AKB48・本田仁美「ドラマ『北欧こじらせ日記』が誰かの背中を押すきっかけになれば」/原作者chikaさんコメント付き
Woman typeの人気連載「フィンランドおしごと日記」のchikaさんの著書『北欧こじらせ日記』がドラマに!
フィンランド愛をこじらせた主人公・大鳥縞子を演じるのは、『AKB48』の本田仁美さん。
あふれ出るフィンランド愛と夢への挑戦をテーマにしたドラマ『北欧こじらせ日記』(10月4日スタート、毎週火曜深夜0:30〜放送、テレビ東京ほか)。本田さんに出演への思いを聞きました! chikaさんからのコメントと合わせてお届けします。
緊張と不安もありつつ、フィンランド料理を満喫
――ドラマ『北欧こじらせ日記』で主人公・縞子を演じることが決まったときの思いを聞かせてください。
本田:以前からお芝居をやってみたい気持ちはあったので、すごくうれしかったです。
世界中のファンの皆さんもすごく喜んでくださって、「原作本を取り寄せて読んでみたよ」「原作が好きだったから、好き同士が組み合わさってうれしい」といったメッセージをたくさんいただきました。
あとは家族も喜んでくれましたね。私は高校生の時にオーディションを受けて韓国での挑戦を決めたんですけど、両親に迷惑をかけた部分もあったのだろうなと思っていて。喜ぶ顔が見られて、ちょっとでも恩返しができたのかなと安心しました。
本田:ただ、人気作で原作ファンの方もたくさんいるからこそ、「皆さんに満足していただけるような演技ができるかな」という思いも少しあって。
撮影前は不安と緊張でいっぱいで、演技レッスンの先生に「撮影の日が来ないでほしいです~」って言っていたぐらいです(笑)
いざ撮影が始まってみたらあっという間で、緊張はしましたが、監督さんやスタッフの皆さん、共演者の皆さんが優しく、温かくて。おかげで最後まで楽しみながら、自分らしく演じることができました。
――撮影で印象に残ってるエピソードはありますか?
本田:ドラマでは料理を食べるシーンが多くて。その中に、世界一まずいと言われているサルミアッキというお菓子を手にざらざらと取り出して、一気に食べるシーンがありました。
それは印象的でしたね。新鮮な感情でした……。
――「世界一まずい」だなんて衝撃のキャッチコピーですね……。味はどうでしたか……?
本田:世界一まずいのかは分からないですけど、なんて表現したらいいのでしょう……。
フィンランド語の先生は、「日本人が焼肉を食べた後にガムを食べるような、口直しの感覚で食べるお菓子」とおっしゃっていて。すっきり感というのは共感できた部分でしたね。
皆さんにも人生で一度は絶対に食べてみてほしいです。
――他のフィンランド料理はいかがでしたか?
本田:フィンランド料理は全部おいしくて、ミートボールにジャムをつけて食べるのも好きだったし、シナモンロールは一生分を食べたんじゃないかってぐらい、たくさん食べました(笑)
本田:特に「シナッピ」っていうフィンランドのマスタードがめちゃめちゃおいしかったです! 歯磨き粉みたいなチューブに入っていて、見た目もかわいいんですよ。
実はドラマのソーセージはディスカウントストアで売っている普通のソーセージだったのですが、デパートのソーセージ並みにおいしくて。それはきっとシナッピのおかげだったんだろうなと思います。幸せでした……。
――北欧をこじらせた人の部屋を再現するにあたり、スタッフの皆さんがかなりこだわったそうですね。
本田:本当に隅から隅までこだわりが詰まっていますね。作品に出てくるインテリアや食器、調理器具、お洋服など、本当に北欧のものがたくさん。フィンランドや北欧ファンの方は、隠れミッキーを探すような感覚でも楽しめると思います。
本田:今回、縞子ちゃんを演じたことで、私もフィンランドの新しい魅力をたくさん知ることができました。いつか実際にフィンランドに行って、そのぬくもりを身近に感じたいですね。
台本確認の際、製作陣の方からフィンランドならではのサルミアッキの食べ方について質問いただき、念のためフィンランド人の友達に食べてもらったところ、ラムネのようにザラザラと手のひらにサルミアッキを出して一口で食べていました。
「本田さんには申し訳ないな……」と思いながらお返事したところ、まさか本当にフィンランド式の食べ方を実践されたとは……!「本気度がすごい!」と感激しました。
そして、決して「まずかった」と言わない本田さんに、サルミアッキにまで配慮する深い優しさを感じました。
何歳になっても「大好きなもので挑戦したい気持ち」は大切なもの
――本田さんと縞子ちゃんに共通点はありますか?
本田:好きなものへの熱量は似ているなと思います。私は食べることが大好きで、特にパンとチーズが好きなんですけど、食べ物の話は永遠にできます(笑)
あとは、海外での挑戦も共通点ですね。私は韓国で活動をしていたんですけど、その根底にあったのは「大好きな歌とダンスで挑戦したい」という思い。
大好きなもので挑戦したい気持ちは、縞子ちゃんと同じですね。
――縞子ちゃんは夢を追う中、落ち込んだりくじけそうになったりします。本田さんはそういうとき、どうしていますか?
本田:私は考え込んでしまうタイプなので、ネガティブになったり、「なんかもうダメなんじゃないか……」って思ったりすることもあります。
でも今までの自分を振り返ると、たとえ落ち込みながらでもコツコツ頑張ってきたことが、ちゃんと結果につながっています。それはこれまでの人生から確信できること。
だから「もうダメだ」っていうときは、先の長い未来を見据えることで「大丈夫、頑張ろう」って思えます。
あとは好きな音楽を聴いたり、涙を流したり、好きなものを食べたりして切り替えることも多いですけど、やっぱり一番はファンの皆さんからの温かいメッセージ。それがあるから頑張れるなと思います。
――夢を持つのは素敵なことだけど、「本当にかなうのかな」と不安になることもあります。本田さんはそういう恐怖心と、どうやって向き合っていますか?
本田:たとえ失敗しても絶対に無駄にはならないし、どんな挑戦であっても、その過程で得た経験の全てが自分の身になっている。
そう思っているので、「うまくいかなかったとしても、それもまた経験だ!」という気持ちで、何事も挑戦するようにしています。
このドラマは「挑戦しよう」と思える素敵な作品なので、フィンランドや北欧が好きな方はもちろん、夢を追っている方や、なかなか挑戦する勇気が出ない方にもぜひ見ていただきたいですね。
――Woman type読者にぴったりのドラマですね!
本田:私自身、好きなものへのまっすぐな思いや、とりあえずやってみるポジティブな精神を持つ縞子ちゃんを演じたことで、改めてチャレンジするのは楽しくて、大切なことなのだと思いました。
本田:原作を読んで感じたことでもありますが、原作者のchikaさんは好きなものに対してまっすぐで、芯と温もりがあって、とても素敵な方。
そんなchikaさんがモデルになっている縞子ちゃんを演じられる私は本当に幸せだなと思います。
実は主演のお話をいただいた時、chikaさんから「本田さんが世界で挑戦する姿を見て、すごく勇気をもらいました」という温かいメッセージをいただいて。この作品もまた、誰かの背中を押すきっかけになればいいなと思います。
何歳になっても挑戦は楽しくて、大切なことなんだよというメッセージを、ドラマを通してたくさんの方にお届けできたらうれしいです。
――これから本田さん自身が挑戦してみたいことはありますか?
本田:歌とダンスはもちろんですが、お芝居にもっともっと挑戦したいと改めて思いました。先輩の川栄李奈さんみたいに、どんな役にも馴染めるような演技力を養っていきたいです。
母からは「あなたは富士額だし、着物の役もできたらいいね」と言われているので、そういう役にもチャレンジしたいですね。新しい一面をお見せできるのではないかと思います。
韓国での活動を通して、私のことを知ってくださる方が世界中に増えました。今の活動拠点は日本ですけど、これからもいろいろなことに挑戦しながら、世界のファンの皆さんに発信していきたいですね。
ドラマのことを本田さんがSNSでお知らせした際、日本や韓国はもちろん、中国やアメリカなど、さまざまな国の方から祝福のコメントが寄せられていて。
「世界で挑戦した本田さんのこれまでの歩みが、国を超えてたくさんの方の心に届いているのだな」と、なんだか感動してしまいました。
好きなことに一直線で、異国の地で頑張ってきた本田さんだからこそ演じられた「縞子」が、ドラマを通じて皆さんにどう届くか、とても楽しみです。
そして、本田さんがこれから歩む挑戦の道も心から応援しています。
作品情報
『北欧こじらせ日記』著者:週末北欧部 chika(世界文化社)
「北欧好き」をこじらせた会社員が、寄り道だらけの人生で見つけた、自分だけの夢の道。それはまさかの…フィンランドで、寿司職人になること!? 移住のために、会社員生活のかたわら寿司職人の修業を開始。モットーは「とりあえずやってみる」。そんな「好き」から始まった、夢を全力で追いかけるこじらせライフをSNS(Twitter&Instagram)で発信したところ大人気に。 chikaさんをそこまで虜にする「フィンランド」の魅力とは? フィンランドとの出会いから、人の優しさ、家族、文化などのエピソードをふんだんに盛り込んだ、待望のオールカラー全編書き下ろしコミックエッセイが誕生!
AKB48・本田仁美さん主演の実写化ドラマ『北欧こじらせ日記』は、2022年10月4日スタート(毎週火曜深夜0:30ほか/テレビ東京系)。
企画・取材・文・編集/天野夏海