05 OCT/2023

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

業務範囲を広げたり、キャリアアップをしたりするために勉強をする。そうやって仕事のために努力をしている人はたくさんいます。

では、仕事以外の場面で、自分の興味や好きなことを掘り下げる学びをしている人はどのくらいいるのでしょう?

「プライベートの大人の学び」をテーマに、20~30代の働く女性へアンケートを実施しました。

Q.1. 仕事に直結しないスキルや知識を得ることに興味はありますか?

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

仕事に直結しないスキルや知識を得ることに興味があるかを聞くと、60%の人が「ある」と回答。半数以上の人が仕事とは関係ないところで、何かしら学びを得たいと思っていることが分かりました。

ところが、実際にそういったスキルや経験を得るためにしていることを尋ねると、「ある」と答えたのはわずか31%

Q.2.仕事に直結しないスキルや知識を得るために、していることはありますか?

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

現実には仕事や家事など、日々の生活をこなすのに手一杯な人が多いのかもしれません。

では、「ある」と回答した人たちはどのように学習をしているのでしょうか?

Q.3. どのように学ぶことが多いですか?

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

※Q.2で「ある」を選択した人のみ回答。三つまで選択可

1位は「本や雑誌などを読む」(68%)。まとまった情報を得られる王道とも言える方法です。特定の何かについて理解を深めようと思ったときに、書店へ行ったり、ネットで書籍を探したりしたことがある人は多いでしょう。

2位は「YouTubeなどの動画を見る」(55%)。場所を選ばず、映像を見ながら解説を聞くことができる動画コンテンツにも多数の支持が集まりました。

3位は「スクールなどに通う」(26%)。同じくお金を払って教えてもらう「有料のオンライン講座を受ける」がわずか6%だったことを考えると、「習うからには対面で」という感覚は強いのかもしれません。

4位は「音声コンテンツを聴く」(16%)。こちらも場所を選ばず、歩いたり料理や掃除をしたりと、何か別のことをしながら聴くことができる点で気軽に日常に取り入れられる学習方法と言えそうです。

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

せっかくなので、各ジャンルのおすすめのコンテンツも教えてもらいました。働く女性たちが具体的にはどのようなことを学んでいるのか、見ていきましょう。

読み物

「書籍『日本服飾史 女性編』。洋服の歴史を論じた本で、現代の服装との違いを理解することができ面白かった」(30〜34歳/事務・経理・人事系)

「動物が好きで、関連書籍や記事をよく読みあさっています。人間関係のしがらみなどを忘れられて楽しいです」(25〜29歳/事務・経理・人事系)

「いろいろな資格を取るのが好きだが、特におすすめなのが世界遺産検定の問題集を見ること。その遺産について学び、その後Googleマップでその世界遺産に行く」(25〜29歳/事務・経理・人事系)

動画

「ゲームの解説動画。話上手な人が多いので、話の抑揚や話題の選び方、コンテンツの説明の仕方などがとても分かりやすい。モチーフにされているものを歴史や宗教などから特定するなど、考察が深くて感動する」(30〜34歳/コンサルタント・専門職系)

「『わたし、銀座の女』というYouTubeチャンネル。銀座で有名な菜々江ママのクラブの密着動画で、顧客に対する気配りや従業員への指導など、伝え方や考え方が勉強になる」(35〜39歳/その他)

「両学長のYouTubeでお金の勉強をしています。分かりやすく、素人でもできることが多々あります」(25〜29歳/介護・医療・福祉系)

スクール

「生け花スクールに通っています。四季折々の花をめでる楽しみがあり、しかもその花を使って自分なりの表現を具現化できるのが楽しいです」(35〜39歳/事務・経理・人事系)

音声コンテンツ

「オーディオブックというアプリで本を聞き流している。忙しくても合間で読書ができる」(30〜34歳/事務・経理・人事系)

「ポッドキャストの『超相対性理論』という番組。ビジネスに精通したMCが哲学や歴史、言語学など幅広い分野の知見をもとに身近なテーマについて具体化と抽象化を繰り返してディスカッションするので、教養が身に付いた気になって面白い。突然感情論で飛躍することもあり、予測不能な方向に発展していくので飽きずに最後まで聴いてしまう」(25〜29歳/その他)

「『英語で雑談!Kevin's English Room Podcast』というポッドキャスト番組。2人の男性が登場するが、それぞれ出身地が日本とアメリカでネーティブの英語と日本語で面白おかしく説明してくれる。文化の違いなども教えてくれるため飽きずに聴いている」(35〜39歳/個人事業主)

その他

「手話を学んでいます。福祉のイメージが強いと思いますが、私は言語学としての面白さを感じています。実際に耳の聞こえない方と手話で語り合う時間は楽しいですし、スムーズに話せれば話せるほど自分の学習意義も感じます」(30〜34歳/事務・経理・人事系)

仕事に直結しないスキルや知識から得られるものとは?

働く女性の「プライベートの学び」を調査! 好奇心のまま得たスキルや知識がもたらすものとは?

こうした仕事に直結しないスキルや知識を得ることで、女性たちはどのようなメリットを感じているのでしょうか。

私、できる!

「趣味で英語を勉強していますが、駅などで外国人から質問をされても答えられるようになりました。感謝されることも多く、うれしいです」(20〜24歳/エンジニア系)

「テレビでクイズ番組を見ていて、分かる問題が増えると自己肯定感が上がる」(25〜29歳/企画・マーケティング系)

好きなものがより楽しくなった

「ゲームのモチーフになった歴史などを調べれば、イベントやキャラクターについての考察がより深まり、『このキャラクターはきっとこう感じたに違いない』と楽しめるようになった」(30〜34歳/コンサルタント・専門職系)

結果、仕事に役立った

「ふとした会話のタネになり、そこから同じ趣味の人に出会ったり、取引先の人と話が弾み契約締結にまで至ったりした」(25〜29歳/事務・経理・人事系)

「手話通訳について学習中ですが、言いたいことを頭で要約し、日本語と手話それぞれに翻訳するので、要約力や察する能力が鍛えられ、職場でのコミュニケーションでも役立っていると感じます」(30〜34歳/事務・経理・人事系)

「心理学に興味があり、いろいろ勉強した結果、患者さんとのコミュニケーションが円滑になった。それ以来、人付き合いが少し楽になった気がする」(25〜29歳/介護・医療・福祉系)

新たな収入源に!

「趣味で習っていたダンスが副収入になった」(35〜39歳/クリエーティブ系)

「副業でネイルアートができるようになりました」(35〜39歳/事務・経理・人事系)

お金の心配からの解放

「金銭的な不安から転職することをちゅうちょしていたが、ライフプランを自分で立てられるようになり、資産運用の知識が身に付いたため、自分のやりがいのために転職する決断ができた」(30〜34歳/事務・経理・人事系)

「お金の勉強をきっかけに積み立てNISAをはじめ、投資でお金を稼ぐという体験を初めてしました。今まで契約していた無駄な保険なども解約し、固定費を削減できて貯金もしっかりできるようになり、精神的に安心感が持てるように」(25〜29歳/介護・医療・福祉系)

仕事から距離を置くきっかけに

「歴史を勉強することで現実逃避ができて、癒やしになっている」(30〜34歳/事務・経理・人事系)

「生け花は定期的に展覧会もあるため、作品作りに夢中になって頭の中を空っぽにできます。仕事以外に夢中になれることがあるのは大きなメリットです」(35〜39歳/事務・経理・人事系)

「着付け教室に通っているが、会社とは全く関係のない人たちと知り合うことができ、気分転換になる」(35〜39歳/事務・経理・人事系)

「仕事で失敗したとき、別の視座から俯瞰できるようになり、必要以上に落ち込まくなった」(35〜39歳/コンサルタント・専門職系)

何かに役立てようと思って始めた勉強はもちろん、「これを学んでみたい!」という好奇心のまま得た新たなスキルや知識は、思わぬところで仕事に生きたり、生きるのを楽にしてくれたり、新たな楽しみを見つけるきっかけになったりと、自分を豊かにしてくれる。

働く女性たちの声からは、そんなことが感じられます。

人生100年時代と言われる今、新しいことを学び、新しいスキルを身に付け、新しい仕事をするリスキリングが注目されていますが、こうした学ぶ習慣は、キャリアでの学び直しが必要な場面でも生きてきそうです。

過ごしやすい秋は、何かを学ぶのに良い季節。忙しい日々の合間に、「面白そう」「やってみたい」という自身の声にしたがう時間をつくってみてはいかがでしょうか。

【調査概要】
●調査方法:20~39歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークス)
●調査期間:2023年9月11日~2023年9月25日
●有効回答者数:100名

文/天野夏海