映画『おとななじみ』（2023年5月12日公開）で、主人公のハル（井上瑞稀）と楓（久間田 琳加）が足しげく通うカフェの店長・蝶子を演じたアン ミカさん。

蝶子は、二人の恋の悩みを聞き、人生の教訓を説く“恋愛カウンセラー”的な役どころだ。

今回は、そんな蝶子を演じたアン ミカさんにWoman type読者から寄せられた「結婚」に関する悩みを相談してみた。

＞＞前回の記事：アン ミカさんに恋愛相談「友人が続々と結婚していくので孤独。自分も彼氏をつくるべき？」

＜読者からの相談＞
同棲中の彼との結婚、決めちゃった方がいいのかな……？

私が一目ぼれして告白した男性と2年付き合っています。

同棲もしているけど、彼がプロポーズしてくれる気配はないし、仮に結婚することになっても、この人で本当にいいのか不安もあるけど、これからまた新しい彼氏を見つけて……って思うとそれも面倒。

友達が結婚していくので、自分もここで決めちゃった方がいいのかなと焦ります。

＜アン ミカさんの回答＞
妥協は禁物。結婚はお互いを「幸せにし合う」ものです

私ね、いつもこの手の相談にはちょっと厳しめのことを言ってしまうんですよ。

でも、結婚のことを誤解してほしくないから、許してくださいね。

20代女性の中には、結婚に対して「幸せで甘い」イメージを持っている方が多いと思うんです。

結婚したら相手が自分をすごく大切にしてくれて、幸せにしてくれるはずだ……というように。

でもね、結婚って大変な側面もあるんですよ。

全く違う環境で育って、全く違う価値観を持った二人が、籍を入れて一緒に生活を営んでいくんですから。

譲り合うことも必要だし、一緒に生きていくために信頼関係を築いていくことも必要です。

結婚というのは「すれば幸せ」なものではなくて、お互いがお互いを「幸せにしていく」作業だと思っています。

例えば、結婚した相手がいきなり重病を患って入院してしまう可能性や勤めていた会社が倒産していきなり無収入になってしまうことだってあるかもしれません。

それでもBさんは、その人と一緒にいて、見返りなく尽くし切れますか？ それどころか、その状況にいる相手に笑顔になってもらうために、自分が頑張る覚悟はありますか？

そう考えたときに、どうでしょう。「彼とずっと一緒に居るためなら頑張れる」のか「それなら無理だな」と思うのか。

後者なのに結婚しようとしているのであれば、それは妥協なのかもしれません。

一方、Bさんの気持ちが前者で、それでも相手がプロポーズをしてくれない状況にもやもやしているなら、一度思い切ってズバッと聞いてみるといいと思います。

「私はあなたといつか結婚したいと思っているし、あなたもそのつもりならこれからも一緒に住もうと思っているんだけど、どう？」という感じで。

ポイントは、たった一度だけ、それも真剣にズバッと聞くこと。

ずるずると何度も「結婚する気あるの？」「どう思っているの？」と聞き続けると、相手にとって「重い女」になってしまいます。

ですが、「一回だけ聞くね」と回答期限を持ってスパッっと聞けば、相手も真剣になりやすいからです。

「約束の期間までに回答してくれなかったから、あなたとは別れるね」とはっきり伝えれば、煮え切らなかった相手も「え、待って……！」と結婚する意志が固まることもあります。

逆に、ズバッと聞いて相手の態度がよそよそしくなってしまうなら、Bさんとの同棲がただ楽で、結婚する気もないのにずるずる一緒に居るだけかもしれません。

Bさんに結婚したい気持ちがあるなら、その気がない人とモヤモヤしながら一緒に居るのはちょっともったいないかもしれませんね。

また、彼が「結婚はしたいけれど、今すぐしたいとは思えない」なら、その理由を聞いてあげるといいでしょう。

「一人前になったらプロポーズしよう」と思いながら、いつまでたっても「一人前になるときなんてこない」なんていう状態の男性も結構いますしね。

彼も結婚に不安を感じていることがあるかもしれないので、そういうことはぜひ二人で話し合ってみてください。不安解消の糸口が見つかって、二人で前に進めるかもしれません。

いずれにしても、Bさんには「妥協」という言葉が浮かばないような「幸せにしたい人」と結婚してほしいし、彼がその相手だと思うならば、思い切って自分の気持ちを打ち明けて、彼の気持ちにも耳を傾けてみてほしい。そう思います。

作品情報

取材・文／栗原千明（編集部）　撮影／渡辺 美知子

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