいます。

やむを得ない事情があり退職した場合は別ですが、深く考えずにすぐ退職した人を、積極的に採用したいという会社はないでしょう。

多くの会社が、長く働いて社内でキャリアアップしてくれる人を求めていますから、短期離職を繰り返す『ジョブホッパー』は敬遠されてしまいます」

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転職軸をクリアにするための三つのステップ

では、軸のない“だるふわ”から脱却して「後悔しない転職」をかなえるためには、どうすればよいだろうか? 転職軸を明確にする方法を、小林は次の三つのステップで解説する。

ステップ1:転職後に「何をしたいのか」を明確にする

「まずは、転職を通じて実現したいことを明確にしましょう。

例えば、『年収を〇〇万円にしたい』『フルリモートで働きたい』『チームで行う仕事にしたい』など具体的な要素を書き出してみるのがおすすめです」

ステップ2:「嫌」という感情の正体を知る

「次に、どうして今の仕事や職場が嫌だと感じてしまうのか、 その要因について考えてみましょう。

職場の人間関係に悩みがあるのか、上司との相性が悪いだけなのか、もしくは仕事内容が好きになれないのか。具体的に何をストレスだと感じているのかを、明らかにしていきます」

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この、今の仕事・職場に感じている不満が何なのか具体的にならないまま転職活動をしてしまうと、せっかく環境を変えてもまた同じような環境で働くことになってしまう可能性もある。

「そうならないために、今の職場に感じているストレスについて、友人や家族など信頼のおける人に話してみるといいでしょう。

自分の気持ちを人に話してみることで、なぜモヤモヤしているのか、『嫌』という感情の正体を客観的に把握し、言語化できるようになります」

ステップ3:今の環境で問題を解決できないか考えてみる

「最後に自分自身に問い掛けてみてほしいのは、ステップ1、2でクリアになった『やりたいこと』や『改善したい環境』は、今の職場では本当にかなわないのか、ということです。

例えば、別の部署に異動したり、社内で新しい業務に取り組んでみたり。転職せずとも自分の行動を変えることで、やりたい仕事ができたり、嫌だと思う原因が解消されたりする可能性はありませんか?」

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「転職すれば全ての問題を解決することができるわけではありませんし、今の職場では感じていなかった新たな不満が生まれることもあります。何となく転職してしまって、『前の職場の方が良かった』と後悔する方も実は多いのです。

ですから、一度立ち止まって、『今いる場所で改善できることはないか』を考えてみてください。それでも転職したいと思えれば、『後悔しない転職』が実現できる状態になっているといえますね」

“だるふわ転職”ならではの負のループに陥らないために……ぜひ上記の3ステップを参考に、転職軸をクリアにするところから自分の転職活動を見直してみよう。

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取材・文・イラスト/柴田捺美(編集部)