未経験から手に職を付けるチャンス! 実は女性が求められている「エンジニア」の仕事
長く働くためには、やっぱり「手に職」が一番。とはいえ、イチから専門性を身に付け、未経験の仕事に就くのは難しい気がしてしまうのも事実。そんな人は、IT業界をのぞいてみてはいかがだろうか。経験や理系の知識がないと難しいイメージが強い世界だが、最近では未経験女性の採用が活発に行われているのだとか。

『type転職エージェント』で多くの女性の転職支援をしているキャリアアドバイザーの星野莉奈さんに、未経験・文系からでもチャレンジできるエンジニアのキャリアの面白さと可能性について教えてもらった。
今、エンジニア女子がアツい!
女性目線の発想が新時代のITを盛り上げる
要件定義に仮想化、JavaにCOBOLにLinux……。聞き慣れない専門用語をあれこれ並べられるだけで、文系女子からするとつい頭が痛くなってしまいそうなIT業界。だが、星野さんは「難しく考えることはない」とアドバイスする。
「転職をしたときに新しいことを覚えなくてはならないのは、どの業種・職種でも当たり前のこと。苦手意識や耳慣れなさからITというだけでフィルタリングを掛けてしまっている女性が多いのは、ちょっともったいないな、と思います。IT業界は、システムやWebサービスを作る“モノづくり”をしている業界。料理をしたり、アクセサリーを作ったり、手芸をしたり……。こういった自分の手でモノをつくる達成感や、それを誰かに使ってもらってうれしい気持ちが味わえる仕事なんですよ」
景気回復や社会情勢の変化を受け、エンジニアの採用市場はこれまでにない特需だと言う。人が足りていないからこそ、未経験者を採用し、育てていこうという企業は増えており、全くの未経験者であってもチャレンジできるチャンスが広がっている。さらにこうした追い風に加え、今、IT業界では女性ならではの視点がますます求められているのだとか。
「スマートフォンの普及により女性がWebサービスを頻繁に利用するようになったことで、今、どんどん女性向けのサービスが生まれています。企業としては、ユーザーである女性をエンジニアとして採用することで、より女性目線のサービスを開発していきたいと考えているんですよ」
星野さんの実感値によると、現在のエンジニアの労働人口のうち女性比率は5~10%程度。数が少ないからこそ、女性エンジニアの声は何より貴重なアイデア源となるのだ。
技術力だけがエンジニアの武器じゃない
求められるのは、きめ細やかなホスピタリティー
そうは言っても、中には自分がPCに向かってカタカタとプログラムを組んでいるイメージがどうしても湧かないという人もいるだろう。エンジニアと聞くとシステムを作る人をイメージしがちだが、プログラミング以外にもさまざまな役割がある。
「例えばある程度システムについて理解できるようになったら、今度はシステムそのものをどう作るかお客さまと折衝をする立場に回ることもできます。そのときに必要となるのは、お客さまが何を求め、ユーザーがどんな機能を必要としているのかを読み取る力。また、実際にシステムを作り始めたら、全体を見てディレクションをしたり、進捗管理をしたりといった業務も出てくる。女性が得意とする、相手のことを考えて先回りする気配りやコミュニケーション能力が十分に活かせます」
エンジニアのキャリアパスは他にも広がっている。
「対人スキルに自信があるなら、カスタマーサポートやヘルプデスクといった仕事に転身する道もあります。これは、システムを導入したお客さまに対して使い方をガイドしたり、不具合が起きたときの対応をする仕事です。お客さま対応の経験や、オフィスでの電話対応の能力が活かせますよ」
このようなキャリアパスの多様性は、エンジニアとして働く大きなメリットの一つだ。マネジメント力を付けたい人、一生現場で技術を磨きたい人、困っているお客さまのサポートをしたい人。それぞれの志向や特性に合ったポジションが用意されているからこそ、どんな女性でも働く喜びを見つけることができるはずだ。
長く働き続ける秘訣は
“取って代わられない”強みを持つこと
「エンジニアは、長く働きたい人には最適な職業です。『長く働く』と考えると、どうしても労働時間や福利厚生を気にする人が多いですが、それよりも大事なのは、“取って代わられないスキル”を身に付けること。例えば事務の場合、仕事内容を覚えるのにそれほど時間は掛からない分、正直、伸び代も少ない。同じことができる人が世の中にはたくさんいて、企業もどんどん事務業務をアウトソーシングするようになっている。それに対して、エンジニアは専門スキルが求められるからこそ、自分にしかできない仕事だと言えるし、取って代わられるリスクが低いんです」
また、PCとネットさえあれば、どこでも仕事ができるというのもエンジニアの大きな特色の一つ。最近では在宅勤務などを活用して、結婚・出産を経ても働き続けるエンジニアママも増えているのだそう。となると、最後に気になるのは人間関係。正直、エンジニアの職場環境は、寡黙な男性ばかりのイメージ。なかなかコミュニケーションが難しそうだが……。
「確かに男性比率の高い職場が多いですが、自分の世界を広げるチャンスでもあります。例えば理系男子ってツボが特殊で、好きな素数の話で盛り上がったりするんですよ。『オレは7が好きなんだよね』『オレは11』とか(笑)。文系なら絶対に考えられない会話ですが、だからこそ面白い。それにエンジニア男性は真面目で素直な方が多い印象があります。職場に女性が少ない分、重宝してくれるところも多いし、目線を変えてみれば働きやすい職場なんですよ」
何となくの先入観や苦手意識で作り上げてきたIT業界の勝手なイメージ。そうした偏見を全部取っ払ってみれば、確かに躊躇する理由は何もない。取って代わられない強みを身に付けることができ、今まで知らなかった経験や発見ができる刺激的な環境と言えそうだ。一歩踏み込んでみれば、あなたも数年後には立派な“エンジニア女子”になれるかも?
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星野 莉奈さん
求人広告媒体営業を3年経験した後、金融・不動産業界に特化した部門や管理系職種を専門とするアドバイザーを経験。その後、IT業界の転職を支援するアドバイザーに。学ぶ姿勢を大切にしており、産業カウンセラーやキャリアカウンセラーなどの専門資格を有する
■type転職エージェント:https://shoukai.type.jp/
取材・文/横川良明