「最近きれいになったね」取引先からの微妙なセクハラ、これってアリですか……?【弁護士監修】

ベリーベスト法律事務所
働く女性の駆け込み寺!
お仕事トラブル法律相談室

セクハラ、パワハラ、不当な扱い。もしかしてコレって違法では……? 働く女性が抱える仕事・職場のモヤモヤを、弁護士が法律のプロの視点から徹底解説。長く心地よく働き続けるための知識を身に付けよう!

今回、読者から寄せられたお悩みに回答してくれたのは、ベリーベスト法律事務所の永濱佑一弁護士。

取引先の男性からの言動に違和感を覚える相談者のお悩みに答えながら、「これってセクハラ……?」と感じたときに女性が備えておきたい法律知識を教えてくれました。

25歳/営業

取引先の男性から、会うたびに「最近きれいになったね、何かあった?」「今日の服、セクシー系だね」などと言われます。最初は冗談だと思って軽く受け流していましたが、だんだん不快に感じるようになりました。

しかし、強く拒否すると今後の関係に悪影響が出るかもしれませんし、私の勘違いで大げさに捉えすぎているだけかも…?と思い我慢してしまいます。法的な「セクハラ」のボーダーラインはどこにあるのでしょうか?

永濱佑一氏

回答してくれた弁護士
ベリーベスト法律事務所
永濱佑一弁護士

北海道大学法科大学院修了。弁護士登録後、ベリーベスト法律事務所に入所。一般民事、刑事、企業法務等の幅広い分野を取り扱う。企業内におけるハラスメント事案調査の対応経験がある。

「セクハラ」の定義は明確ではない?

——今回のケースは、法律的な観点から見てセクハラに当たるのでしょうか?

セクハラの定義が明確になされている法律はありませんが、男女雇用機会均等法11条1項にセクハラを定義づけていると思われる記載があります。

それを要約すると、セクハラは、職場において行われる性的な言動によって、
1.労働者が不利益(解雇、降格、減給等)を受ける場合
2.労働者の就業環境が害される場合

の2種類に分類されます。

厚生労働省が指針(「セクハラ指針」と言われることもあります)を出していますので、セクハラに該当するかどうかの判断にあたっては、セクハラ指針を参考にすることになります。

今回のケースのポイントの一つ目は、会社の同僚ではなく取引先の男性からの発言であるという点です。

まさにこの部分について、セクハラ指針に記載があり、取引先の労働者からの性的な言動もセクハラになり得るとされています。

そうすると、ポイントの二つ目として、取引先の男性の発言が「性的な言動」に該当するかどうかが重要なところになってきます。

まず、「最近きれいになったね、何かあった?」という発言(「発言A」と言います)について考えてみると、単に女性をほめているという評価ができる場合もありますが、「きれいになった」という主観的言葉で男性から女性への好意を示しているとも捉えられますので、発言Aが「性的な言動」に該当する可能性はあります。

次に、「今日の服、セクシー系だね」という発言(「発言B」と言います)については、男性が女性の身体をいやらしい目で見ているのではないかと思わせる発言であり、「性的な言動」に該当すると評価できます。

そして、相談者は、取引先の男性の発言を不快に感じるようになっており、精神的な負担が生じていますので、就業環境が害されていると言えます。

つまり、少なくとも、発言Bはセクハラに該当するのではないかと考えられます。

——セクハラに当たる場合、法的責任が問われますか……?

会員限定(無料)

女の転職typeに登録すると続きをお読みいただけます。