1カ月の休暇、どう過ごす?「ホリデーだから」が許される国の夏休み事情/週末北欧部chikaのフィンランドおしごと日記
北欧好きをこじらせたchikaさん。会社員生活を経て、ついに憧れのフィンランドで寿司職人としてのキャリアをスタート! ワークライフバランスや男女平等の先進国ともいわれるフィンランドでの、リアルなおしごと事情を紹介します
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「おいしかったのでサインください!」料理を作るだけじゃないシェフの仕事




1カ月のホリデーをかなえる仕組み
サマーコテージが選択肢にあるホリデー、憧れます〜!
フィンランド人の友達は「1カ月じゃ足りない、3カ月はほしいよ」と言っていて。
私がホリデーを取れるのは来年ですが、1カ月間の休みを経て、自分がどんな気持ちになるのか、今から楽しみです。
日本だと飲食業は長期休暇を取るのが難しいイメージがありますが、チカさんの職場のシェフの皆さんも長期のホリデーを取るんですか?
そうですね。その間の人員不足は「学生のサマージョブ」で埋め合わせされています。1カ月ほどの期間限定で10代のシェフがレストランで元気に働いて経験を積み、元気に去っていく様子がなんだか新鮮でした。
学生にとって貴重な経験ですね。ただ、意地悪な見方をすると、お客さんは学生の料理を食べることになりますよね。「同じ金額なのに……」と、不満につながりそうな気もしました。
この辺り、フィンランドの皆さんはどんな温度感なんでしょうか? やはり「ホリデーだから」で許される社会があるから寛大……?
そこはキッチンメンバーの「オールラウンダー感」がすごくて……!例えばメイン料理のシェフがお休みを取る前に、前菜部門のシェフがいつの間にかメイン料理をマスターしているんです。
だから学生は、アシスタントとして簡単な下ごしらえを担当したりしていました。
なるほど、別のシェフがお休み中のシェフの仕事を補っていると。
シェフたちが「自分の仕事の範囲を限定せずに仕事をする」ことによって、全体のクオリティーを担保しながら、しっかり休暇が取れる仕組みになっているのを感じましたね。
「属人的な業務をなくし、誰もが仕事をシェアしながら助け合える状況を目指している」と以前おっしゃっていましたが、その効果がまさに出ているのですね。
ただ、シェフの中には「忙しくて3年間夏休みをとってない」という人もいて。詳細は謎ですが、誰もが必ず休暇を取っているわけではないのだなとも思いました。
法律上、休暇を取る義務はあるんですけどね……。
ワークライフバランスの先進国ともいわれるフィンランドだけど、ミクロに見るとそういう現実もあるのですね……!

週末北欧部 chika
北欧好きをこじらせてしまった人。フィンランドが好き過ぎて12年以上通い続け、ディープな楽しみ方を味わいつくした自他ともに認めるフィンランドオタク。移住のために、会社員生活のかたわら寿司職人の修行を始め、ついに2022年春に移住。モットーは「とりあえずやってみる」。そんなこじらせライフをSNSアカウント「週末北欧部」にて発信中
Twitter:@cicasca / Instagram:cicasca
編集/天野夏海
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