「ダメな上司」の烙印を押されて自己変革を決意!――女性管理職が部下との信頼関係を築くためのヒント

突撃! 隣のステキ女子
ワーキングビューティ・アルバム

仕事でもプライベートでも輝いている女性をクローズアップ! 自分らしいワーク&ライフスタイルで充実した毎日を送っている女性たちから、ハッピーに生きるヒントを教えてもらっちゃおう。

「ダメな上司」の烙印を押されて自己変革を決意!――女性管理職が部下との信頼関係を築くためのヒント

ビルコム株式会社
早川くららさん

大学院在学中、ビルコムにてインターンを開始。2005年、卒業と同時に同社に正社員として入社。営業、コンサルタント、人事などを経験し、27歳で課長、30歳で部長に昇進。現在、コンサルティング部で13名の部下を率いる

今回紹介するワーキングビューティーは、企業のPRやマーケティング事業を手掛けるビルコムで働く、早川くららさん。30歳という若さで部長職に就き、仕事をバリバリこなしながらも、健康と美容を大切にしている。そんな早川さんのオン&オフを覗いてみよう!

大変な道の方が得られるものは多い
「成長」は自分が信じた道を突き進んだ先にある

編集部:大学院生のとき、インターンとして貴社で働いたことが入社のきっかけだそうですね。入社の決め手は何だったのですか?

当時は自分で会社を経営してみたいと思っていたので、当社なら経営を間近で感じられると思いました。また、大手企業で大勢の中の一人として働くよりも、創業間もないベンチャー企業に身を置いた方が、成長できるはずだと考えたんです。というのも、インターン中はずっと当社社長の太田のサポート業務を任されていたのですが、そこで太田の理想の高さを目の当たりにして。私が「これくらいでいいや」と思うことでも、太田はもっと上を目指しているんですよね。理想が高い上司と働くのは大変ですが、振り返ってみると、自分の成長を強く実感できる。それを学生時代に経験できたのは大きかったです。

編集部:創業間もないベンチャー企業への入社に、不安を感じたりはしなかったんでしょうか?

そうですね、先が見えないベンチャー企業への就職は、親や友人など、周囲の人からかなり反対されました。50人中、賛成してくれたのは1〜2人くらいの割合。でも、昔から逆境に進みたくなるタイプなんですよね(笑)。大変な道を選んだ方が、得られるものは多いはずだって。

編集部:入社して10年が経っていますね。今はどんなお仕事を?

コンサルティング部という、社内に2つある大きな組織のうちの1つで部長を任されています。13名の部下がいて、男女比は7対3、年齢は20代半ばから30代という若い世代が多いです。部下のマネジメントはもちろん、プレイングマネジャーとして営業活動も行いますし、若手メンバーのコンサルティングにも同行します。当社は、社長、役員の下が部長なので、経営にとても近い立場です。自分の部署のことだけを考えればいいわけではないので、視点が高くなり、視野も広がりましたね。

「ダメ上司」の烙印を押されたことが
部下との人間関係の築き方を見直すきっかけに

「ダメな上司」の烙印を押されて自己変革を決意!――女性管理職が部下との信頼関係を築くためのヒント

編集部:部長になってみて感じた一番のやりがいは何ですか?

メンバーの成長を実感できることですね。部長になってからは、どういうチームをつくり、どんなアサインメントをすれば皆が成長できるのかを、より考えるようになりました。結果的に、自分のチームを経てレベルアップして、リーダーや課長職に昇進しているメンバーを見ると、すごくうれしいです。仕事は生活の大半を占めるもの。だからこそ、メンバーがやりがいを持って、生き生きと働くための手伝いができるのは、どんな仕事を手掛けるよりも意義深いことだと感じます。

編集部:逆に、マネジメントの大変なところはどこですか?

人はそれぞれ違うので、一辺倒なマネジメントの仕方ではダメなんだと実感しています。学生時代からそれなりに人を束ねてきた経験があったので、リーダーシップには自信があったんです。でも、27歳で課長になってみたらマネジメントが全然できなかった。それを決定付けたのが、社内で行われた「マネジメント調査」の結果。半年に一度、当社のマネジャーを対象にメンバークラスにアンケート調査を取るものなのですが、そこでの私の評価は、「コミュニケーションが取れていない」、「仕事を任せてくれない」、「怒られる背景がよく分からない」など、とにかく散々だった(苦笑)。部下から「ダメな上司」と思われていることに気付いて、「このままじゃダメだ、変わろう」と決意。次の半年間で改善に努めました。

編集部:それはショックですね……。その後、具体的にはどのようなことをされたのですか?

ロールモデルがいなかったので、まずはマネジメントの本を10冊以上読みました。男性向けのマネジメントではなく、女性が語っている本や偉人の本をピックアップしていましたね。あとはいいとこ取りです。自分はこの人のマネジメントタイプに近いけれど、もっとあの人のこういう部分を入れた方がいいな、とか。そして、自分がいいと思ったことはすべて実践しましたね。具体的には、部下と話すときどんなに忙しくても、「どうすればいいと思う?」と、相手の考えをしっかり聞くようにしました。また、それまで自分で抱えがちだった業務も、ミッションをしっかり伝えて仕事を任せてみることに。すると、部下も気軽に相談してくれるようになり、信頼関係を築けるようになったんです。

編集部:落ち込んで終わりではなく、具体的に行動して自分を変えるという姿勢が素敵ですね! 見習いたいです。

いえいえ、今でもマネジメントは模索中です。うまくいっていると思っても、メンバーが変わればまた違うマネジメントの仕方が求められることもありますし。迷ったら本を読んだり、先輩に相談したりしています。ビルコムには、「できない理由よりもできるための手段を考えよう」という口癖があるのですが、マネジメントの壁にぶつかったときは、その言葉で自分を後押ししています。

私のマネジメントは、“自立できる人を育てる”というのが軸にあります。長いビジネス人生を考えたとき、どんな上司が上にくるか分かりませんよね。だからこそメンバーには、どんな上司・環境であっても、自分で考え、成長し、成果を出せる人になってほしいと思っているんです。今後は結婚や出産、介護などなど、ライフスタイルが変化するメンバーも増えていくと思います。どんな状況でも、皆が野心を持って働き続けられる環境をつくっていきたいです。

休日に自分をメンテナンス
全力で仕事を頑張れる“私”をつくる

編集部:忙しい毎日だと思うのですが、早川さんのリフレッシュ方法を教えてください。

帰宅したら、本や雑誌を読んだり、テレビを観たりと、仕事にまったく関係のないことをして、オンオフを意識的に切り替えています。あとは、毎日必ずお風呂につかるのが習慣ですね。落ち込んだときは、『スラムダンク』や藤原和博さんの『リクルートという奇跡』を読むのがお決まりのパターン。自分で自分のモチベーションを上げるコツをつかみました(笑)。

編集部:食事や運動で気を付けていることはありますか?

実は、入社したばかりのころ、体調を壊して微熱が続いた時期があったんです。そのときから、食事の内容とタイミングには気を付けています。3食なるべく同じ時間に食べる、21時以降は食事をしない、野菜を多く取るなど。また、忙しい仕事だからこそ、元気じゃないとできないので、週に一度はジムで1キロくらい泳ぎ、鍼灸にも通っています。体調が悪かったり、肌がボロボロだったりすると、ものすごくテンションが下がるんです。仕事を頑張れる“私”をつくるためにも、健康管理と美容は欠かせないんです。

編集部:最後に、今後の目標を教えてください。

これからは、事業の責任者として組織をつくっていきたいと考えています。ゆくゆくは、子会社やグループ会社設立時に、社長になりたいですね。


バリバリ働く“キャリアウーマン”を体現している早川さん。誰もが頼りにしたくなる“姉御肌”が印象的だ。人知れず努力し、常に会社に貢献することを考えている早川さんの、今後ますますの躍進が楽しみだ。

「ダメな上司」の烙印を押されて自己変革を決意!――女性管理職が部下との信頼関係を築くためのヒント
『ジョー マローン ロンドン』の香水は、早川さんの気分が上がるお気に入りアイテム。「何種類か持っており、毎朝その日の気分に合わせてつけています。最近は『ピオニ&ブラッシュ スエード』の香りがイチオシです」(早川さん)
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2カ月前からはまっているのが、炭酸水の『ヴィシーセレスタン』。「重炭酸塩が含まれていて、少ししょっぱいのが特徴。冷やして飲むと美味しいんです。仕事の合間にいつも飲んでいます」(早川さん)
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昨年の誕生日に、自分へのご褒美として買った『IWC Schaffhausen』の腕時計。「ブランドが全面に出ておらず、アンティークのようなデザインにひと目惚れ! 一生大切に使える時計を探していて、やっと出会えたんです」(早川さん)

取材・文/岩井愛佳 撮影/吉永和志