08 DEC/2022

女性の転職、年齢のリミットはある? 「もう転職できないかも」30代女性の不安にキャリアアドバイザーが回答

キャリアアドバイザーが回答!
働く女の「はじめての転職」お悩み相談室

「どうやったら転職はうまくいく?」「私に向いている仕事って何?」はじめての転職には悩みや迷いがつきもの。長く自分らしく働き続けるための転職のコツを、キャリアアドバイザーが伝授!

「30代以降の転職は難しい」「転職するなら若いうちに」

自分らしいキャリアを実現するための方法として「転職」が当たり前のものになった今でさえ、多くの女性が気にしがちな「年齢」という条件。

実際のところ、年齢は女性が転職する上でネックとなるのでしょうか?

藤井佐和子さん

これまで述べ1万7000人以上のキャリアカウンセリングを実施してきた株式会社キャリエーラ代表の藤井佐和子さんに相談しました!

株式会社キャリエーラ 代表取締役 藤井佐和子(ふじい・さわこ)さん

<プロフィール> 株式会社キャリエーラ 代表取締役
藤井佐和子(ふじい・さわこ)さん

大学卒業後、カメラメーカー海外営業部にて3年半従事、その後、前職インテリジェンス(現:パーソルキャリア)では、創業期の1994年から8年間派遣事業部と紹介事業部の立ち上げに携わる。2002年株式会社キャリエーラを立ち上げ、キャリアアドバイザーとして1万7000人以上のカウンセリングを行う

今回の相談

相談者
(33歳)

転職を考えているのですが、30代も半ばに差し掛かってきたので採用されないのではと不安です。女性の場合、何歳までであれば転職できますか?(33歳)

藤井さんの回答

・「●歳以上は転職できない」という年齢の上限はない
・未経験職種への転職の場合は、選考時の自己アピールでの工夫が必要

転職に年齢制限はなし。ただし30代以降は仕事への姿勢が問われるように

転職時の年齢を気にする女性は多いですが、「転職は何歳まで」という制限はありません。相談者さん(33歳)の年齢ならそれほど心配する必要はないでしょう。

確かに、ポテンシャルの観点から「できれば20代を採用したい」と考えるのはどこの会社も同じです。そうはいってもこの少子化にともなう労働人口の減少が課題となっている今、企業は慢性的な人材不足に悩まされているのが実情。

採用競争が激化する中で、本来であれば「20代まで」を想定していた枠を、「30代前半までなら」と広げることが普通になってきています。

藤井佐和子さん

ただし、採用されたからといって、求められるものは20代の若手とは異なるので注意が必要です。

30代以降の転職では、「自分事として考えるマインドセット」と、「自発的に行動してきた経験」が求められます。

20代のように「育ててもらって当たり前」と“待ちの姿勢”でいるようではだめ。周りを見渡し、積極的に動き出せるような自立心を持っているかどうかが問われるのです。

この傾向は年齢を重ねれば重ねるほど強くなり、30代後半では「リーダーシップ経験」など、さらに一歩踏み込んだ積極性が求められます。

逆に言えば、それさえ身につけていれば転職を通したキャリアアップは何歳からでも可能です。

一時的に年収が下がったとしても、いずれ管理職に昇進できる可能性は高いので、将来的には年収アップが望めるでしょう。

藤井佐和子さん

ここで実際の例をご紹介しましょう。

以前、40代前半の方が相談に来られたことがあります。仕事がうまくいかないのも、転職を考えるようになったのも「会社のせい」という思考が気に掛かりました。

詳しくお話を聞いていくと、会社の中で自分から手を挙げて行動した経験がないことが分かったのです。

そこで「今のままでは転職は難しい」「まずは今の会社で自分から手を挙げて、行動する経験を積みましょう」とアドバイスをしました。

その方は早速行動に移し、業務の効率化につながるアイデアを次々に提案。およそ半年後、その実績をアピールして見事転職に成功しました。

相談者さんはどうでしょうか。自分から行動を起こした経験はありますか?

転職活動に取り掛かる前に、一度自身の仕事への取り組みを見つめ直してみると、選考時にアピールできるポイントが見つかりますよ。

「フルタイムの若手」と比較されると不利になる現実。転職が最善策か冷静に判断を

「転職は何歳まで」という制限はないとお伝えしましたが、年齢がネックとなるケースが全くないとは言い切れないのも事実。

具体的には「小さなお子さんがいる場合」と「未経験職種に転職する場合」です。

藤井佐和子さん

まずは「小さなお子さんがいる場合」からお話ししていきます。

30代となると、育児中の方も少なくありません。育児と仕事の両立を目的に転職を検討する女性もいるでしょう。

しかし、お子さんのいないフルタイム勤務可能な若手と育児中の30代とで比較されたときに、採用されやすいのは前者であるのは事実です。

だからこそ、育児中の方には安易に「今の仕事を辞めて転職する」ことはおすすめできません。仮に、転職の理由が育児との両立なのであれば、まずは現職の上司に相談してみてはいかがでしょうか?

私のところに相談に来る方の中にも、会社に相談しないまま「子育てしながらでは期待されている業務を担えないので辞めたい」と話す女性が多いんです。

でも、育児は一生続くものではありません。「フルタイムの正社員だと時間的・業務量的に厳しい」という場合には、時短勤務や非正規雇用に一時的に切り替えたり、職種を転換したりといった選択肢もありますからね。

実際、「上司に相談したら理解してもらえました」と転職を見送ることに決めた女性もたくさんいます。転職を検討するのは、職場に相談してからでも遅くありません。

未経験転職の場合は「自身の強み」を明確化して臨もう

次に、「未経験職種に転職する場合」について説明します。

藤井佐和子さん

正直にお伝えすると、全くの未経験での転職の場合はゼロから仕事を覚えていくことになるため、若手の人が有利。

だからこそ、選考に臨む前に「自身の強み」を正しく理解しておくことが重要です。

というのも、選考では次のことを自分の言葉で語る必要があります。

・この仕事を選んだ理由
・この仕事が自分に向いていると思う理由
・自分がこの仕事で貢献できること
・将来どんなキャリアを実現したいのか

これらを語るためにまず必要となってくるのが、「自身の強み」なのです。
 
ですが、「自分の強みが分からない」「経歴に自信がない」という方はとても多い。

そんな方に向けたアドバイスとして、転職活動の一番初めに職務経歴書を作らないことをお伝えしたいと思います。

転職を決意したとき、多くの方はまず職務経歴書を作ろうとします。

しかし、応募する求人が決まっていない状態で書類だけ作ろうとしても、正しく自己アピールができません。結果、書類を作るために情報を整理しすぎて、「自分には何もない」と自信をなくしてしまうのです。

藤井佐和子さん

なので、職務経歴書を作る前に、まずはいろいろな求人情報を見てください。そして、「やりたいな」と感じた求人をすべてピックアップしましょう。職務経歴書を書くのは、その次です。

ピックアップした求人の応募条件と自分の経歴を照らし合わせて、生かせそうな経験は何かを考えていくことで、自分自身の強みが明確になっていきますよ。

やみくもに転職活動をするのではなく、自分の「やりたい」という気持ちに素直になって、その上で「その仕事で生かせる強み」と探ることが大切。難しければ、キャリアカウンセラーなどの第三者に相談してもいいでしょう。

「30代での転職」と一口に言っても、転職の理由や目指すキャリア、ライフスタイルによって難易度は異なります。

まずは自分自身のキャリアの棚卸しをして、なぜ転職したいのか、転職する上で自分の強みは何なのかを明確にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

文/松田小牧