中村倫也 ムロツヨシ 江口拓也 佐々木蔵之介/10年以上の下積み、バイト地獄…「不遇の時代」を力に変えた生存戦略

中村倫也 ムロツヨシ 江口拓也 佐々木蔵之介/10年以上の下積み、バイト地獄…「不遇の時代」を力に変えた生存戦略

「周りはどんどん昇進していくのに、自分はこのままでいいの?」
「努力しているのに、なかなか結果に結びつかない」

キャリアの中で、そんな焦りに飲み込まれそうになる瞬間は誰にでもあるもの。

同じように、長い「鳴かず飛ばず」を経験した有名人たちは、どうやってその時期を乗り越えてきたのでしょうか?

今回は、Woman typeの過去のインタビューから、中村倫也さん、ムロツヨシさん、江口拓也さん、佐々木蔵之介さんの記事をピックアップ。

彼らが「芽が出ない時期」をいかに過ごし、何を変えることでチャンスを掴んだのか。どん底から這い上がるための仕事論に迫ります。

中村倫也:作品の中心に立つようになり、変わった“正解”

中村倫也

今やカメレオン俳優として圧倒的な実力を誇る中村倫也さん。しかし、デビューから10年以上は鳴かず飛ばず。当時は実力が伴わない自分を「肥大化した自己愛」だけで守っていたと振り返ります。

そんな彼を救ったのは、共演者でもあったムロツヨシさんの「お前はどうなりたいんだ?」という厳しい問いかけでした。

ドブの中にいる現実を突きつけられ、真剣に自分と向き合った日から、中村さんの快進撃が始まります。

自分のことだけを考える「個」の戦いをやめ、チームのパフォーマンスを最大化させる役割へと舵を切った時、彼にとっての“正解”が変わりました。

中村さん

25歳くらいまではクソガキで。人の言うことを聞くのが嫌だったんです。

「自分はできる」と思い込んでいたけれど、現実では全く通用しないし、期待もされない。

その状態で自分を保つためには、肥大化した自己愛だけが頼りだったんです。自分だけでも自分を「できるヤツだ」と思わないと立っていられませんでした

中村倫也「お前はどうなりたいんだ?」ムロツヨシに救われてから15年。役者として見つけた“新たな正解” woman-type.jp
中村倫也「お前はどうなりたいんだ?」ムロツヨシに救われてから15年。役者として見つけた“新たな正解”

ムロツヨシ:「一生懸命な思い」がない人に、周囲の人は手を差し伸べてくれない

ムロツヨシ

中村倫也さんを救った恩人であり、今や「人たらし」として知られるムロツヨシさんですが、20代半ばまでは「誰にも頼っちゃいけない」と頑なになり、孤独な戦いを続けていたと言います。

同級生が就職して活躍する中、アルバイトで食いつなぐ日々。

転機は26歳、仕事もセリフを覚える予定も全てなくなった「どん底」の瞬間でした。

そこで彼は、ちっぽけな虚栄心を捨て、周囲に「助けて」と言う勇気を持ったのです。自分をさらけ出し、他者を信頼すること。それが彼の人生を劇的に変えるきっかけとなりました。

ムロさん

若いうちほど、自分はすごい人間だって思われたいものでしょ? でも、実際は何もできない。

だから、仕事を通して何かを成し遂げたいと思うなら、なおさら誰かの力を借りることが必要です。人生のどん底を味わうまで、僕はそんな当たり前のことに気づけませんでした

ムロツヨシに学ぶ、仕事で成功できない人に欠けている三つの視点。「僕が夢をかなえられたのは、20代で『助けて』って言えたから」 woman-type.jp
ムロツヨシに学ぶ、仕事で成功できない人に欠けている三つの視点。「僕が夢をかなえられたのは、20代で『助けて』って言えたから」

江口拓也:「圧倒的な努力と苦労」が今の自分をつくっている

江口拓也

数々の人気作で主演を務める声優・江口拓也さん。しかし彼は自身のことを「凡人」だと言い切ります。

20代は新聞奨学生として働きながらアルバイトを掛け持ちする過酷な下積み時代を過ごしました。

「自分は物語の主役(勇者)にはなれないかもしれない」という俯瞰した視点を持ったことで、逆に「自分にしかできないポジション」を見つけることができたと語ります。

世間の評価に振り回されるのではなく、自分が本当に良いと信じるものにこだわり抜く。そのストイックな姿勢が、今の揺るぎない地位を築きました。

江口さん

ゲームの世界では、主人公の周りに戦士や魔法使いがいて、それぞれの役まわりがあって物語が進行していきますよね。

それと同じで、人間にも割り当てられた役割や、その人に向いているポジションが存在すると思うんです。

その中で僕はきっと、勇者にはなれないけれど、自分にしかできない役まわりはあるはずだと思って

それを探しながら、周りに求めてもらえることを見つけていく。そんな自分を俯瞰した考え方は、比較的得意だったと思います。

【江口拓也】順風満帆ではなかった20代、今でも「常に逆境の中にいる」人気声優のストイックさの源泉 woman-type.jp
【江口拓也】順風満帆ではなかった20代、今でも「常に逆境の中にいる」人気声優のストイックさの源泉

佐々木蔵之介:自分を客観的に観察すると、大変な仕事も乗り切れる

佐々木蔵之介

広告代理店勤務を経て、32歳でNHK連続テレビ小説『オードリー』で注目を浴びた佐々木蔵之介さん。決して早いスタートではありませんでしたが、会社員時代の「毎日がピンチ」という経験が、彼のプロとしての土台を作りました。

追い詰められた時ほど、その状況を面白がれるかどうか。自分をギリギリまで追い詰めるのではなく、一歩引いて「ありえへんな」と笑い飛ばす。その客観性と楽観主義こそが、難役や過酷な現場を乗り越え、息の長いキャリアを築くための秘訣となっています。

佐々木さん

僕は以前、広告代理店で働いていたことがありましたが、毎日がピンチの連続ですよ(笑)。

例えば、上司から『あと2日でプレゼンせえ』と言われたとします。予算も人もないし、『どないすんねん、そんなアホな……』ってなるのが本音ですよね。でも、そんな試練を与えられるのは、できる見込みがあってこそ。

弱音を吐いて諦めるより、明るく知恵と勇気とチームワークで乗り越えた方が絶対に楽しいですよ。僕自身も、そういうときこそ、“笑(わろ)てまうで”って自分でツッこんで笑いにして、切り抜けてきたような気がします

佐々木蔵之介が大事にする客観性と楽観主義――「つらい時こそ笑え。自分を追い詰めても仕事がつまらなくなるだけ」 woman-type.jp
佐々木蔵之介が大事にする客観性と楽観主義――「つらい時こそ笑え。自分を追い詰めても仕事がつまらなくなるだけ」