30代・事務職女性が年収アップするには? キャリアアドバイザーが提案する三種類のアクション【働く女の「はじめての転職」お悩み相談室】
「どうやったら転職はうまくいく?」「私に向いている仕事って何?」はじめての転職には悩みや迷いがつきもの。長く自分らしく働き続けるための転職のコツを、キャリアアドバイザーが伝授!
毎月の給与明細を見てため息をつく……30代女性の年収ってこんなに低いのが普通なの? 年収を上げたいけど、具体的にどうすればいいか分からない――。
そんな女性の悩みに、これまで述べ1万7000人以上のキャリアカウンセリングを実施してきた株式会社キャリエーラ代表の藤井佐和子さんが答えます!
今回の相談
今の自分の年収が安すぎる気がしています。一般的に、30代だとどれくらい稼げるのでしょうか。
平均年収以上の収入を実現したいのですが、その場合にすべきことを教えてください。
・事務職の年収は300万円台が妥当
・年収を上げるには「管理職を目指す」「専門性を高める」「高年収の業界・職種に転職する」
・自分を成長させてくれる人との接点を持とう
現状キープは微増しか見込めない。年収を大幅アップする方法は?
平均年収は具体的な仕事内容や地域によって異なります。
相談者さんが都内の企業の正社員だと仮定すれば、事務職の平均年収は安く見積もって280万円、ボリュームゾーンが350~380万円といったところでしょう。
事務職は他の職種と比較して給与水準が低く、年収400万円台には乗らないことが多いのです。
年功序列制度が機能していた時代とは異なるため、長く勤めれば昇給するとも限らない。
年に5000円程度しか昇給しない会社も多く、30代前半から後半にかけての年収の上がり幅は10~20万円にとどまることも珍しくありません。
さらに、転職しても年収アップどころかむしろ下がってしまうケースも。同じ会社に勤めていれば少しずつ昇給しますが、転職するとまた一からのスタートになってしまうのです。
20代も30代も同じ業務内容であれば、企業としては給与テーブルの低い20代の方を採用したいというのが本音。事務職は人気の職種でもあるので、30代の方で高い給与水準で採用するケースは多くありません。
では、相談者さんのような30代事務職の方はどのようにして年収アップをかなえることができるのでしょうか?
ここからは、年収を上げるための具体的なアクションを三種類お伝えしますね。
【1】事務職として、管理職を目指す
今回の相談者さんは「平均年収以上」を望まれているようなので、事務職としてそれを実現するのであれば、管理職を目指すのが一番でしょう。
管理職候補として転職する選択肢もありますが、今の会社で目指す場合は、まず上司にその旨を伝えるといいですね。
いくら挑戦したい仕事やかなえたい姿を思い描いてたとしても、それを言葉にしないと周囲に伝わらないですよね。
上司や周りの方からのサポートを得るためには、自分から呼びかける事が大切です。
【2】専門性を高める
事務と一口に言っても、仕事内容はさまざま。経理のスペシャリストを目指すのもいいですし、スキルをプラスアルファするために勉強を始めるのもおすすめです。
総務と経理の仕事を全て担当できる、など業務範囲が広がれば評価が上がり、年収アップにもつながりやすいですよ。
【3】年収の水準が高い会社や職種に転職する
年収は、企業によっても水準が異なります。
一般的に日系企業よりも外資系企業の方が給与水準が高く、事務職であっても年収600万円以上が見込めるケースも。
語学力がある方は、外資系企業への転職も検討してみてもいいのではないでしょうか。
また、職種を問わず年収を上げたい場合には、思い切って他の職種にチャレンジしてみるのもいいですね。エンジニアなど、高収入が見込める職種に挑戦してはいかがでしょう。
未経験で転職する場合、初めは年収が下がることもあります。ですが、エンジニアのような専門職であれば、スキルレベルに応じて給料も上がっていきます。一時的な年収ダウンを受け入れてでも選択肢に入れるメリットはあるでしょう。
高収入を目指すなら、自分を成長させてくれる人との交流を大切に
ここまでは、事務職の平均年収をベースに「平均以上」の収入を実現する方法をお伝えしてきました。仮にそれ以上の年収を得たいという野心をお持ちであれば、もう少し努力が必要です。
最初の目標金額は、年収600万円。600万円に届けば、700万、800万、1000万円……と上げていける可能性が高くなります。
年収300〜400万円のレンジを抜け出すためには、それ相応の知識や経験が必要。そんなときにおすすめなのが、ビジネススクールです。
マーケティングやファイナンスなどの知識を身に付けられるのはもちろんのこと、いろいろな人と交流できるのがビジネススクールの最大の利点。
学びの場に集まる人たちは、エネルギッシュで仕事に対する考え方も前向きな方が多いので、自身のキャリアを設計する上で良い刺激をもらえますよ。
最近ではオンライン受講も可能なビジネススクールもありますが、私は対面での受講をおすすめします。
「とにかく知識やスキルを身に付けたい」という人にはオンライン受講が効果的ですが、人との交流は難しい。
自分の意識や視座を高めてくれる人との交流を目的にするのであれば、対面での受講がベターでしょう。
相談者さんは「平均年収以上の収入を実現したい」という向上心を持っているので、スイッチが入ればぐっと成長できるはず。
今回ご紹介した方法を、ぜひ参考にしてくださいね。
文/松田小牧
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