「会議で発言できない? それならバイブス爆アゲしてこ~♪」ギャルから学ぶ否定される恐怖の乗り越え方
突然ですが、会議できちんと発言できていますか?
上司や同僚から否定されるのを恐れるあまり、ただ座っているだけで会議が終わってしまう……。そんな悩みを抱えている人も少なくないかもしれません。何を隠そう、この文章を書いている編集者・柴田もその一人。
そこで今回、企業のブレストにギャルを派遣し、硬直しがちな会議に風穴をあけるサービス『ギャル式ブレスト』のメンバーに相談してみました。
「会議で発言する恐怖」を乗り越えるには、一体どうすればよいのでしょうか……?

そして迎えた当日……
やっほー! ぱにぱにぱにぱにともちんぱだよ〜
リリースペイシーだよ!

(左から順に)ぱにぱにぱにぱにともちんぱさん、リリースペイシーさん
会議で意見が言えません! 私は一体どうすれば?
今日は私の悩み相談のために、来てくれてありがとうございます! Woman type編集部の柴田です!
よろしく~! 下の名前は? あ、あたしのことは「ぱに」でいいよ。
(下の名前……?)えっと、なつみです。
じゃあ「なつなつ」ね! よろしく〜☆ リリのことは「リリ」って呼んでね!

(こ、これがギャル……超フレンドリーだ!)
実は私、会議で発言できないことに悩んでいて……。
お二人は『ギャル式ブレスト』で、どんな大企業の偉い人相手でも恐れずに発言していると思うのですが、「自分のアイデアや意見を否定される恐怖」をどうやって乗り越えているのでしょうか?
ん~、そもそも「否定されるのが怖い」なんて思ったことがないんだよね〜。
え! なぜですか?
だって、個人が思いつくアイデアとか意見なんて、うんちみたいなもんじゃん? それをみんなで良くしてこーってのが会議だと思ってるからさ。
初めからみんなが大賛成するアイデアなんて存在しないって割り切ってるから、どんな否定でもウェルカムなんだよね♪
なるほど……ぱにさんはどうですか?
あたしもない。そりゃ平野紫耀とか超絶好きな人に意見を否定されたらちょっと凹むかもしれないけどさ、基本は「ま、いっかー」ってくらい。“つよつよ”メンタルで生きてる。
どうやってつよつよに鍛えたのですか?
鍛えたんじゃなくて、元からつよつよだったんだよね。多分、自分の意見を否定されたときの捉え方がなつなつと違うんだと思う。

なつなつは自分の意見を否定されると「自分自身を否定されてる」って捉えちゃうんじゃない?
そうですね……。
でもさ、よく考えてみ? 否定されてるのは自分の人格とか考え方そのものじゃなくて「意見」だけでしかないんだから。
否定されることを、過剰に恐れてしまっているのでしょうか……。
どうしても「社会人として、ちゃんとみんなに受け入れられる意見を言わなきゃ!」って思っちゃうんですよね。
いやいやいや、社会人って主語デカすぎん? そこから変えていかないと。
「社会人」っていっても、いろんな人がいるじゃん。あたしも「職業:ギャル」としてやらせてもらってるけど、ジャンルで言ったら「社会人」だし(笑)

「こんな見た目だけど、ちゃんと社保(社会保険料)払ってるからね、あたし」(ぱにさん)
「社会人だからちゃんとしなきゃ!」とか「真面目なこと言って、みんなに賛成してもらわなきゃ!」って無駄にかしこまっちゃうのはもったいないよね〜。
「みんながどう思うか分かんないけど、とりま自分が思ってること言っちゃいま~す!」的なノリ、大事にしてこうよ♪
じゃあ、「ちゃんとしたこと言わなきゃ」と思い込んでいる状態から抜け出すには、どうしたらいいでしょうか?

なつなつに足りないのは、「セルフブランディング」なんだと思う!
どういう意味ですか……?
日常生活でちょっとずつ自分のキャラを売り込んで、「どんな意見を言っても許されちゃう子」になってみようよ~ってこと☆
なつなつは何か好きなものあんの?
キャラクターとか、かわいいものが好きです!
じゃあ、かわいいものが大好きな不思議ちゃんキャラを確立させてみたら?
そしたら、会議でもしブッ飛んだこと言ってスベッたとしても、周りからは「不思議ちゃんだから仕方ないよね~」って思われるだけ。
そもそも「嫌われたらどうしよう」って心配する必要もなくなるじゃん?

“つよつよ”なキャラ確立するのもいいけどさ、それが難しければ“ふわふわ”極めるのもいいと思う~!
いやまじ、ふわふわ不思議ちゃんキャラが一番厄介で最強だからね?
ふわふわ……ですか。自分のキャラを出すためには、どうすればいいでしょうか?
例えば会社のデスクにぬいぐるみ置いてさ、日頃からなつなつワールド炸裂させちゃうの!
会議のときだって、会議室をメイドカフェみたいなラブリーな装飾にしちゃってさ♪ 自分のバイブス上げるとともに、周囲の人もみ~んな、なつなつワールドに巻き込んじゃえ~!

自分から「意見を言いやすい環境」をつくっちゃおう! って考えればいいのですね。
そうそう! あとは、上司も自分らしさを出していくのが大事だと思う。
会議になった途端に人間らしさ失う人が多いっていうかさ、人と人、拳と拳がぶつかり合うような“血が通った”会議ができないな~って思うことが多いんだよね。
超分かる! リリ、『ギャル式ブレスト』で企業さんの会議に参加してよく思うんだけどさ、会議になった途端急にビジネスモードになる人多いんだよね。
みんなが「ソレハ オカネニ ナリマスカ?」みたいなAIロボットになってさ~。

AIロボの真似をしながら力説するリリさん
でもさ、そんなロボットだらけの会議じゃ、良いアイデアなんて出るわけなくない? 上司だって人間なんだからさ、お互いが好きなものとか今ハマってるものをシェアしていくべきだと思うんだよね~。
見た目がちょ~恐くてもクレープが好きだったり、意外とかわいい一面があるかもしれないじゃん☆
なるほど、ありのままの自分をさらけ出すことで、相手のありのままを知るきっかけになると。
その結果、“血が通った”会議ができるわけですね。
そうそう! お互いらぶぴ(LOVE&PEACE)な心で接することができたら、どんなアイデアであってもHUGして受け入れることができちゃうはず♪

もし私が会議できちんと意見を言えるようになったら、周りのことばかり気にしてしまうクセも良くなるでしょうか……?
うん! 意見をズバって言えるようになったら超気持ちいいし、たとえそれが採用されなかったとしても、「意見が言えた自分」のことを褒めてあげられると思う。
アカデミー賞のスピーチだって立てるかも! みたいなバイブスになって自信がつくよ。

自己肯定感がアゲになると、「私、この会社の一員として必要とされてるんだ」って実感して、仕事に対するモチベーションも爆アゲになるよね!
意見を発信できるようになったら、自分の存在価値を認めてあげられるってことですね。
あと、ちゃんと発言できるようになると、世の中のありとあらゆることに対して自分なりに考えることが超楽しくなるんだよね~。
そうなると、いろんなところにアンテナを張って情報収集するようになって、自分自身をレベルアップさせられる。

たしかに、今までは「どうせ発信できないなら、意見持つことすらいけないことなんじゃ……」って、考えることすらやめてしまっていたかもしれません。
それはもったいないよ〜! なつなつが会議で意見をじゃんじゃん言えるようになったらさ、組織全体の雰囲気も変わると思うんだよね!
もしかしたら、会議に参加している他の人もなつなつと同じ悩みを抱えていて、そんな雰囲気をブチ壊してくれるファーストペンギンを求めていたかもしれないじゃん?

「ペンギンって、何それ超かわいい~」(ぱにさん)
なつなつペンギンがたとえ超うんちレベルな意見でも発信している姿を見て、「遠慮しなくていいんだ」って周りも思ってくれるはずだよ!
そしたらみんなハッピーになれるし、じゃんじゃん面白いアイデアが出てくる会議になるよね☆

お二人の話を聞いて、次の会議ではちゃんと自分の意見を言える気がしてきました!
……けれど、どうしても直前でメンタルが落ち込んでしまったらどうすればいいでしょうか?
一瞬でメンタル最強になるのは難しかったらさ、まずは他人のよろいを借りてみるのもいいと思う。
他人のよろい?
尊敬してる人とか、「推し」を自分に“憑依”させちゃおーってこと!
リリさんはどんな人を憑依させているのですか?
リリが尊敬しているのはキム・カーダシアンさん。
彼女が出演してるドラマや映画で考え方を研究しまくって、「キム・カーダシアンだったらこういう時こうするから、私もそうしよう」みたいに、うまく自分の日常生活に取り入れていくの☆
「こうなりたい」と思う人の行動パターンやマインドを取り入れるという意味で、“憑依”なのですね。
そうそう。あたしは人前でなにか話さなきゃいけない直前に、おしゃべりキャラな芸能人を憑依させてる!

「最近はKing&Princeの平野紫耀を憑依させることが多いかも。天然キャラはまじ無敵」(ぱにさん)
なつなつも好きな芸能人とかキャラクター、会議前に憑依させてみ? きっと、恐れずにじゃんじゃん発言できると思うよ!

……とはいえ、大事な場面で緊張してしまったり、「失敗したらどうしよう」と不安に思ったりすることもありますよね?
リリはステージに立って歌う仕事もしてるんだけど、その直前はやっぱり緊張するし「歌詞間違えたらどーしよー」って不安になることもあるよ。いくらキム・カーダシアンのバイブスでいてもね。
そういう時はどうしているのですか?
そんな時は、ふと神の視点に立って考えてみるの。
「待って。たとえ自分が歌詞を間違えたとしても世界は回り続けるし、誰も死ななくない?」って。

「ライブ前に緊張するあまり、お母さんに電話で『ステージでうんち漏らしてもいいかな?』って聞いたら『いいよ』って言われたから、小さな失敗は気にしなくなった☆」(リリさん)
あたしも前にイベントでDJしたとき、いきなり電源がぶっ飛んで音楽止まったことあるよ。
でも「ぜぇ~んぶ夢で~す☆」とか言ってとりまトークで間をつないで、逆にフロア沸かしたよね(笑)
そう考えれば、失敗してもいいやって気持ちになれますし、会議が始まる前からいろいろ考えてることが馬鹿らしくすら思えてきますね。
一発勝負みたいなことってそうそうないからさ。
会議でも「もし意見を否定されたらどうしよう~死ぬ~」って考えずに、思ったことじゃんじゃん発言してこ!
明日から頑張れる気がしてきました! ありがとうございました!

取材後、「スマホを逆さに持って下から撮ると、脚長効果でマジ盛れるから」と、ギャル流の“盛れ写真”撮影レッスンがスタートした。

実際の写真。たしかに、脚がより長く見える……!
ギャルマインドで世界進出を目指し、職業「ギャル」という肩書きで幅広い界隈でマルチに活動中。ギャル式ブレスト専属CGO・TABIPPO『#ギャル旅365』企画出演、AbemaTVやAmazonプライム番組『キコキカク』エピソード12等に出演 ■Twitter/Instagram
リリースペイシーさん
バイブス赴くままに歌・ダンス・アニメーションなどマルチにクリエーションするプリプリプリンセス。2020年にアルバム『Muccha Super Too Much』リリース。2021年にはワンマンライブ『ちちんぷいぷい☆彡』を東京で開催。慶應義塾大学環境情報学部在学中 ■Twitter/Instagram
取材・文/柴田捺美(編集部) 撮影/天野夏海