働く女性が上司に「老害」認定を下す瞬間って?――「残業・根性・無神経」は完全にアウト
「近頃の若者は……」という言葉をよく聞くけれど、若者にだって言い分はあるもの。自分とは年齢の離れた上司や先輩に対して、不満を抱えている働く女性も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな“痛み”を同世代で分かち合うべく、「職場の老害事情」についてアンケートを実施。老害だと思う人の特徴や、働く女性たちが実践している「老害」対処法について聞いてみました。
Q.1
あなたの会社には、「老害」だと感じる人はいますか?
なんと、7割もの人が「いる」と回答! 特に、「40代以上の男性上司」に対して「老害だと感じる」と回答した女性が多くいました。では、どんな人を「老害」だと感じているのでしょうか?
Q.2
Q.1で「はい」と回答した方に伺います。「老害だ」と思う人の特徴をお教えください。
・「とにかく話が長くて、仕事の時間を長時間奪われる」(医療関係/30歳)
・「人に説教するのが大好きで、とにかくくどくど怒る。逆にどうでもよくなっちゃう」(教師/28歳)
・「帰り際に『あとはやっといて』と自分がやるべき仕事を後輩に押し付ける上司。その日の予定がそれで狂うので、皆迷惑している」(一般事務/24歳)
・「物忘れがひどい。何度も同じことを説明しなければいけないので、時間の無駄」(介護士/24歳)
【根性・根性・根性!】
・「『怒る』、『焦らせる』のマネジメントしかしない上司。結局、人を潰す」(マーケティング/25歳)
・「『俺が若い頃はなあ……』が口癖。『若い頃の苦労は買って出るものだ』と主張する。何事も効率化することを嫌い、業務効率化を提案すると『楽しようとするな』と嫌な顔をする。やたらと時間を使ってひたいに汗する姿を見たがるので、何のために仕事をしているのかと思う」(営業職/26歳)
・「仕事を部下に教えない。『知りたきゃ自分から来い』と圧迫してくるので若手が萎縮している」(営業企画/26歳)
・「とにかく『残業している』人が大好きで、長時間働く人を評価する。バカなの?」(経理/28歳)
・「とにかく話が長く、過去の栄光ばかり自慢する。変化することを諦めて、過去しか見ていない人は完全に労害。お前の時代はもう終わったんだよ、と言ってやりたい」(SE/29歳)
【頭が固過ぎです】
・「価値観を譲れない。自分の価値観にそぐわないものは全て悪と決めつけている」(一般事務/28歳)
・「私のおじさん上司の口癖は、『これだからゆとりは』です。若者を一括りにして決め付けて、個人を見ようとしない」(27歳/経営企画)
「残業を良しとする姿勢」や、「精神論を振りかざす」人に対して不満を抱いている女性が多い様子。生産性や効率化を意識して働いている若手世代からすると、無駄の多い働き方をしている人は「老害」認定されやすいようですね。また、時代は変わっているのに、昔ながらのやり方を貫こうとしたり、自分の成功体験から脱することができずにいる人も迷惑がられてしまっています。
さらに、こんな意見も。
・「いい歳して、業務時間中に寝ている」(営業/30歳)
・「会社にいる。それだけの人がいます」(人事/27歳)
・「家に帰ってやることないからといって、残業しながら大声でおしゃべりしている」(SE/29歳)
・「無駄に残業している。残っているけど仕事はしていない」(営業事務/27歳)
【その一言、必要?】
・「毎朝、女子社員の服装にいちいちコメントしてくる男性上司。『その色は変だね。似合ってない』とか、基本ネガティブな発言をしてくるので、近づいてくるとぞわっとする」(クリエイティブ系/27歳)
・「たいして仕事もできないのに、小言ばかり多くていやになります。無神経に部下のプライベートに立ち入ったことを言うのも許せない」(営業企画/30 歳)
・「私が食べ物の好き嫌いについて話をしたら、『そんなことじゃいい母親にはなれないな』とおじさん上司が一言。セクハラとかに無頓着なところも、老害の特徴かと」(人事総務/29歳)
【肩書き命】
・「自分の上司にはへこへこしていい顔をするが、後輩には威張り散らす。ただ社歴が長いというだけで、まったく尊敬できない」(IT関連/29歳)
・「後輩には絶対に謝らない人。上司だからといって、ミスしたら迷惑をかけた人に謝らなくていい理由にはならない」(接客販売/25歳)
「いいから仕事しろよ!」という意見が多数(笑)。こちらで紹介したコメントは一例に過ぎませんが、あともう少し会社にいればいい上司世代と、これからまだまだ会社で頑張らなければいけない若手世代では、仕事に対する意欲や危機意識も違うのかもしれません。
一方、「老害」と思う人が職場にいても、付き合っていかなければいけないのが会社員。どうすればストレスを最小限におさえられるのでしょうか?
Q.3
Q.1 で「いる」と回答した方に伺います。あなたは、会社で「老害」だと感じる人への対処法を持っていますか?
8割以上の人が「はい」と回答。一体どんな対処法なのでしょうか?
・「ひたすら我慢。受け流す」(一般事務/29歳)
・「ひたすらビジネスライクに接して、あとは無視」(営業/31歳)
・「絶対に目を合わせない」(Webディレクター/28歳)
・「はい、はい、と適当に意見を合わせて、受け流すしかない」(人事/27歳)
【必要最低限】
・「なるべく同じ空間で過ごさないよう、できるときは別の部屋に移って作業する」(Webデザイナー/29歳)
・「やりとりはできるだけメールで済ませる。文章にしておくと、あとで諍いが起きても『証拠』になるし」(経理/26歳)
【北風と太陽】
・「下手にぶつかっても自分をつらくするだけだから、むしろ適当におだてて、気に入られておく」(営業/29歳)
・「いつも満面の笑みで話を聞いてあげる。すぐに騙されていい気になるので、こっちが転がす」(販売サービス/25歳)
・「どんなに嫌いでも、話す時はいつも共感したふりをする」(営業企画/30歳)
さすが効率化世代。「無駄なパワーは使わない」が全体的なキーワードと言えそうです。また、「なるべく関わらない」派と、「気に入られて優位に立つ」派で回答が2分されています。自分の性格や、相手の性格に合わせて、賢く人付き合いしていくのが良さそうです。
今回、「職場の老害」をテーマに意見を集めてみましたが、編集部もびっくりのエピソードが多数集まりました。ただ、こうした事例は「明日は我が身」ということも……!? 自分がいざ年齢を重ねた時に同じことをしてしまわないよう、「変化すること」を諦めず、若手にいい影響を与えられる先輩・上司になっていきたいものですね。
【アンケート調査概要】
●調査方法:転職サイト『女の転職@type』の20代~30代女性会員へのWebアンケート
●調査期間:2016年12月13日~20日
●有効回答者数:333名
文/栗原千明(編集部)
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