FP1級・サバンナ八木に「28歳女性が最低限すべきお金の準備」を聞いたら意外な答えが返ってきた

Woman type13周年特集
28歳、これからの私。

もうすぐ30歳──「素敵な大人」になるために、28歳の今からやっておきたいことって何? サイトオープン13周年を迎えたWoman typeが、「なりたい自分」になるための“28歳のこれから”を一緒に考えます

サバンナ・八木真澄さん

もうすぐ30歳。そろそろお金のこともちゃんと考えなきゃ、と思っても、何をしたらいいのか分からない人も多いかもしれない。

ネットを見たらいろんな情報があふれかえってるし、いちから勉強するのも大変だし……。

ということで、「最低限今やっておくべきお金の準備を知りたい!」という28歳女性のお悩みを、お笑いコンビのサバンナ・八木真澄さんにぶつけてみた。

なぜサバンナ八木さん!? と思った人もいるかもしれないが、実は彼、先日FP1級の資格を取得したお金のプロフェッショナル

FP1級合格ホヤホヤの八木さんなら、お金の知識に自信がない女性でも分かりやすく、なおかつ楽しくレクチャーしてくれるはず……。

早速、聞いていこう!

【質問する人】

Aさん

Aさん

・28歳
・女性
・年収420万円
・中小企業の会社員
・職業:営業
・仕事へのモチベーション:やや高め(結婚しても正社員で働き続けたい)
・都内一人暮らし
・実家は遠方
・家賃:7万8000円
・貯金:30万円
・結婚:独身(いずれは結婚したい。今予定はなし)
・子ども:いずれ欲しい(今予定はなし)

【回答する人】

サバンナ・八木真澄さんプロフィール写真

サバンナ
八木真澄さん

1974年生まれ。京都府出身。立命館大学産業社会学部卒業。94年に学生時代の後輩・高橋茂雄とお笑いコンビ・サバンナを結成。「ブラジルの人聞こえますか~!」など、1000個以上のギャグを持ち、柔道2段、極真カラテ初段の筋肉芸人としても活動するなど、テレビや営業で活動中。2012年に結婚し、2児の父となる。長年日記やイラストなどを書き留めており、著書に『まだ見ぬ君へ』(幻冬舎よしもと文庫)、『未確認生物図鑑』(ヨシモトブックス)などがある。23年に、2級ファイナンシャル・プランニング技能士とアフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を取得。24年10月にはFP1級に合格 ■XInstagramTikTok

 

投資、節税、保険、貯金……最低限何やっておけばいい?

Aさん

八木さん、今日はお金のこと、いろいろ教えてください!

八木さん

はーい! よろしくお願いします!

Aさん

将来のことを考えると、今のうちに何かしらお金の準備をしておいた方がいいんだろうなと思うんですけど、何をしたらいいのかよく分からなくて。

「今、最低限何をしておけばいいのか」教えてほしいです。

八木さん

ふむふむ……。なるほど!

Aさん

新NISAとかiDeCoとかよく耳にするんですけど、やっぱり20代のうちから投資はしておいた方がいいんでしょうか?

八木さん

Aさんの生活状況を考えると、無理に投資にこだわらず、今の生活を大事にするのもええかもしれません。

Aさん

え……!

八木さん

Aさんは年収420万円とのことなので、賞与を含めて計算すると、月の手取りは20万円くらいになりますよね。

そこから、家賃7万8000円や光熱費、携帯代、食費などの生活費を引くと、あまり余裕はないんじゃないでしょうか?

Aさん

おっしゃる通りです……。

八木さん

となると、多分投資にまわせるとしても月1万円くらいなんですよ。

Aさん

月1万円投資にまわすと、どのくらいになるんですかね?

八木さん

年12万円だから、利回りのMAXって言われてる7%得られるとしても、年間8400円しか増えないですね。

頑張って切り詰めて年間8400円しか増えないんだったら、今を充実させる方に使った方がええんちゃうかなと思いますね。あくまで僕の価値観では、ですが。

僕だったらそのお金で『エニタイムフィットネス』に行きますね。

サバンナ・八木真澄さん

エニタイムフィットネスの魅力を熱く語る八木さん

Aさん

じゃあ、節税で言うとどうですか?

八木さん

28歳会社員なら、ふるさと納税(※1)と医療費控除(※2)はやってみてもいいかもしれないですね。インプラントとか高いからね。

(※1)本来は自分の住まいがある自治体に納税する税金を、任意で選択した自治体に寄付することで、税金の還付・控除が受けられる仕組み
(※2)本人や家族のために医療費を支払った場合に受けられる所得控除
Aさん

医療費控除はインプラントも対象なんですね。

ふるさと納税はやっぱりやっておいた方がいいんですか? なんとなくお得らしいってことは知っているのですが……。

八木さん

住民税と所得税が下がるから、やっておいてもいいんやない? くらいですかね。

年収420万円やったら、ふるさと納税4万円くらいですかね、やるとしたら。

Aさん

意外とやること少ないですね……。あ、保険はどうですか?

30歳になる前に入っておいた方がいい保険とかありますか?

八木さん

28歳で独身なら、医療保険に加入しておくと安心ですけど、毎月の支払いが大変であれば、最低限ガン保険だけでも入っておくと良いと思います。

Aさん

なるほど。ちなみに、貯金はどうですか? いくらくらいあればいいですかね?

八木さん

貯金はもちろんできるに越したことありませんけど、28歳の今しかできないことって多いと思うんで、若いうちに自己投資するのもええかもしれませんね

ちなみに、僕がその頃は貯金20万円ぐらいでしたね。

28歳と50歳、同じ30万円でも価値は違う

Aさん

思ったよりやった方がいいことがなくて、正直拍子抜けしました。

もうすぐ30代になるし、そろそろ投資したり保険に入ったりした方がいいのかなと思ったんですけど……。

八木さん

日本の会社の社会保険はすっごい手厚いんです。会社員なら社会保険である程度カバーされてるから、そんなに心配しなくて大丈夫やと思いますよ。

それよりも、固定費を下げて今の生活を充実させることとか、未来の自分の価値を高めることをやった方がいいと僕は思いますね。

Aさんも、僕と同じように『エニタイムフィットネス』に通ったり、勉強を趣味にしたりしてみるのも楽しいかもしれませんよ!

Aさん

それはなぜでしょう?

八木さん

投資にまわすのと同じくらいのお金で楽しみ放題ですからね! 勉強は参考書さえ買っちゃえばあとはお金かからないですし。

そんでもって、何でもいいのでAさんの興味のある分野で、将来の稼ぐ力につながる知識を身に付けるのはどうでしょう?

Aさん

お金の運用を考えるよりも、そもそも収入を増やす力を今のうちに身に付けておく方がよいと。

八木さん

僕はその方が、結果的に将来への投資になると思います。

Aさん

稼ぐ力を身に付けることと、今の生活を充実させることにお金と時間を使うといいということですね。

八木さん

そうです。Aさんはね、28歳という若さが最大の価値なんですよ。

Aさん

というと?

八木さん

僕今50歳なんですけど、28歳が持つ30万円と、50歳が持つ30万円は価値が違うんですよね。

Aさん

私、ちょうど今貯金が30万円くらいあります。

八木さん

そう、「28歳の時点で30万円持っている」ということがデカいんですよ!

Aさん

というと?

八木さん

28歳が持つ30万円は、50歳までに何倍にも膨らむ可能性がありますよね。

一方、50歳が持つ30万円はすでに膨らんだもの。そもそもの価値が違うんですよ。

Aさん

分かるような、分からないような……。

八木さん

例えば65歳まで働くとして、28歳から自分のために30万円使って勉強したら、そのリターンは30年以上得られますよね。

一方、50歳から自分に投資しても、リターンは15年しか得られないんですよ。

だから若さこそが、何よりもアドバンテージやと思います。

Aさん

「ブラジルの人、聞こえますかー?」って叫んでる八木さんらしからぬまともな回答だ……!

八木さん

今日はお金の専門家ですから(笑)

サバンナ・八木真澄さん

世の中の基準じゃなくて、自分の基準でお金の使い方を考えよう

Aさん

先ほど、固定費を下げればいいとおっしゃってましたが、八木さんだったら私の固定費をどう見直しますか?

八木さん

そうね~。一番いいのは、引っ越しかなと思いますね。

Aさん

引っ越しですか。

八木さん

はい。僕だったら藤沢に引っ越すかな。広さは変わらずに家賃2万円は下がるんちゃうかなと思います。

藤沢なら始発出てるんで座れるから、都心への通勤にかかる往復3時間は勉強に充てますね。で、休日はサーフィン。

Aさん

通勤に往復3時間は大変そう……。都内の方がいいな~って思っちゃいます。

八木さん

それがAさんの大事にしたいポイントなら全然ええと思いますよ。

ただ、何で都内がいいのか改めて考えてみると、「別に千葉や埼玉でもいいかも」ってなることはよくあるんですよ。

自分の生活スタイルを振り返ってみて、世の中の基準じゃなくて自分の基準で削れるところを削ればいいかなと。

Aさん

なるほど。お金の使い道を見直してみたら、「これは削っても全然幸福度は下がらないな」って思うところがあるのかも。

八木さん

そうそう。

ちなみに僕はもう5年くらい妻に髪切ってもらってるんですけど、それだけやってると妻もめっちゃ上達するんですよ。そのおかげで、美容院に行く必要もなくなりましたね(笑)

Aさん

すてきなご夫婦だと思いますけど、私は美容院代は削りたくないです(笑)

八木さん

そうやって自分基準で見直していけるとええと思いますね。

そんでもって、「お金のことやっぱり不安やな~」と思うんやったら、できる範囲で勉強してみるといいと思いますよ。

例えばFP3級の勉強すると、大体のことは分かりますから。

Aさん

勉強かぁ……。

八木さん

明らかに気が乗ってないですね(笑)

Aさん

もっと簡単な方法ないですかね?

八木さん

1万円でいいから金、ドル、株のどれかを買ってみてもええかも。これは将来のためではなく、あくまで勉強の一環としてです。

実際にやってみると嫌でも自分ごとになるから、自然と日経新聞とか見たくなると思います。

将来に備えて投資を一生懸命やる必要はないかもしれませんけど、お金について知っておくことは決して損にはならないと思いますよ。

サバンナ・八木真澄さん

取材・文・編集/光谷麻里(編集部)

書籍情報

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『年収300万円で心の大富豪』の書影

サバンナ八木真澄が「お金と幸せ」の真理を説く

サブスクができた時点で人間平等!

「ブラジルの人聞こえますか~!」のギャグでおなじみ
倹約家でFP資格も持つサバンナ八木真澄が
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