4人の舞台人が語る、失敗を恐れずにチャレンジする思考法【葵わかな 柿澤勇人 有澤樟太郎 天真みちる】

ハラハラ 被害

仕事でもプライベートでも、新しいことへの挑戦は、ワクワクしつつも不安はつきものだ。

「チャレンジしても失敗してしまうかもしれない……」そんな不安を恐れずに、前に進むにはどうしたらいいのか。

今回は、「舞台」というライブ空間での緊張感と戦ってきた舞台人4人の、「失敗を恐れずにチャレンジする」ための気持ちの切り替え方をご紹介。

一歩踏み出せずに迷っている、あなたの背中をそっと押してくれるはず。

葵わかなさん「失敗から得られることは大きい」

葵わかなさん

2017年、NHK連続テレビ小説「わろてんか」のヒロイン・藤岡てんを演じ、お茶の間の人気者となった葵わかなさん。

葵さんの初舞台は2019年。その後はコンスタントに話題作に出演し、舞台俳優としても活躍の幅を広げている。

新しいことへの挑戦には不安もあると言うが、その不安すら楽しんでいる様子。葵さんが前向きにチャレンジし続けられるのはなぜなのだろう。

葵さん

舞台と同時にナレーションの仕事もやらせていただけるようになったのですが、まったく知らない世界で1年生としていられるなんて、大人になってからはなかなかないことなので、それもいいなって

成功を目指していかないといけないとは思いますが、失敗からも、成功からも、得られることは本当に大きいですから。

葵さん

不安や葛藤が大きい分、見たことのない景色を見せてもらえるし、新しい場所に足を踏み入れなければ、感じることのできない気持ちを味わえる。誰でもそうですが、新しいことへの挑戦は、自分にとってものすごい価値があるんです

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柿澤勇人さん「自分ができることを一生懸命に」

柿澤勇人さんカメラ目線

劇団四季で役者人生をスタートし、退団後は舞台をはじめ、ドラマ、映画などの映像作品にも活動の幅を広げている柿澤勇人さん。

舞台上からの圧倒的なエネルギーで多くの観客を魅了し続けているが、主演を務めることが多くなったことで求められるもののハードルが上がり、「つらい」と思うことも。

それでも、「自分ができることを」と前を向ける理由とは。

柿澤さん

最近は主演をやらせていただいて、立場は座長かもしれませんが、これまでご一緒させていただいた先輩方が引っ張る力のある座長ばかりだったので、同じやり方は僕には無理だなと。

だったら自分ができることをと。とにかく役と芝居のことを考えて、一生懸命な姿を見せることが、僕の座長としてのあり方。言葉で言うよりも、恥ずかしい姿も特異な姿も全部稽古場でさらけ出すしかないんです。

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有澤樟太郎さん「ダメなところを全部見せる」

有澤樟太郎さん

19歳で俳優デビュー後、ミュージカル『刀剣乱舞』などの人気作品で頭角を現し、舞台『キングダム』や、ミュージカル『のだめカンタービレ』『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』などの大作で、次々と重要な役を任されている有澤樟太郎さん。

どんな大作に挑むときでも、「仕事は、ひとりでするものじゃない」という信条を持って挑み、プレッシャーさえもプラスに変えていく。

どんなときでもポジティブ転換できる有澤さんのマインドセットとは?

有澤さん

周りの人に、自分の弱いところを思い切り見せる

プレッシャーを感じるのって、結局は失敗したくないとか、カッコ悪いところを見せたくないとか、そういう自分のプライドが作用していることが多いと思うんですね。

有澤さん:だから、どう見られたいという欲は捨てて、早めに自分のダメなところを全部見せてしまう。
そしたらもう不安に感じることなんてないですから。

恥をかくこと、失敗することが、プレッシャーを取っ払う一番の方法だと思います。

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天真みちるさん「“できないこと”も自分らしさ」

天真みちるさん

難関をくぐりぬけ、宝塚音楽学校に入学。その後、宝塚歌劇団で「おじさん役」として活躍した、元タカラジェンヌの天真みちるさん。

退団後、約1年間の会社員生活を経て独立し、現在は、俳優の他、脚本や演出、MCなど、エンターテイナーとして幅広く活躍。そして、2024年8月には一児のママに。

宝塚トップスターを目指す道に乗れず、「自分だけの道」を切り開いてきた天真さん。好奇心と自身の感覚を頼りに独自の道を進めたきっかけは、「できないこと」にあった。

天真さん

私の場合、「これはできないな」と思うことが、結果的に自分らしさにつながっていったことに最近気付きました。

つまずいた時こそ、自分らしさを知るきっかけになるというか。「私は絶対にトップにはなれない」と思ったことがまさにそう。

トップになるための努力が足りないことは分かっていたけど、私にはその努力がどうしてもできなかったんです。みんなが当たり前のように進んでいく道は、私にとっては自分を押し殺さないと行けない道だった

それでも宝塚には残りたかったから、じゃあどうする? って考えた結果、面白いと思ってもらえたら残れるんじゃないかって。だから、おじさん役は最初、苦肉の策だったんです。

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文/Woman type編集部