28歳女性の9割が「皆はどうしてるか」を参考に人生を選択。本当は「自分で決めたい」女性たちの本音【100人アンケート】

28歳女性の9割が「皆はどうしてるか」を参考に人生を選択。本当は「自分で決めたい」女性たちの本音【100人アンケート】

Woman type15周年特集
「後悔しない選択」なんてない。28歳からの人生の決め方

転職、結婚、出産……人生の分岐点が次々とやってくる28歳。どの道を選んでも、きっと少しは後悔が残る。それでも「私が選んだ」と言える人生のために。15周年を迎えたWoman typeが、識者の視点や、迷いながら自分の道を選んできた人たちの言葉を通して、“自分で決める”ためのヒントを届けます。

本特集では、「28歳からの人生の決め方」をテーマに掲げていますが、時代に合わせて28歳の女性たちの価値観も変わっていくもの。

では、今の28歳の女性たちは、人生のどんな選択に迷い、何を基準に決断しようとしているのでしょうか。

そのリアルを探るべく、Woman typeでは28歳の働く女性100人にアンケートを実施しました。

そこで見えてきたのは、転職や結婚、出産など、さまざまな選択にタイムリミットを感じながらも、「後悔しない道を選びたい」と揺れ動く女性たちの姿。

アンケートから浮かび上がった28歳女性たちの葛藤や本音を、彼女たちが生きてきた時代背景とともにひも解いていきます。

28歳女性の8割以上が、人生で迷いを抱えている

まずは、28歳の女性たちが今、どのような迷いを抱えているのかを見ていきましょう。

「仕事や人生において、決め切れずに迷っていることはあるか」を聞いてみたところ、85%の女性が「ある」と回答しました。

Q1.現在、仕事や人生において、決められずに迷っていることはありますか?

現在、仕事や人生において、決められずに迷っていることがあるかどうかのアンケート結果の円グラフ

実に8割以上が、何らかの選択に迷いを抱えていることが分かります。

では、具体的にどんなことで迷っているのでしょうか。

Q2.どんなことで迷っていますか?

具体的にどんなことに迷っているかのアンケート結果を示した横棒グラフ

複数回答可

最も多かったのは「今の会社で働き続けるか、転職するか」で59%。次いで「今の仕事を続けるか、未経験の仕事に挑戦するか」が30%となり、転職やキャリアチェンジをめぐる迷いが上位を占めました。

3位には「結婚するかどうか、結婚のタイミング」28%、4位には「出産するかどうか、出産のタイミング」21%がランクイン。仕事の選択とは切り離せない、結婚・出産といったライフイベントについても、今後どうしていくべきか悩んでいる女性が少なくないようです。

では、こうした選択を前に、女性たちが具体的にどんな不安を感じているのかを見ていきましょう。

Q3.具体的にどのような不安を感じていますか。

具体的にどんなことに迷っているかのアンケート結果を示した横棒グラフ

複数回答可

「30代になると未経験の仕事に転職しづらくなりそう」が73%と、突出して高い割合を占めました。

次いで「20代で転職すると、妊娠・出産のタイミングを逃しそう」が23%、「産休・育休取得後は転職で不利になりそう」が22%という結果に。

「新しい仕事に挑戦するなら、若いうちがいいのではないか」。一方で、「今転職すると、結婚や出産のタイミングが遅れてしまうかもしれない。でも今ライフイベントを優先すると転職のチャンスを逃しそう」。そんな、キャリアとライフイベントの間で揺れる女性たちの心理がうかがえます。

実際に、アンケートにはこんな声が寄せられました。

転職・キャリアで迷っている理由

・「今の仕事を続けていてもなかなか昇進できそうにないから」(システムエンジニア)

・「30歳以降は夜勤がしんどくなっていくと思い、このまま介護職を続けるのか、夜勤がない介護の仕事をするのか、全く別の仕事に挑戦してみるのかを悩んでいる」(介護職)

・「給与が上がる見込みがなく、このまま目標もないまま今の仕事を続けていて良いか悩んでいる。30代に入ってからの転職はハードルが高くなると思うので、早めに行動した方がいいと思っているものの、今の会社よりも良い職場に転職できるのかも分からないので転職すべきか迷っている」(一般事務)

・「結婚や出産の予定はなく、1人で生きていく未来が見えてきたので、今後生活していくにあたってキャリアが大事だと感じている。一般事務は給料が少ないけれど、今転職して成功するのだろうか、自分に合った仕事はあるのだろうかと、色んな不安があり次に進むことができない」(一般事務)

・「現在法人営業を担当しており、数字の目標達成や体力的・精神的な負担の大きさを感じる中で、将来的に長く働き続けられる職種へキャリアチェンジすべきか迷っている。また、今の会社で役職を提示されつつあるものの、一度役職に就くと責任が増して別職種への転職タイミングを逃してしまうのではないかという不安がある」(営業)

結婚・出産で迷っている理由

・「いずれ結婚や出産などのライフイベントも経験したいと考えているけれど、未経験の職種にキャリアチェンジするなら今が最後のチャンスではないかと悩んでいる。もし今転職してしまうと、新しい環境に慣れるまでの期間や、その後の妊娠・出産のタイミングをどう調整すべきか分からず、ベストな一歩が踏み出せずにいる」(一般事務)

・「近いうちに結婚や出産も視野に入れたいため、今転職して新しい職場環境で一から人間関係や仕事の信頼を築くべきか、それとも制度や環境に慣れている今の会社で産休・育休を取得してから今後のキャリアを考えるべきかでタイミングに迷っている」(一般事務)

・「28歳になり、周りでも結婚や転職の話が一気に増えて焦りを感じている。今の事務職は安定しているけれど、ずっとこのままでいいのか不安があり、ずっと興味のあったWeb業界へキャリアチェンジしてみたい気持ちがある。付き合っている彼とは結婚の話も出ているが、今結婚して出産となると欲しかったキャリアを諦めることになりそうで、どのタイミングで何を優先するのが自分にとってのベストな選択なのかが分からず迷っている」(一般事務)

・「まわりが結婚ラッシュで、幸せを取るべきなのかもしれない…。けれど、キャリアアップが図れるのは今だけ…。その葛藤がある」(販売サービス)

・「正社員で働いて結婚して家庭を築いていく道が一般的だと思う中で、自分のやりたいことを優先すべきか、一般的な道を歩むべきか悩む」(小売業)

・「年齢も年齢なので結婚もしたいし、子どもも産みたいと思っているが、フリーランスなので、子どもを持ってしまったら自分がやりたいことを出来なくなってしまう恐怖がありなかなか踏み出せない。仕事が好きなので仕事を続けたい気持ちと、将来のことを考えて子どもを産みたいという気持ちが相反してしまっている」(イベント制作)

お金の使い道で迷っている理由

・「仕事にも少しずつ慣れてきたけれど、最近は同じような業務が多く、もう少し幅広い仕事に挑戦したい気持ちがある。また、付き合っている人との結婚も考え始めたものの、転職や結婚にお金がかかることを考えると、貯蓄を優先すべきか悩んでいる」(Webデザイナー)

・「将来のための貯蓄はもちろん大切だがセカンドカーを買う夢がありお金の使い方について悩んでいる。現実を見るか夢を優先するか年齢的にも葛藤している」(飲食店スタッフ)

30歳を前にやりたい仕事にチャレンジしたい気持ちと、結婚・出産などのライフイベントを見据えて決断したい気持ちの狭間で「今何を選択すべきか」迷っている姿が浮かび上がります。

また、同世代の女性たちが選ぶ“普通”の生き方と、自分の希望を比べているコメントも見られました。

そこで、仕事や人生の選択において、周囲の人と自分を比較することがあるか、また、同世代の人たちがどんな選択をしているのか気になるかを聞いてみました。

Q.4.仕事や人生の選択において、周囲の人と自分を比較することはありますか?

仕事や人生の選択において、周囲の人と自分を比較することがあるかどうかのアンケート結果を示した円グラフ

Q.5. 仕事や人生の選択について、「同世代の人たちはどうしているのか」を知りたいと思うことはありますか?

仕事や人生の選択について、「同世代の人たちはどうしているのか」を知りたいと思うことがあるかどうかのアンケート結果を示した円グラフ

周囲の人と自分を比較することが「よくある」「ときどきある」と回答した人は、合わせて87%。

さらに、同世代の人たちがどうしているのかを知りたいと思う人は91%に上りました。

多くの28歳女性が、自分の人生について考えるとき、周囲の生き方にも目を向けていることが分かります。

では、なぜ他人の選択が気になるのでしょうか。

Q.6.同世代の人たちの選択が気になるのは、なぜですか?

同世代の人たちの選択が気になる理由に関するアンケート結果を示した横棒グラフ

複数回答可

最も多かったのは「他の人がどんな選択をしているのか参考にしたいから」で47%。次いで「将来どうなるのかイメージしたいから」が35%、「自分の選択が間違っていないか確かめたいから」が27%と続きました。

この結果からは、「失敗したくない」と考える女性が多いことがうかがえます。

未経験転職にも結婚・出産にもタイムリミットを意識しているからこそ、同世代の経験を参考にしたり、自分の判断が間違っていないか確かめたりしたい。そんな心理が働いているのかもしれません。

一方、「自分が周囲より遅れていないか確認したいから」と回答した人も24%を占めていました。他人と比べて、自分だけが取り残されていないか気にしたり、平均以下になりたくないと考えたりする女性も一定数いるようです。

最後に、周囲が気になる女性たちが、最終的にはどのように仕事や人生の大きな選択をするのかを聞いてみました。

Q.7.仕事や人生の大きな選択をするとき、あなたの考えに最も近いものはどれですか?

仕事や人生の大きな選択をするときの考え方に関するアンケート結果を示した横棒グラフ

複数回答可

最も多かったのは「自分がどうしたいかを最も大切にしたい」で、47%を占めました。

「できるだけ情報を集め、正解だと思えるまで決めたくない」「周囲の人の意見や選択を参考にして決めたい」「失敗や後悔を避けられる選択をしたい」といった回答を、それぞれ大きく上回っています。

他人の選択が気になったり、間違った選択をしたくないという思いがありながらも、最終的には自分の気持ちを大切にしたい。そんな28歳女性たちの本音が見えてくる結果となりました。

「自分で決めたいのに、みんなが気になる」28歳女性の価値観を育んだ時代背景

自分の気持ちを大切にしたい。それなのに、周囲の人たちがどんな選択をしているのかも気になってしまう。

なぜ28歳の女性たちは、そんな二つの思いの間で揺れ動くのでしょうか。

その背景の一つとして考えられるのが、「30歳」を一つのタイムリミットと捉え、「今、人生を決めなければ」というプレッシャーを感じていることです。

特に、子どもを持つかどうかは、将来の生き方に大きく関わる選択。やり直しが利かないと感じるからこそ、絶対に失敗できないという重圧がさらにのしかかります。

こうした28歳前後ならではの焦りに加え、今の28歳の女性たちが育ってきた時代背景も、その価値観に影響していると考えられます。

【1998年生まれが育ってきた時代背景】

▼6歳/2004年:「自分で考える」教育の中で育つ

2002年度から完全学校週5日制が始まり、教育現場では「自ら学び自ら考える力」や、一人一人の個性を生かすことが重視されるようになりました(出典)。

▼14~16歳/2012~2014年:SNSで「みんなの人生」が見えるように

中高生の頃、スマートフォンやLINE、Twitter(現X)などのSNSが急速に普及。

この頃には10代の7割がLINEを利用するようになり、友達が何をしているのか、どんな毎日を送っているのかが日常的に目に入るようになりました。(出典)

▼21~22歳/2020年:コロナ禍で将来の見通しが一変

大学を卒業し、社会人になり始める頃、新型コロナウイルスの感染が拡大。

オンライン授業や就職活動の変化、テレワークの普及など、それまで当たり前だと思っていた学生生活や働き方が大きく変わりました。

さらに、業績が悪化する大手企業も相次ぎ、「大きな会社に入れば安泰」とは限らない現実を目の当たりに。将来の見通しが立たない不安が、社会全体に広がりました。

▼23~25歳/2021~2023年:仕事も家庭も、自分で選ぶ時代へ

2021年の出生動向基本調査では、未婚女性が理想とするライフコースとして、結婚・出産後も仕事を続ける「両立コース」が34.0%で初めて最多に(出典)。

仕事か家庭かの二者択一ではなく、どちらも大切にしたいという価値観が広がっていきました。

「自分らしさ」を大切にする一方で、SNSを通じて「みんながどうしているか」も日常的に目に入る。さらに、コロナ禍などで社会の先行きが見通せない経験を重ね、安定した将来を望む気持ちもある。

こうした時代を生きてきたことも、自分の気持ちと周囲の選択の間で揺れ動く背景の一つなのかもしれません。

スマートフォンを見ている手元

では、周囲の選択や将来への不安に振り回されず、自分自身で人生を決めるためには、どうすればいいのでしょうか。

本特集では、人生の先輩たちが28歳の頃に「どのように決断したのか」を振り返るインタビューをはじめ、研究者が教える「選ばなかった人生がよく見える」心理との向き合い方や、メンタルヘルスの専門家による「決断への不安」との付き合い方など、さまざまな角度からそのヒントをお届けします。

▼今後のラインナップ

・鈴木愛理が迷いながら選んだ道を“正解”にしてきた24年間

・30歳手前の女性の葛藤を描いた映画『男ともだち』三島有紀子監督が“感情に従った”人生選択の先に見たもの

・俳優・石田ゆり子が50代の今“何も後悔がない”と言える人生を歩めたワケ

・キャリア×メンタルヘルスの専門家・十束おとはが解説する「決断への不安」との付き合い方

・選ばなかった人生がよく見えるのはなぜ? 心理学者が解説

…etc.

文/光谷麻里(編集部)