【坂東工】バチェラー/バチェロレッテ司会進行役10年目の卒業。プロが辿り着いた“夢に搾取されない”生き方

【坂東工】バチェラー/バチェロレッテ司会進行役10年目の卒業。プロが辿り着いた“夢に搾取されない”生き方

シーズンごとに、物語の主人公、そして登場人物が変わりゆく恋愛リアリティー番組『バチェラー/バチェロレッテ・ジャパン』シリーズ。

2017年のシーズン1以来、約10年にわたりその中心で「不動の存在」であり続けたのが、司会進行役の坂東工さんだ。

多くの参加者が感情を爆発させ、愛憎が渦巻く極限状態の中、彼は常に淡々と、しかし慈しむような眼差しでその場を導いてきた。

しかし、シリーズ10作目となる最新作『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4をもって、坂東さんはその役目から退くことを決意。なぜ、順風満帆に10年目を迎えた今、ピリオドを打つのか。

そこには、キャリアの踊り場で「次の一手」に悩む女性たちが、自分らしく人生のハンドルを握り直すための、鮮やかなセオリーが隠されていた。

坂東 工さん

俳優・司会者・アーティスト 坂東 工さん

1977年 7 月 25 日生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部を卒業後、渡米し、2007 年に帰国。映画『ディパーテッド』や、映画『硫黄島からの手紙』、日米豪合作映画『レインフォール』などに出演。2011年、アート活動を開始。Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1(2017 年)から『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4(2026 年)まで、シリーズの司会進行を務めた。俳優のみならず、アーティストとしても活動し、“見えないものを描く”表現を軸に作品制作・ライブペインティングを行っている。 X Instagram

プロとして「何を言うか」より「何を言わないか」

『バチェラー/バチェロレッテ・ジャパン』シリーズは、社会的地位を確立している才色兼備のバチェラー/バチェロレッテの元に集まった独身異性たちが、運命の恋を見つけるためにゴージャスでロマンチックなデートをしていき、最終的にたった1人の相手を決めるという恋愛リアリティー番組。

坂東工さん

毎回、参加者のエゴや情熱が激しくぶつかり合う場所で、司会進行役の坂東さんは、決して一喜一憂しない。

最新作『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4についても、「今回は非常にピュアな旅でございました」と、どこか俯瞰したような穏やかな笑顔を見せる。

坂東さん

これまでのシリーズは、参加者たちが「どう愛していくか」「どう見られたいか」という想いが先立つ場面も多くありました。

でも今回は、バチェロレッテ・平松さんの純粋さに影響され、参加者たちがどんどん「どうありたいか」という本質に向き合っていった。素晴らしい関係値が築かれた旅でしたね。

そんな劇的な変化の中でも、坂東さんのスタンスは揺るがない。「特定の誰かに感情移入しないこと」――それが、彼が自分に課した鉄の掟だ。

坂東さん

僕の役目は、バチェロレッテの選択を全力で支えるということです。

そのために気をつけているのは、今回のシーズンに限らず、参加者のどなたにも感情移入をしないこと。

長い旅の中にさまざまな出来事が起こりますけれど、そこに一喜一憂しないことがとても大切だと思っています。

坂東工さん

ただ、一視聴者としては一喜一憂したり、感情移入してしまったりする場面があって当然。それは意識してコントロールできるものなのか。

すると坂東さんは「僕も人間ですからね」とチャーミングな表情を見せた後で、次のように語る。

坂東さん

僕も人間ですから、もちろん心は動きますし、心中穏やかでないこともありますよ。でも、それを表に出さないことは決めています。

これは職業を問わず言えることですが、「何を主張したいか」よりも「何を言わないか」の方が、コミュニケーションにおいては非常に大切だと考えています。

最初からその境地にいたわけではない。シーズン1で起きた想定外の辞退劇。その積み重ねが、彼を「淡々と、プロの役割に徹する」今のスタイルへと導いた。

坂東さん

『バチェラー・ジャパン』シーズン1 のローズセレモニーで辞退者が出たときに「あ、これは参加者の方たちも選択できる旅なんだ」っていうことが分かって。

全員がリアルで挑んでいる旅なわけですから、プロとして「自分をどう見せたいか」という欲求はすべて捨て去って、役割に徹する覚悟が自然とできたように思います。

大切なのは「与えられた場所で全力を尽くす」こと

坂東工さん

司会進行として完成された存在だった坂東さんが、なぜ今、10年続けた場所を去るのか。

その理由は、今シーズンの撮影中に訪れた、一瞬の「心の揺らぎ」にあった。

坂東さん

今回、バチェロレッテ・平松さんのある姿を見たとき、一瞬だけ役目を忘れて、目を奪われてしまったんです。「ああ、僕はこの光景を見たくて、この旅を続けていたのかもしれない」という想いが溢れてきて。「ここでいい」と、ストンと腑に落ちました。

それは、10年間の役割を全うしたという確信に近いものだった。

坂東さん

もしこれ以上続けていたら、おそらく「慣れ」や「惰性」が入ってしまったでしょう。

参加者の人生が懸かった物語に、司会者の慣れなんてものは、絶対にあってはならない不純物です。 だからこそ、自分自身でピリオドを打つことにしたんです。

坂東工さん

坂東さんのように、自分自身の「役割」を考えながら振舞うのは難しいものだ。実際に仕事をしていると、自分自身がどんなスタンスでいるべきか、どんなふうに振る舞うべきかを悩む人も少なくない。

そんな「役割」に悩む女性たちへ、坂東さんは「居場所の作り方」について独自の視点を提示する。

坂東さん

私は「自分の役割」って声高に主張するものではないと思っています。もし求められていないのに、組織の中で「ここが私の場所だ」と主張するのは、周囲に迷惑をかけているだけ。

むしろ、主張しないと居場所がなくなるような場所なら、そこは自分のいるべき場所ではないのかもしれません。

与えられたところで、まずは全力を尽くす。そうしていれば、居場所は自然とできてくるものだと思います。

ただ、その過程で「無茶はした方がいい」と坂東さんは付け加える。

坂東さん

無茶をすれば自分の限界を知ることができます。小さな円の中に収まらず、枠をはみ出して痛手を被りながら進む。その先にこそ、人生を味わい尽くせる楽しさが待っていますから。

人生の主導権を握るには「夢に使われず、他責にしない」

坂東工さん

多くの男女の「愛の決断」を見守り続けてきた坂東さん。

最後に、日々を懸命に生きる女性たちが「人生の主導権」を握るための極意を聞いた。

坂東さん

夢に使われず、他責にしないことですね。

「夢があるから、これをしなきゃいけない」という強迫観念に縛られた姿は、見ていて少しつらい。

環境や他人のせいにしている状態は、主導権を握れているとは言えません。

自分の人生の責任を、自分自身で取る。その覚悟こそが、本当の自由を連れてくる。

坂東さん

「今は耐え時だ」と思うのはいい。でも、夢に「使われている」と感じるなら、一度立ち止まっていいんです。理想を追うあまり、無理な選択を重ねるのは違いますから。

心行くまで悩んで、心行くまで自由に生きてください。そうすれば、世界はきっと平和になります。悩んだ時に、静かに見守ってくれる人がそばにいたら、その人はあなたの人生にとって、きっと大切な人ですよ。

自分をどう見せるかよりも、その場で何を全うすべきか。

坂東さんの10年間のプロフェッショナリズムは、最後の一瞬まで、自分自身との真摯な対話によって支えられていた。

坂東工さん

役割を全うし、鮮やかに次へ進む彼の背中は、こう教えてくれる。

「完璧なライフプラン」を立てるより、「今、この瞬間の誠実さ」を積み重ねること。それこそが、最も自分らしいキャリアを描き出すのだと。

取材・文/於ありさ 撮影/笹井タカマサ 編集/大室倫子(編集部)

『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4
2026年5月1日(金)20時よりPrime Videoにて独占配信開始(全9話)

作品の画像

シリーズ史上最年少のバチェロレッテ・平松里菜さんを迎え、タイを舞台に情熱的な愛の旅が繰り広げられる。

また、5月15日(金)20時からは、坂東さんの10年を振り返る卒業記念特別番組「坂東さん卒業スペシャル ~沢山のローズをありがとう!~」も配信決定!

『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4概要

タイトル:『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4
2026年5月1日(金)20時より独占配信中
話数:全9話
5月1日(金)20時 第1話-第4話
5月8日(金)20時 第5話-第7話
5月15日(金)20時 第8話-第9話、ボーナスコンテンツ「坂東さん卒業スペシャル」配信開始